横須賀市で経営する歯科医院が勝ち抜くヒント
こんにちは。歯科医院専門の経営コンサルタント、東京歯科経営ラボの小澤です。
歯科業界は少子高齢化や医療費削減などの影響を受け、厳しい状況に直面しています。都心からほど近いベッドタウンで、横浜のとなりに位置する横須賀市は、高度経済成長期に団地や宅地の開発が進み、神奈川県内では3つの政令指定都市(横浜市、川崎市、相模原市)に次ぐ県内第四位の人口であった。しかし1990年頃をピークに減少に転じ、出生数を死亡数が上回る状態かつ、転入数を転出数が上回る状態が同時に進んでいる。
また、2000年以降は大規模工場の閉鎖が複数起こり、2018年には40万人を下回り県内の市町村と比較しても速いスピードで人口が減少している。他方で、歯科医院数は令和3年で222施設と、過密度はほぼ変化がない。
~目次~ 1. 横須賀市の歯科業界の現状 |
横須賀市の歯科業界の現状
課題抽出
現状の福島県横須賀市の歯科医院が直面している経営課題についてまとめます。
- 競争激化: 横須賀市には多くの歯科医院があり、競争が激化しています。
- 患者数の減少: 少子高齢化の影響を受け、患者数が減少しています。
- 医療費削減: 医療費削減の影響を受け、歯科の実質保険点数はマイナス改定を継続しています。
- 人材不足: 歯科医師や歯科衛生士などの専門人材が不足しています。
チャンス
このような状況の中で、横須賀市の歯科医院経営のチャンスはどんなことがあるでしょうか。
- 高齢化社会: 高齢者向けの歯科サービスの需要が高まっています。訪問歯科診療などのサービスは交通手段が発達していない地域の住民、核家族のお年寄りには大変喜ばれます。
- 防歯科: 予防歯科への意識が地方でも高まっています。
- 審美歯科: 審美歯科へのニーズも同様に高まっています。
- インプラント: インプラント治療が認知され、ニーズが高まっています。
横須賀市の歯科経営で儲けるためのヒント
あえて儲けるという言葉を使わせていただきましたが、経営状態の厳しい歯科医院において利益を追求することも、患者さんのためになることです。そのような趣旨でご覧ください。
差別化戦略
歯科医院を特徴づける戦略が横須賀市でも有効です。
- 専門性の高い歯科医療を提供する: 特定の分野に特化した専門性の高い歯科医療を提供することで、競合医院との差別化を図ることができます。
- 最新設備を導入する: 最新の設備を導入することで、患者の満足度を高めることができます。
- 地域に密着した医療サービスを提供する: 地域のニーズに合わせた医療サービスを提供することで、地域住民の支持を得ることができます。
- 患者とのコミュニケーションを重視する: 患者とのコミュニケーションを重視することで、患者満足度を高め、リピーターを増やすことができます。
マーケティング戦略
福島県横須賀市の歯科医院で行うべきマーケティングを考察します。
- ホームページやSNSを活用する: まだ近隣でSNSを活用している医院は少数派です。SNSのみならずホームページも費用をかけ過ぎることなく活用しましょう。医院の情報発信を行い、患者を獲得することができます。
- 地域イベントへの参加: 東北地方は皆さんが思うよりとても保守的な地域です。地元に根付くことが歯科医院のみならず店舗経営ビジネスでは重要です。小さな地域イベントでも、精力的に参加することで、医院の認知度を高めることができます。
- 広告掲載: 新聞や雑誌、ポータルサイトなどに広告を掲載することで、患者を獲得することができます。費用対効果を計測しながら行いましょう。
- 患者紹介制度を導入する: 患者紹介制度を導入することで、新規患者の獲得を促進することができます。
採用戦略
- まずは院内の整備。働きやすい環境にすることが最も重要です。郡山という狭い土地で採用活動を行うには、良い評判を作ることが大切です。今いるスタッフが長く働きたくなるように以下を見直してみましょう。
- 医院理念
- 教育方針・システム
- 勤務時間・曜日・年間休日
- 給与/福利厚生/保険年金等
- 昇給を含めたキャリアアップについて
- その他のモチベーションアップについて
- HP上に求人情報を掲載します。求人専用のページを設けましょう。内容は以下の通りです。
- 働き方についてイメージを明確にしましょう。勤務時のみなやらず、休憩時間は自宅に車で帰り家事をして帰ってくるスタッフもいますなどなど、写真を含めて掲載すると良いでしょう。
