経営は戦い~歯科医院ランチェスター戦略~
こんにちは、歯科医院専門コンサルタントの小澤です。
タイトルを見てピンと来た先生もいらっしゃると思います。そうです。「経営」は戦いなんです。私も一経営者として毎日戦っています・・・。
自分との戦い、スタッフとの戦い、時間との戦い、患者さんの気持ちとの戦い、近隣の医院との戦い・・・。無計画な戦略では、そのうちすべての戦いに負けてしまうでしょう。そこで、今回はそんな戦いの中でも、近隣の医院との戦いに勝つためにとても有効な「ランチェスター戦略」についてお話します。
歯科医院にとってのランチェスター戦略
歯科医院にとってのランチェスターの法則はこのような式になります。
営業力=患者満足度UPの施策×スタッフの数やチェア台数
こうやってみると分かりやすいですね。スタッフの数やチェア台数を増やすことはそう簡単には出来ませんが、患者満足度UPの施策はすぐに取り組めることがたくさんあります。
掛け算ですから、計算するまでもありませんね。たくさんの有効な施策を行えば行うだけ営業力は上がるのです。ただし、ここで注意しなければならないのは、その施策によって本当に患者さんの「満足度」が上がっているかどうかです。当たり前の話ですが、選んだ施策が間違っていれば取り組めば取り組むだけマイナスになってしまいます。
では、どんな施策が患者さんの満足度をあげるでしょう?逆にどんなことをすればマイナスになってしまうのでしょう。具体的に見てみましょう。
有効な施策その1:患者さんの気持ちを先回り
まず、一番取り組みやすい施策から見てみましょう。
サンキューレター
初診で来院された方に、1週間以内に「サンキューレター」を送ってください。ハガキでも手紙でも、取り組みやすいほうでOKです。ポイントは「手書き」。「ご来院ありがとうございました」という一言だけでも大丈夫です。
SMS(ショートメッセージ)
SMSで予約確認メールを送りましょう。無断キャンセル対策にもなりますが、患者さんにとっても「予約忘れ」を防止でき、一石二鳥の施策です。携帯電話の番号を取得できればメールアドレスは必要ありませんので、比較的ハードルの低い施策と言えます。
様々な事情があるとは思いますが、やるならやる。やらないならやらない。きちんとルールを明確にして、それを守りましょう。医院で取り組むのが難しい場合は代行業者を使っても良いでしょう。もらった患者さんともらってない患者さんがいれば、必ず不信感を覚える人がいます。
有効な施策その2:意味のあるインフォームドコンセント
インフォームドコンセントはちゃんと取り組んでいるから大丈夫。そう考える先生はたくさんいらっしゃいます。しかし残念ながら、今まで私がお会いした先生の中でも、インフォームドコンセントについて正しく理解し、正しく施策に取り組めている方はあまり多くはありませんでした。
カスタマイズされた説明
確かに「説明」はしているでしょう。しかし、それは本当に患者さんの知りたいことでしょうか?一方的な説明になっていないでしょうか?当たり前のことですが、マニュアル通りの説明で満足する人もいれば満足しない人もいます。大切なのは患者さん一人一人に合った説明をすること。そのためには、患者さんの話をよく聴く必要があります。
カウンセリング=ヒアリング
だと思ってください。カウンセリングは一方的に説明する場であってはなりません。患者さんの話に耳を傾け、患者さんが求めている説明を行えるかどうかで、カウンセリングの質は決まってきます。割合は、患者さんの話を聴くが7:説明をするが3。8:2でも十分な場合もあります。
会話例
カウンセリング~主訴C・新患の場合~
~主訴の説明後~
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こんなにスムーズに話が進む場合ばかりではありませんが、患者さんからの話を聴いた上でその患者さんに合った治療方法を説明します。治療方法の説明も出来るだけ質問されるように工夫してみましょう。
▽NG例▽
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・・・。ここで患者さんから質問がくればラッキーです。
たいていの患者さんは自分で解釈して色々な不安を飲み込みます。
現代の人はなんでもスマートフォンで調べます。知っている情報もひと昔前よりも多いでしょう。まだ何年も前と同じ説明をしていますか?
もしかすると、説明をすればするほど、医院の評価が下がっているかもしれません。歯科医療も年々進化していますが、患者さんの口腔内に関する知識も進化しています。もちろん、間違った知識を得てしまっている場合もあるでしょう。その場合でも、正しい知識を教える必要があります。
最新のシステムを使えば良いのではありません。手書きの説明でも良いのです。ここでも重要なのは「カスタマイズ力」地域によっても特有の悩みがあるでしょう。年代によっても特有の問題があるでしょう。すべての人が同じ説明で納得するはずがありません。ひと昔前から説明方法や内容が変わっていないとしたら、すぐに見直すことをお勧めします。
有効な施策その3:治療終了後のフォローアップ
治療が終了してから「リコールはがき」を送っている医院はたくさんあります。しかし、それだけでは不十分です。治療後のフォローアップの目的は、次回のメインテナンスへ誘導することだけではありません。何か口腔内に問題が起きた時に迷わず来院してもらうこと。大切なご家族や友達への口コミもその一つでしょう。
定期的なアプローチ
最低半年間は患者さんへコンタクトをとりましょう。内容は、忙しくてもサッと目を通せるくらいの量がベストです。あまり長いものを送るとそのままゴミ箱ということも・・・・。
ハガキやA4のチラシのようなものが好ましいと思います。医院で新聞やニュースレターを作っているなら、今月から「定期郵送」を始めましょう。医院で配布するもの効果的ですが「郵送」なら、必然的にご家族の方も目にします。口コミツールとしてとても有効です。
こちらのコラムも参考にしてください。↓
治療後のフォローが「定期検診に来てください」という来院催促の内容だけであってはいけません。たとえ患者さんの口腔内について本気で心配しているからこその施策だったとしても、受け取った側はそんなに都合よく解釈してくれません。営業の要素を感じさせないアプローチを定期的に行うこと(図1)で、定期検診の案内も受け入れられやすくなります。
上記以外にも沢山のパターンが考えられます。出来るだけ患者さんの様々な事情にカスタムし、施策を講じましょう。不明な点がある場合はいつでもご相談ください。
まとめ
今回、図1でご紹介した「主訴C・新患施策」を行ったとしても、1人の患者さんへのマーケティングコストは約1,500円です。
まずは取り組みやすいところから「やってみる」。効果が見られないなら他の施策を行う。経営戦略は一筋縄ではいかないものです。成功事例を当てにしてはいけません。自分の医院にとって有効な方法を見つけ出して戦いましょう。行き詰った時は一人で悩まずにいつでもご相談ください。
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