患者さんが集まる歯科医院に絶対に必要な事は?

こんにちは、歯科医院専門経営コンサルタントの小澤です。

突然ですが、質問です。

患者さんが集まる歯科医院の特徴は何だと思いますか?

  • 最新の医療設備が整っているから。
  • スタッフがたくさんいるから。
  • 駅近で便利だから。
  • 年中無休でいつでも診療してもらえるから。

など、様々な理由を思い浮かべたのではないでしょうか。

確かに、どの要素も患者さんにとってメリットの大きな内容かもしれません。

しかし、私がコンサルティング活動を続けてきた中で患者さんが集まる歯科医院の特徴で「これだ」と思う絶対的な要素があります。

 

それは、患者さんにとって院長が魅力的かどうかです。

 

魅力的というと抽象的ですが、医療従事者としての理念をもち、患者さんを心の底から案じることができる院長は話していてすぐに分かります。

患者さんやスタッフのために涙を流す先生にお会いしたこともありますが、そういった「人の痛み」を理解し、寄り添うことのできる院長のいる医院には、患者さんが集まってくるのです。

最新の設備を導入して、土日も休まずに診療して、いくら優秀なスタッフを育てても、それがなくなった場合どうなるでしょうか。

優秀なスタッフが退職してしまったら?近隣にもっと新しく便利な医院ができたら?
院長の魅力を高めること以外は、とても不安定な要素だとは思いませんか?

医院の魅力の8割以上は、院長の魅力なのです。

魅力を高めるための「ムンテラ」

1997年の医療法改正により、医師の努力義務となった「インフォームド・コンセント」ですが、実はこれだけでは足りません。

多くの医院が、インフォームド・コンセントに注力するがあまり、大事なことをおろそかにしています。

文字通り「説明と同意」は完璧かもしれません。

しかし、同意を得るための説明になっていませんか?
説明責任さえ果たしていればいいのでしょうか?

説明された内容を100%理解できる患者さんはいません。50%も理解できていないのが現状ではないでしょうか。「説明を受けた」という事実は残るかもしれませんが、同意して良いのか悪いのか、正しく判断出来ている人は少ないのです。

だからこそ、専門家として患者さんの気持ちに寄り添ったアドバイスが出来る先生が人気を得ます。

実話を踏まえた、興味深い記事がありました。
歯科の話ではありませんが、ぜひこちらの記事をご覧ください。↓

皆さんは患者さんに「君、今までつらかったろうな。」こんな言葉をかけてきましたか?

ムンテラには、単なる説明だけでなく、共感や励ましなどが含まれています。目の前の患者さんは、どんな気持ちでチェアに座っているのでしょうか。

私はこの記事を書きながら、昔職場の先輩がこんな経験をしてとても悲しんでいたのを思い出しました。

それは、前歯に歯根嚢胞が出来てしまった女性でした。

とても心配で怖い思いをして歯科医院を受診した際、レントゲンを見るなり「これはもう歯を残すのは難しいから、大きな病院で治療を受けた方が良い」「私は抜歯は得意だが、何かあるといけないから」と言われたのです。

そして、ダメ押しの一言。

「少し顔が変わるだけだよ」と笑いながら告げたそうです。

この歯科医師が、少しでも「ムンテラ」の意味を理解していれば「二度と行かない歯科医院認定」は受けなかったのではないでしょうか。

このコラムを読んでいる先生の中に、こんなにひどい事を言う先生はいないでしょう。同じ歯科医師として心を痛める先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

皆さんなら、前歯を失ってしまうかもしれない女性になんと声を掛けますか?

 

どんな思いで医院へ治療を受けに来たのかを理解するように努めること。

そして治療方針を自分で決定するという「権利」を持たされた患者さんが正しい判断を下す事ができるように支え、アドバイスすること。

それができる先生は必ず医院の魅力になります。

魅力アップのために今からできること

いくら患者さんの気持ちを思いやり、インフォームド・コンセントにムンテラと時間や労力をかけても「伝わらなければ」意味がありません

まずは、自分が患者さんと接している時の話し方やしぐさを思い返してみましょう。どうしても分からない場合には、スタッフさんに聞いてみても良いかもしれません。意外と口癖や特徴があるものです。

魅力をアップさせる話し方

細かいテクニックを上げれば切りがありませんが、まずは3つのポイントを抑えるよう注意してみましょう。

①表情を豊かに

極端な話ですが、患者さんが辛い話をしているときに先生が笑って聞いていたらどう感じるでしょうか?その逆もまた然り、患者さんにとって辛い治療方針を伝えなければならない時に、先生が笑っていたらどう感じるでしょうか。

これは先ほども具体的な話をしましたよね。簡単に想像ができます。

また、初診の時に、無表情であいさつをされたら患者さんは「怖い」と感じるかもしれません。表情は、患者さんの気持ちに寄り添う上でとても重要な要素となります。

 

②話をよく聴く

話を聞くということは、相手を観察する、あいづちを打つ、会話を遮らないという要素が含まれます

患者さんが何を言おうとしているのか理解するためには、話をするときの表情や息遣い、話のスピードをよく観察し、それに合わせたあいづちを打つ必要があります。

患者さんが困っているなら「それは困りますよね。」という相づちが打てるでしょう。
患者さんが悲しんでいるなら「とても悲しいことですよね。」という一言が言えます。

魅力的な先生は、患者さんが話終わらないうちに遮るようなことはしないでしょう。患者さんの話をよく聞き、気持ちを観察すれば、最初から患者さんの意見を否定することもありません。

 

③ゆっくりと話す

患者さんにとって治療に関することは、聞きなれない用語ばかりですし、治療に対する不安などから、いつも以上に話が耳に入って来ない場合が多いのです。

患者さんの理解を助けるようにゆっくりと話し、患者さんが考えるための「間」をとり、「何か質問はありますか?」と声をかけましょう。

 

以上のポイントが出来ているかどうか、まずは客観的な意見を求めてください。どうしても難しい場合は、自分の周りにいる「魅力的な人」の真似からはじめてみると良いでしょう。

まとめ

3つのポイントをお読みになって、そんな当たり前のことか。と思われた先生も多いでしょう。しかし、歯科医師として当たり前のスキルであっても、完璧に行えている人は少ないのです。

患者さんにとって魅力的な院長は、スタッフにとっても魅力的です。患者さんが集まる医院には、スタッフも集まるのです。雇用問題でお悩みの先生にとっても、解決の糸口になるかもしれません。

そして、魅力的な院長になるために忘れてはならないのは、見た目の問題。いくら良い先生でも、見た目で悪い印象を与えていては全く意味がありません。こちらのコラムも参考にされてください。

人は見た目が…?「清潔感が大切な理由」

当然のことですが、これは院長のみならず、代診のドクターにも理解してもらう必要があります。まずは院長が実践し、医院で働く歯科医師全員で取り組むことが出来るようにしましょう。

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