大手歯科医療法人が近くに開業!個人医院がHPで対抗する方法
「駅前に大手の歯科医院ができるらしい」「近くに医療法人の分院が開業した」「広告をバンバン出していて、患者さんを取られそうで不安」。このような相談を、個人開業の歯科医院から受けることが増えています。
大手医療法人は、資金力、人材、設備、広告予算など、あらゆる面でリソースが豊富です。同じ土俵で正面から競争しても、個人医院が勝つのは困難です。しかし、個人医院ならではの強みを活かし、ホームページで適切に表現すれば、大手に負けない集患は可能です。本記事では、大手歯科医療法人に対抗するためのホームページ戦略を解説します。
目次
1. 大手医療法人の強みと弱み
2. 個人医院の強みを再認識する
3. 大手と同じ土俵で戦わない
4. 個人医院の強みをHPで表現する方法
5. 院長の顔が見える医院づくり
6. 「通い続けたい医院」を訴求する
7. 口コミ・紹介を強化する戦略
8. 地域密着をアピールする方法
9. 大手開業後のHP改善チェックリスト
10. よくある質問
11. まとめ
1.大手医療法人の強みと弱み

まず、大手医療法人の強みと弱みを客観的に分析しましょう。敵を知ることが、対策の第一歩です。
大手医療法人の強み
資金力として、内装、設備、広告に潤沢な資金を投入できます。開業時の大規模な広告展開が可能です。
人材として、歯科医師を複数名配置でき、専門医を揃えられることもあります。受付、助手、衛生士も十分な人数を確保しています。
設備として、最新の医療機器を導入しやすく、CTやマイクロスコープなどの高額機器も複数台導入できます。
診療時間として、夜間診療、土日診療、年中無休など、幅広い診療時間を設定できます。
広告・マーケティングとして、リスティング広告、SEO対策、SNS運用など、専門スタッフやプロへの外注で本格的に展開できます。
知名度として、複数院展開によるブランド認知があり、「あの医療法人の歯医者」という安心感があります。
大手医療法人の弱み
一方で、大手ならではの弱みもあります。
担当医が変わりやすいという点があります。歯科医師の異動や退職により、担当医が頻繁に変わることがあります。患者さんとの継続的な関係構築が難しい場合があります。
院長の顔が見えにくいという点があります。複数の医師がいるため、「誰が責任者かわからない」「院長に診てもらえない」という印象を持たれることがあります。
効率重視になりがちという点があります。患者数をこなすことが求められ、一人ひとりに時間をかけた対応が難しい場合があります。「流れ作業」と感じられることも。
個別対応の限界という点があります。マニュアル化された対応になりやすく、患者さん個別の事情への柔軟な対応が難しいことがあります。
地域への愛着が薄いという点があります。本部主導の運営で、地域に根ざした医院という印象が薄くなりがちです。
2.個人医院の強みを再認識する