- 2~3人のスタッフで運営している医院は、少数精鋭でチームワークが良いというアピールをしましょう。大規模な歯科医院であれば、ミーティングや朝礼・終礼などで見える化を行いコミュニケーションをとっていることを記載しましょう。
- スタッフインタビューなどを記載するのも有効です。ただし求職者が「自分のそのようなことをやらなければいけないのか」と気おくれしてしまうケースも考えられますので配慮があると良いと思います。
- 求人情報サイトを戦略的に活用します。横須賀市ではオーガニック検索をすると「ジョブメドレー」「indeed」「求人ボックス」などが上位表示されているようです。この辺りから医院の成長段階に合わせて活用しましょう。(2024年現在)若干わかりにくいのですが、各求人サイトの特性を理解し、機能をフル活用することでコスパ良く採用活動ができます。
- 専門学校、大学などに求人票を出しましょう。これは費用がかかりませんのでぜひ行うようにしましょう。
- 神奈川歯科大学歯学部
- 神奈川歯科大学短期大学部歯科衛生学科
- 鶴見大学歯学部
- 鶴見大学短期大学部歯科衛生科
- 新横浜歯科衛生士・歯科技工士専門学校歯科衛生士科
- 湘南歯科衛生士専門学校
- 横浜歯科医療専門学校歯科衛生士学科
- 転職エージェントの活用
- 以前はやらせが多いと評判でしたが、最近は情報がオープンな世の中になってきています。企業としてもやらせ採用で短期的な売り上げ増を狙うことも少なくなってきているようです。ただし、歯科衛生士1名の採用で40万円~100万円という費用がかかりますので、この手法も医院の成長段階に合わせた計画的な活用を行いましょう。
教育戦略
スタッフ教育については、地域差はほぼないと言ってよいでしょう。例えば歯科衛生士さんの教育を考える場合、福島県内もしくは東北地方の歯科衛生士学校を出た同級生から勤務先の教育システムについて耳に入る可能性があります。近隣の歯科医院と比較して見劣りしないシステムが存在することは長期的な繁栄には必須となります。以下を参考にされてください。
- 前提として、歯科医院のスタッフ教育の目的は、質の高い歯科医療を提供するためということに尽きます。軸をしっかり把握してください。
- 明確な目標設定
- 各スタッフにとって、具体的な目標を設定することが重要です。
- 目標は、SMARTであることが望ましいです。Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限付き)
- 個々のニーズに合わせた指導
- 各スタッフのスキルや経験、学習スタイルなどを考慮した、個々のニーズに合わせた指導が必要です。
- OJT(On-the-Job Training)、OFF-JT(Off-the-Job Training)、1on1などを組み合わせた指導方法が効果的です。
- 定期的なフィードバック
- スタッフの進捗状況を定期的に評価し、フィードバックを与えることが重要です。
- フィードバックは、具体的かつ建設的であることが望ましいです。
- スタッフの強みや弱みを明確にし、改善点を指摘しましょう。
- モチベーションの維持
- スタッフのモチベーションを維持するためには、達成感や成長を実感できるような機会を提供することが重要です。
- 研修やキャリアアップ支援などの制度を活用しましょう。
- スタッフ同士のコミュニケーションを促進するような場を設けましょう。
- チームワークの強化
- 歯科医院は、チーム医療によって成り立っています。
- スタッフ同士が協力して、患者さんに質の高い歯科医療を提供できるように、チームワークを強化することが重要です。
- チームビルディングやコミュニケーション研修などを実施しましょう。
- 共通の目標に向かって、一体感を持って取り組めるような雰囲気を作りましょう。
- 最新知識・技術の習得
歯科医療は日々進歩しています。スタッフが常に最新知識・技術を習得できるように、研修や勉強会などの機会を設けましょう。
- 学会やセミナーへの参加を奨励しましょう。
- 情報収集のツールや方法をスタッフに共有しましょう。
- 安全衛生教育
- 感染症予防や事故防止などの安全衛生教育を定期的に実施することが重要です。
- 法令遵守やリスクマネジメントに関する知識をスタッフに身につけさせましょう。
- 安全な職場環境作りに努めましょう。
- コミュニケーション能力の向上
- 患者さんとのコミュニケーションは、歯科医療において非常に重要です。
- スタッフが患者さんの話をしっかりと聞き、適切なコミュニケーションを取れるように、コミュニケーション能力の向上を図りましょう。
