レセプト450枚でも経営難!!その理由は?

歯科医院経営コンサルタントの小澤です。

今回は患者が多くても儲からないというケースをお話します。医院経営をされていて、月のレセプト枚数が450枚あれば、大成功。そう思われている先生が多いのではないでしょうか?

実は、450枚あっても全く儲かっていないという医院があります。一緒に検証していきましょう。

目次

1.レセプト450枚で儲からない歯科医院とは?

2.富裕層が住む地域ではない・・・という言い訳

・歯科で自費治療が少ないのは啓発活動不足と思い定める

3.まとめ

・歯医者版「赤ひげ先生」 


1.レセプト450枚で儲からない歯科医院とは?

ドクターは1名。スタッフは常勤4名、パート2名で人件費合計を120万円。ボーナスや税金の支払いがある月は赤字。利益がでている感覚は全くないとのこと。計算してみましょう。

当該医院のヒアリングにより、下記情報を得ています。金額は年間を通しての月平均です。

売上
レセプト450枚
平均点数800点→360万円
自費率8%弱→30万円
合計医業収入→390万円
経費
人件費→120万円
リース・返済→20万円
求人・HP広告費→10万円
金属・技工→80万円
その他販管費→80万円
合計→310万円

 差し引き→80万円※奥さんのアルバイト代を含む 

住宅ローンと子供さん2名の塾代と学校の費用など、もろもろマイナスすると、とても貯蓄ができる状況ではありません。先生のお話ですと一年のうち4ヶ月は赤字。また診療時間は長く、平日は20時くらいまで患者が帰りません。

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2.富裕層が住む地域ではない・・・という言い訳

注目すべきは『自費率8%』の数値。

この様な経済状況でも、前述の医院では患者さんへの自費の説明は全体の20%程度。

苦しい状況は続いています。先生は「この地域はお金持ちがいない」と言います。

では、「富裕層が居ない」と先生が感じる全国の地域で自費率は10%程度なのでしょうか?

そんなことはありません。

多少の地域差はありますが、世帯年収や可処分所得の高低と歯科医院の自費率には関連性はありません

歯科で自費治療が少ないのは啓発活動不足と思い定める

残念ながら、経営難に苦しむ医院のほとんどは患者さんへの啓発活動が足りていません

患者さんが口腔内への関心が低いのは、知らないことが多いからです。

先生が患者さんの口腔内や今後の人生を考え、医院一丸となり患者さんを啓発することで満足度は高まり、自費を選択する人も自然と増えます。

3.まとめ

歯科医院の経営スタンスとも入れる部分ですので、医院運営を根底から覆すことになるかもしれません。あらためて歯科医院における保険―自費問題について、まとめてみます。

 

歯医者版「赤ひげ先生」

今このコラムを読んでくださっている先生に5つの質問をさせていただきます。

1.先生はこの先何年歯科医師をされますか?

2.ご子息は歯学部進学を志していらっしゃいますか?

3.老後の資金は足りていますか?

4.患者さんの為に、更なる設備投資をしたくはありませんか?

5.スタッフの給与を増やしてあげたくはありませんか?

この質問に一つでも思い当たることがある先生は、ぜひ患者さんへの啓発活動に力を入れてください。

金儲けよりも患者のことを大切にする「赤ひげ先生」思考はとても理想的に思えるかもしれませんが、それだけでは『経営難』からは抜け出せないのです。保険治療を選択される患者さんも大切にしながら、自費も含めた全ての治療の選択肢を提供してください。それは患者さんのためでもあり、また医院のためでもあるからです。

最近では自費でより良い治療をすることだけでなく、新しく保険適用された治療、および検査方法などでも丁寧に説明することで単価アップに繋がるものがあります。歯科医師会に入っていない先生は特に最新の情報にも注意を払いましょう。そして、必ず90%以上の方に啓発活動を実施してください(10%程度は聞く耳を持たない患者さんがいらっしゃいますので)。

必ず医院の経営状態は良い方向にシフトチェンジします。

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