自費率を上げたい人だけ見てください。

こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。

さて、突然ですが、医院の自費売上は何パーセントですか?

医院の規模にもよりますが、私の経験では売上全体に対して、30%程度は自費治療の売上がないと、患者さんの満足度を下げている恐れがあると考えています。<潜在ニーズのとりこぼし>

歯科医学的にベストな治療をしていて、患者さんの反応もすこぶる良い。という先生は今回の記事は読まなくても大丈夫ですが、少しでも不安のある方は是非ご覧ください。

今回は、自費の売上をあげるためにどうするべきかについて少しお話します。ただし、自費を上げる目的は「患者さんに更に満足してもらう事」ですので、誤解の無いように・・・。

売りたいなら・・・

早速ですが、最初に結論を言います。

 

「自費を売りたいなら、売るな」

 

何言ってんの?と思われたかもしれませんね。決して私の頭がおかしくなったわけではないです・・・。(笑)

売るための行動をするな。というわけではありません。

よくご相談いただく内容ですが、「あそこの医院は自費ばっかり進めてくる」というネガティブなイメージを避けたいがために、自費の説明をしないという先生もいらっしゃいます。

そういう先生には、「売ってください」と全く逆のことを言います。
売るのか売らないのか。もうわけが分かりませんね。

では、どうすれば良いのか。それを考える前に、ある心理効果についてお話します。

ブーメラン効果

ブーメラン効果とは、説得されると、反発したり、逆の行動・態度を取ってしまうという人間の心理現象です。

昔、親から「勉強しなさい」と言われて、「今やろうと思ってたのに!!!」と反発した経験はありませんか?

これが、まさにブーメラン効果です。

「あれしなさい」「これはダメ」と言われると、言われていることが正しいと分かっていてもなんだか従いたくない。というのは、子どもだけに限られたことではなく、年齢に関係なく起こることです。

これは、「心理的リアクタンス」と呼ばれるもので、東北文化学院大学の今城周造教授(現:昭和女子大学教授)の論文「説得への抵抗と心理的リアクタンス」では次のように記述されています。

 

第一に、決定の自由を制約し、決定に干渉しようとする提案は歓迎されない。 第二に、行動選択肢に関する禁止や制約の提案は受け入れがたい。 「説得への抵抗と心理的リアクタンス」 今城 周造教授

 

自分のことは自分で決めたいという欲求をだれもが持っていて、それを侵されると思うと無意識に抵抗してしまうのです。

この反発作用のことを「心理的リアクタンス」と呼びます。

つまり、相手を説得しようとすればするほど、反発したり、拒絶の反応を示されるのです。

 

もうお分かりですね。

「売りたいなら売るな。」

 

そうです。必要以上に自費を説明すれば、ブーメラン効果を受けてしまいます。

ではどのくらいがちょうどいいのでしょうか。解決策を考えてみましょう。

ブーメランを受けないために

ブーメラン効果については、自費も保険も同じです。

自分では何も決めていないのに気づいたら保険で治療されていたらどうでしょうか?

同じように心理的リアクタンスが生まれるでしょう。

 

「ほんとは自費で治療したかったのに。何も説明してくれなかった!」

この気持ちもブーメラン効果です。

 

ですから、まずはみんな同じように自費について説明をすること。
ただ、ブーメラン効果の事を考えると、説明しすぎてもしなさ過ぎてもダメだという事になりますね。

加減が難しい・・・。
人間の心理は本当に厄介ですね・・・。

そこで一番大切になってくるのが、患者さんのデンタルIQです。

日頃から患者さんを口腔内について啓発することで、患者さん自ら「自費治療」を選択するように助ける必要があります。

自分の健康のことを大切にするなら「自費」を選ぶはずですよね?

自費治療のすばらしさを伝えるのではなく、患者さんを啓発するために普段からどのくらい情報提供が出来ているかがポイントになります。

院内のPOP、配布資料、ニュースレター(新聞)、メインテナンスレター(はがき)などで定期的に患者さんのデンタルIQを高めていきましょう。

人間「今必要のない情報」は忘れていくものですから、情報提供は院長が思うよりも少ししつこいくらいがちょうど良いのです。

情報提供についての詳しいお話はまた次の機会に、ということで自費の説明の話に戻りましょう。

徹底するのは2つだけ

ブーメラン効果を受けないように自費を説明するためには、何が必要でしょうか?

ドクターやスタッフのトークの技術を磨くこと?

もちろん、それも必要な場合があるかもしれませんが、誰にでも出来て、個人の能力に寄らない方法でないと価値がありません。

徹底することは、たった2つ。

①全員に補綴メニュー(カタログ)を配布すること

②待合室にPOPや配布資料を設置(自費メニューのアピール)すること

きちんと出来ていますか?

①全員に補綴メニュー(カタログ)を配布すること

配りやすそうな人、やりそうな人、興味のありそうな人にしか渡していないという先生も多いのでは無いでしょうか。

該当する治療を行う人には必ず渡してください。その時、メニューの内容について詳しく説明をする必要はありません。

「次回までに決めておいてくださいね。何か質問はありますか?」

もちろん、それ以外のコミュニケーションがとれているという前提ですが、補綴メニューの配布に関しては、この一言だけで十分です。

質問された場合だけ、丁寧に説明しましょう。

模型などがあればその時に見せるのがベストです。くれぐれもいきなり最初から模型を持って来て説明することの無いようにしてくださいね。

 

ただ、全員に同じように配布する。

これだけ、徹底してください。

②待合室にPOPや配布資料を設置(自費メニューのアピール)すること

ポスターやPOP、持ち帰り資料を用意し、どんな治療が可能なのかをアピールしましょう。ここで重要なのは、自費の治療が素晴らしいですよ。というアピールばかりをしないことです。

『当院では、○○の治療を行っています。』という内容のポスターを設置したり、補綴のメニューの場合は、ご自由にお取りくださいという形で置いてみましょう。

また、デンタルIQを高めるためのPOPや配布資料なども必ず併せて設置してください。

 

どうですか??

自費の説明のために「徹底すること。」2つだけです。これならできそうですよね?

まとめ

「自費を売りたいなら、売らずに売る」

なんだか矛盾していますが、今補綴の説明に時間をかけすぎているのであれば、補綴コンサルの時間について少し見直しが必要かもしれません。逆に説明を全くしていないのであれば、すぐに今回話した2つを実践してみてください。

自分の医院は説明しすぎているのか、全然説明していないのか判断できない、また、やっているつもり。という場合も多いですので遠慮なくご相談ください。

患者さんにより良い治療を受けてもらい、満足度をあげることが医院経営においての最重要課題です。頑張って実践していきましょう!

無料相談/経営コンサルティングについてお問合せ

お気軽にお問合せください 。

経営相談をしようかどうか迷われている先生。

ぜひ思い切ってご連絡ください。先生のお話を、じっくり先生のペースに合わせてうかがいます。まずはそこから。

先生が「今が経営改善のときかも」と感じたときが、動くべきタイミングです。ご連絡お待ちしています。