中身の無いミーティングしていませんか?
こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。
突然ですが、質問です。
一番最近行った「ミーティング」は、医院にとって有意義なものになりましたか?
そもそも、ミーティングを行っていない・・・。という医院も多いかもしれませんが、せっかく時間をとってミーティングをしても「中身の無い」ものになっている場合も少なくありません。
有意義だったと院長が感じていてもスタッフも同じように考えていなければ・・・。ただの自己満足で終わってしまいます。
ではどんなミーティングであれば、医院にとって本当の意味で有意義なものになるのでしょうか。
NGミーティング
有意義なミーティングについてふれる前に、生産性のないミーティングの「NG例」をいくつかご紹介します。
- スタッフの意見が全くでない。
- 業務連絡のみになっている。
- 院長や院長に代わるリーダーが不在。
- 不満を吐き出す場になっている。(患者さんへの文句など)
- そもそもミーティングの目的がない。
- いつも決まった話しかしない。
- ミーティングと聞くだけでスタッフが拒否反応を示す。
それでは、この7つのNG例について一つずつ細かく見てみましょう。
1.スタッフの意見が全くでない。
ミーティングとは、集まって協議することを意味していますが、代表者が話しをして終わりという場合も多くみられます。
ミーティングは参加者全員で「意見を出し合う場」である必要があります。
2.業務連絡のみになっている。
業務連絡は、わざわざミーティングの時間をとる必要はありません。
朝礼や立ち話で十分です。
3.院長や院長に代わるリーダーが不在
ただ話し合うだけではまとまるものもまとまりません。
ファシリテーターと呼ばれるミーティングを進行してまとめる人がいなければいけません。院長が難しければ、担当のスタッフを決定し任せてみましょう。
4.不満を吐き出す場になっている。(患者さんへの文句など)
これはもはや、やらないほうが「マシ」ではないでしょうか。
不満があるのは仕方がないことかもしれませんが、それは院長が個別に面談し話を聞いてあげましょう。
ミーティングが不満を吐き出す場になってしまっているとしたら、医院にとってマイナスでしかありません。
5.そもそもミーティングの目的がない。
ゴールも無くやみくもに走ってもただ疲労が増すだけです。
今回のミーティングでは「これについて話し合う」と、明確な目的を定めてから行いましょう。
話し合うべき内容が無いのであれば無理に時間をとる必要はありません。
6.いつも決まった話しかしない。
いつも決まった話しかしないのは、目的の無いミーティングを行っているのと同じです。
同じ話しかしなければ、そのうちに飽きが来て、ただ「ミーティングをする」ということ自体が「目的」だと勘違いするようになります。
7.ミーティングと聞くだけでスタッフが拒否反応を示す。
スタッフのモチベーションが低い場合や、上記で述べたように、ミーティングをやる意味に疑問を感じているスタッフがいる場合には、そもそもミーティングを行うことすら難しくなってしまいます。
いかがでしょうか。
今挙げた7つの中に、医院に当てはまる項目はありましたか?