- ロールプレイングやコミュニケーション研修などを実施しましょう。
- 患者さん目線で考えることの重要性をスタッフに伝えましょう。
- 倫理感の向上
- 歯科医療従事者には、高い倫理感が求められます。
- スタッフが倫理的な判断ができるように、倫理教育を定期的に実施することが重要です。
- 倫理に関する事例を検討したり、ディスカッションしたりする機会を設けましょう。
- 倫理綱領や法令を遵守することの重要性をスタッフに伝えましょう。
- 法令遵守
- 歯科医院は、医療法やその他の法令を遵守しなければなりません。
- スタッフが法令を理解し、遵守できるように、法令遵守教育を定期的に実施することが重要です。
- 法令に関する研修や勉強会などを実施しましょう。
- コンプライアンス意識を高めるための取り組みを進めましょう。
- これらのポイントを参考に、歯科医院のスタッフ教育を充実させ、質の高い歯科医療を提供できるように努めましょう。
調査
歯科医院経営において、競合医院や市場動向を把握することは成功のために不可欠です。歯科医院経営のリサーチ方法を思いつく限り箇条書きで紹介します。
- 現地調査
競合医院を訪問: 診療科目、診療時間、診療料金、医療機器、スタッフなどを観察します。競合医院周辺の街並みや交通状況、競合施設などを調査します。
- インターネット調査
競合医院のホームページやSNSなどを閲覧し、情報収集を行っていきます。口コミサイトや医療機関検索サイトなどを利用して、競合医院の評判を調査します。競合医院の求人情報などを閲覧し、スタッフや経営状況などを推測します。競合医院がどのような投稿をしているかを分析していきます。
競合医院のフォロワーやいいねの数を分析し、競合医院の投稿に対するコメントやシェアを分析します。
- 業界のステークホルダーから情報収集
ディーラー: 近隣の開業情報や従業員の情報、新しい機材導入の情報など「うわさ話」レベルでも構わないので積極的に情報を得ましょう。
医業コンサルタント: 個別コンサルティングを受け、最新の歯科医院経営戦略情報を得ましょう。
- 満足度調査
アンケート調査: 顧客のニーズ、満足度、要望などを調査します。
インタビュー調査: 顧客にインタビューを行い、詳細な情報を収集します。
顧客満足度調査: 顧客満足度を測定し、課題を特定します。
顧客ロイヤルティ調査: 顧客のロイヤルティ度を測定し、顧客との関係を強化するための施策を検討します。
- 市場調査
歯科市場の規模や成長率や、ターゲット患者層のニーズを調査します。医療機器や医薬品の市場動向を調査していきます。
- 地域医療への貢献度調査
近隣の歯科医院の、地域医療機関との連携状況を調査します。地域貢献活動の状況を調査します。
- 従業員調査
自分の医院の従業員の満足度を調査し、従業員のモチベーションを調査します。従業員の課題を特定します。
- データ分析
販売データや顧客データを分析します。競合医院のデータを取得し分析します。
- 情報収集
歯科関連の書籍や雑誌を読み、歯科関連のセミナーや研修会に参加します。また、歯科医師会や歯科衛生士会などの団体に加入し、行政機関や民間調査機関が提供する情報収集します。
- 患者さんの行動分析
患者さんの来院状況を分析します。患者さんの治療内容の推移変化を分析します。
- 競合医院の広告分析
競合医院がどのような広告を出しているかを分析します。競合医院の広告のターゲットや競合医院の広告の費用対効果を分析します。
- 顧客属性分析
顧客の年齢、性別、住所、職業など、顧客のニーズや購買行動を分析します。
顧客のライフスタイルを分析します。
- 顧客ロイヤリティ分析
顧客の購入頻度や購入金額などを分析します。顧客の満足度やロイヤルティ度などを分析します。
まとめ
横須賀市において、歯科医院経営で儲けるためには、戦略的に経営を行うことが重要です。コンサルタントの支援を活用しながら、差別化戦略、マーケティング戦略、経営効率化などを図ることで、収益を上げることができます。本ブログが、横須賀市で歯科医院を開業・経営を検討している方、あるいは経営改善に取り組んでいる方にとって、参考になれば幸いです。
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ぜひ思い切ってご連絡ください。先生のお話を、じっくり先生のペースに合わせてうかがいます。まずはそこから。
先生が「今が経営改善のときかも」と感じたときが、動くべきタイミングです。ご連絡お待ちしています。