歯科衛生士の効果的な採用方法

歯科衛生士を採用する近道はどこにあるのか?

歯科コンサルタントの小澤です。歯科衛生士の採用に関して成功事例は少なく、「完璧なノウハウ」はありません。

この媒体に出せば必ず採用できるという事もございませんし、すぐにDHがやって来る方法もありません。そんな方法があれば、困っている先生はいないはずです。

歯科衛生士採用コンサルティング事例のご紹介

ですが「スタッフには困っていない」という先生がいらっしゃるのも事実です。


もくじ

スタッフに困らない院長はすごい!

医院改革は院長の意識のパラダイムシフトから

辞めたくなる歯科医院とは


スタッフに困らない院長はすごい!

単純に「給料を他の医院より多くしているから」成功しているのでしょうか。「求人を出せばすぐに人が来る魔法のようなノウハウを持っているから」なのでしょうか。

高いお給料を払ったり、求人にたくさんの費用を投資するような金銭的余裕があれば悩むことは無いのではないでしょうか。

スタッフを雇えないため、診療を制限しなければならず、売上も下がってしまい、求人に費やすお金や時間が無くなってしまう・・・。多くの先生が頭を抱えているのはこういった「八方塞がり」とも言える状況なのです。

では、スタッフの問題で一番大きな事案が「採用」だとして、それが解決できれば医院は繁栄するでしょうか?従業員の問題は奥が深く、次から次へと課題が湧き出てきます。

つまり、人が居ないから効果的な採用をしよう!と考える前に、そもそも「何故スタッフが居なくなるのか?」を考えないといけません。患者さんが増えない医院が、レセプトを増やす策を検討するのとまったく同じです。スタッフが辞めなければ減ることはありませんから。

医院改革は院長の意識のパラダイムシフトから

規模拡大以外の目的で絶えず「採用」をしているのであれば、課題の本質をみなければならないのです。歯科衛生士採用の近道は、「採用」という課題の捉え方を見直すことです。

女性の多い職場ですので「結婚」「出産」などの理由や「旦那様の転勤」などの理由も多いでしょう。スタッフのライフイベント以外の理由で退職してしまったら「なぜスタッフ辞めてしまったのか」を真剣に考える必要があります。

今いるスタッフを大切に想い、働きやすい環境を提供する

歯科医院のように、労働集約型のサービスの場合、スタッフが減れば売上げが下がるというのは誰でも容易にわかることです。もしいつも採用活動をされている場合は、なにか医院運営が間違っていると考えるべきです。

辞めたくなる歯科医院とは

ここで質問です。

先生は、医院を支えてくれているスタッフを、心から大切にしていますか?大切にしているというのは相手に伝わっていなければなんの意味も持ちません。

人生において「仕事を辞める」ということは一大決心であるものです。先生達が採用にかける労力と同じくらいスタッフが「転職」にかける労力も大変なのです。そんな大変な想いをしてまで「辞めたい」と思うのにはよほどの理由があるのでは無いでしょうか。

この医院で働く将来が、自分にとって価値がある。そう思えなければ長く働いてくれるわけがありません。このことは、ゲーム理論というミクロ経済学の分野で理論分析され、すでに証明されています

目安として1年以内にスタッフの人数の30%以上が同時に退職してしまうような医院は、スタッフが働きやすい環境を院長が提供できていないと判断すべきです。

スタッフが辞めない労働環境とは

ではどのような環境をつくれば、スタッフは辞めないのでしょうか。

イメージとしては「スタッフが楽しくイキイキ働いている状態」これが労使関連の問題が少ない、あるべき姿です。

このあるべき姿に導くためまず医院にある固有の問題を解決する必要があるでしょう。

スタッフ同士の仲が悪い、院長との関係がギクシャクしている、院長がスタッフに迎合してしまっている、など様々な理由があるのではないでしょうか。

もし「採用」に困っているのであればまず「労働環境」について解決しましょう。

医院固有の問題についてはご事情をお伺いした上でアドバイスさせていただきますので個別にご連絡ください。(電話やメールによるご相談は無料です)

採用はどうすればいいのか!

肝心の採用活動ですが、まずは「できることを完璧にして、静かに待つ」この基本戦術を抑えてください。

無理にたくさんの費用や時間をかけて取り組むことは控えましょう。診療に差し支え本末転倒になります。

「できること」として下記を参考にしてみてください。

コストのあまりかからない活動
① ハローワークに求人票をだす
② 知り合いの先生などに紹介を打診する
③ 顔の広い患者さんに声をかけてみる
③ SNSを活用する(地域限定広告含む)
④ ホームページを修正する
有料の広告
① 求人サイトに広告を出す
② 新聞折込広告をだす
③ 紹介会社に登録する

いかがでしょうか?

前述の、コストのあまりかからない活動をおろそかにしてしまっている先生は意外多いのでは無いでしょうか。

多くの医院では費用がかからない広告出稿などをしっかりと目的をもって取り組めていません。

費用をかける前にまずは、工夫をして見ましょう。

特にホームページについては、良く見られるページを修正して下さい。

具体的には、トップページと院長紹介ページ、スタッフ紹介ページの3ケ所です。

トップページには、院長の人柄がわかるようなお写真が必須です。例えば・・・

院長がスタッフに指示をしている写真

院長が患者さんとお話をしている写真

院長がミーティングでスタッフに話をしている写真

などが最適です。院長のお顔がよく見えることが必須です。

ただし、ここで気をつけて頂きたいのは目的です。

求職者が、この医院に見学に行ってみたい!と思わせるのが目的ですから、院長は笑顔。そして、優しい感じを演出してください。

間違っても、ご自身が思う「かっこよい院長像」を演出しないでください。(注:即申し込みはハードルが高いので、まずは見学と目的を絞りましょう)

何枚か撮影していただき、スタッフさんやご家族の方、親しいご友人などに選んで戴くのが良いと思います。※もちろん弊社にご相談いただいても大丈夫です。

院長紹介ページ、スタッフ紹介ページも同様です。皆さんのお人柄がわかる、笑顔のお写真を掲載してください。

歯科衛生士採用コンサルティング事例のご紹介

歯科衛生士採用に関する求人票の画像また、雇用条件については、他の医院に見劣りするような内容はNGです。

平均値以上で設定してください。

ただ「月額をできるだけ高く設定して残業代は出さない。」「賞与も出さない」など見え透いた戦略は良くありません。

一時的に応募者が集まり採用できても、必ずすぐに退職します。成功する院長は長期的な視点が大切です。

同時に「今いるスタッフを大切に想い、働きやすい環境を提供する」の精神に反するからです。

まとめ

歯科衛生士を含めてスタッフの労務問題でお困りの方は沢山いらっしゃいます。まずは、院長ご自身の雇用主としての心構えを見直してみて下さい。もちろん、非常識なとんでもスタッフが医院に入職してくることもあります。それを知った上で申し上げています(この話は別のカテゴリーの経営課題です。今回のコラムのような趣旨とは分けて考えられると良いですね)。

先生が、先生の意思で採用したからにはスタッフを守り抜かなければなりません。例えば退職金制度などは、スタッフを守るための取り組みとしてとても有効です。「3年以上はたらいてくれれば、1ヶ月分は退職金を支払ってもOK」というお気持ちがあれば、ちゃんと制度として確立してみましょう。

見学にいらした時にも制度内容を書面でお伝えするなど、「雇用主としての誠意」をお見せいただけると良いでしょう。

ご質問などございましたらお気兼ねなくご一報ください。早くスタッフの悩みから解放されて、その時間を、患者様の治療計画を熟考するために使っていただければと思います。

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