一つも無いという医院は、スタッフと院長先生の関係も良く、スタッフのモチベーションも高いのではないでしょうか。
では、有意義なミーティングとはどのようなものなのでしょうか。
有意義なミーティング
- 目的がしっかり決まっている。
- スタッフが積極的に発言する。
- リーダーが場をまとめている。
- 目的に対して何等かのアクションや方向性が決まっている。
- リーダーやスタッフ共にネガティブな否定の言葉が出ない。
(スタッフ:それはできない。リーダー:そんなことは聞いていない。など) - 開始時間、終了時間が守られている。
- 楽しく行えている。
解説は必要無いかもしれませんが、一つずつ細かく見てみましょう。
1.目的がしっかり決まっている。
話合いを行う内容をあらかじめ決めておきましょう。
そしてミーティングの目的を参加者全員であらかじめ共有し、予習する時間を与えることも重要です。
2.スタッフが積極的に発言する。
目的は決まっていても、誰も発言しない・・・というのでは意味がありません。
あらかじめ目的を共有し、何か考えや意見があれば書き留めておいてもらいましょう。
突然意見を求められても答えられない場合も多いですが、あらかじめ考える時間があれば口を開くことも可能です。
積極的にスタッフが発言できるようになると、意図していない方向へ話がそれてしまう場合もあります。
盛り上がっている話を止めて話題を戻そうとしてしまいがちですが、急を要する話し合いで無いのであれば、そのまま話合いを続けましょう。
それてしまった話の中から、思いがけないアイデアが生まれる可能性もあります。
3.リーダーが場をまとめている。
始めのあいさつから、意見がでない場合の質問、締めのあいさつまでミーティングには「リーダー」が必要です。
意見が飛び交うようになればなるほど、必要になってくるポジションですが、一方的にならないように注意する必要があります。
たとえば、リーダーの意図にそぐわない意見を無視したり、話を最後まで聞かなかったりということがあってはなりません。
4.目的に対して何等かのアクションや方向性が決まっている。
必ずしも、明確なアクションを細かく決める必要はありませんが、目的に対して、何かしらの成果が出るように取り組んでみましょう。
「この業務はもしかすると無くても良いかもしれない」このくらいざっくりでも良いのです。
問題は、ミーティングで話し合った内容をその後どう活かすかです。
ざっくりとでも方向性が決まったのであれば、もう一度細かく話し合おう、この話はとりあえず保留でも大丈夫だろう、と次の目標を立てることができます。
5.リーダーやスタッフ共にネガティブな否定の言葉が出ない。
(スタッフ:それはできない。リーダー:そんなことは聞いていない。など)
これは一番重要な点かもしれません。
例えば、院長が来月からこんな取り組みをしてみようと思うんだけど、と伝えたとたん「忙しいから無理です」と言われたら、その場の空気も参加している全員の気持ちも、すべてがネガティブになってしまいます。
逆もまたしかり、スタッフが一生懸命意見を出しても院長に「今そんな話はしていない」「そんなことを聞きたいんじゃない」などと言われたら、ヤル気もその場の空気も最悪なものになるのでは無いでしょうか。
ネガティブワード禁止!とルールをしっかり定めましょう。
6.開始時間、終了時間が守られている。
時間を決めても人が集まらないから始められない、時間になってもなかなか終わらない・・・。
これでは、グダグダなミーティングになってしまいます。
遅刻してもいいやという感覚になったり、長引くのが嫌だから、言いたい事はあるけど言わずに早く話を終わらせようという感情を持つ人も出てくるかもしれません。
時間を守り、開始時間に全員いなくても始める、話し合いが終わってなくても、また次に持ち越し、時間になったら終わる。
これを守ることで、ミーティングに対する姿勢も変わってきます。
7.楽しく行えている。
なんだか抽象的ですが、これが一番大事です。
ミーティングが終わった後「次回のミーティング」が楽しみであるか否かは、モチベーションを保つためにも重要なことです。
アメリカの経営学者ケネス・ブランチャードも、著書「一分間マネージャー」の中で「よい気分で働いている部下はよい成果を生み出す」と述べています。
スタッフが「よい気分」の状態で働き、ミーティングにその状態で望めれば、前向きな発言が飛び交うに違いありません。
万が一ネガティブな様子でミーティングが進んでしまうのであれば、原因を観察し対処する必要があります。
まとめ
理想的なミーティングを実施し、医院がステップアップするために院長が普段から気を付けるべきポイントにはどんなことがあるでしょうか。
スタッフ一人一人に対して、それぞれ以下の点を自問自答してみてください。
- 話を聞いてあげられているか。
- 褒めてあげられているか。
- 仕事の意味と目的を理解させられているか。
- 得意不得意を見極められているか
ミーティングに参加してくれていればOKというわけにはいきません。
普段からスタッフのモチベーションを高め、何事にも前向きに取り組んでもらう必要があります。
その上で、ミーティングの場では、スタッフの意見を引き出しその場をまとめましょう。
スタッフが協力的であれば、決して難しいことはありません。ぜひ今回のコラムを参考にしてみてください。
参考文献/K・ブランチャードS・ジョンソン,『一分間マネージャー 何を示し、どう褒め、どう叱るか!』,ダイアモンド社,1983.
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