大手の弱みは、裏を返せば個人医院の強みになります。自院の強みを再認識しましょう。
院長が責任を持って診療する
個人医院の最大の強みは、院長自身が責任を持って診療することです。
「この先生に診てもらえる」という安心感は、大手では得にくい価値です。患者さんとの信頼関係を長期的に築けることが、個人医院の強みです。
一人ひとりに時間をかけられる
大手のように「回転率」を追求する必要がない個人医院は、一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけられます。
丁寧な説明、患者さんの話をじっくり聞く姿勢、治療の細部へのこだわりなど、時間をかけることで提供できる価値があります。
柔軟な対応ができる
個人医院は、患者さん個別の事情に柔軟に対応できます。
急な予約変更、特別な配慮が必要な患者さんへの対応、診療時間外の緊急対応など、「融通が利く」ことは大きな強みです。
地域に根ざしている
長年その地域で診療している個人医院には、地域への愛着と理解があります。
地域の患者さんの特性を知り、地域のイベントや活動にも参加するなど、「地域の一員」としての存在感があります。
顔が見える安心感
院長の人柄、スタッフとの関係、医院の雰囲気など、「顔が見える」ことによる安心感は、個人医院ならではの価値です。
3.大手と同じ土俵で戦わない
大手に対抗するための基本戦略は、「同じ土俵で戦わない」ことです。
広告費では勝てない
大手が月100万円の広告費をかけているところに、個人医院が同じように広告費をかけても、資金力の差で負けてしまいます。
広告費の競争ではなく、別の方法で患者さんにアプローチすることを考えましょう。
設備の数では勝てない
最新設備を複数台揃える大手に対して、設備の「数」で競争しても勝てません。
設備の数ではなく、その設備を使いこなす「技術」や「経験」で勝負します。
診療時間の長さでは勝てない
年中無休、夜遅くまで診療する大手に対して、診療時間の長さで競争するのは、個人医院にとって負担が大きすぎます。
診療時間の長さではなく、「予約の取りやすさ」「待ち時間の少なさ」など、別の価値で勝負します。
差別化ポイントを明確にする
大手と同じことをアピールしても埋もれてしまいます。大手にはない、個人医院ならではの価値を明確にし、そこで勝負することが重要です。
4.個人医院の強みをHPで表現する方法
個人医院の強みを、ホームページでどのように表現するかを解説します。
「院長がすべての患者さんを診る」を打ち出す
大手との最大の差別化ポイントは、院長が責任を持って診療することです。
ホームページで打ち出すメッセージとして、「すべての患者さんを院長が責任を持って診療します」「担当医が変わることはありません」「開業以来〇年、私が一人で診てきました」といった内容が効果的です。
これは、大手では言えないメッセージであり、強力な差別化になります。
「時間をかけた丁寧な診療」を具体的に伝える
「丁寧な診療」は抽象的なので、具体的に伝えます。
具体的な表現として、「初診は30分以上かけて、お話を伺います」「治療の前に必ず、写真を見ながら説明します」「わからないことは何度でも質問してください」「一回の治療に十分な時間を確保し、詰め込み予約はしません」といった内容が効果的です。
「長く通える医院」をアピールする
大手は担当医が変わりやすいという弱みがあります。これに対して、長く通えることをアピールします。
アピールポイントとして、「開業〇年、地域の患者さんを見守り続けています」「親子三代で通っていただいている患者さんもいます」「あなたの歯の健康を、長期的にサポートします」といった内容が効果的です。
「融通が利く」ことを伝える
個人医院ならではの柔軟性をアピールします。
具体的な表現として、「急な痛みにも、できる限り対応します」「お仕事の都合など、ご相談ください」「患者さん一人ひとりの事情に合わせて対応します」といった内容が効果的です。
5.院長の顔が見える医院づくり

個人医院の最大の武器は「院長」です。院長の存在感を前面に出したホームページづくりを行います。
院長紹介ページを充実させる
院長紹介ページは、最も重要なページの一つです。
掲載する内容として、プロが撮影した院長写真(複数カット)、歯科医師を志した理由、診療で大切にしていること、患者さんへのメッセージ、経歴・資格、趣味・人柄がわかるエピソードなどを含めます。
大手の「医師紹介」は、複数医師の簡潔な紹介になりがちです。個人医院は、院長一人を深く紹介することで差別化できます。
院長の想いを随所に配置する
院長紹介ページだけでなく、サイト全体に院長の想いを配置します。
トップページには、院長からの短いメッセージを配置します。各治療ページには、その治療に対する院長のこだわりを記載します。ブログでは、院長自身が日々の診療への想いを発信します。
院長の写真を効果的に使う
院長の写真を、ホームページの随所に配置します。
効果的な使い方として、患者さんに説明している様子、診療中の真剣な表情、笑顔でカメラに向かう写真、スタッフとの集合写真などがあります。
「この先生が診てくれるんだ」とイメージできる写真を使うことが重要です。
動画の活用
可能であれば、院長のメッセージ動画を掲載します。
動画は、文章や写真以上に人柄が伝わります。1〜2分程度の短い動画で、院長の声、話し方、表情を伝えることで、親近感と信頼感を醸成できます。
6.「通い続けたい医院」を訴求する
大手に対抗するもう一つの軸は、「通い続けたい医院」としての訴求です。
患者さんとの長期的な関係をアピール
歯科医院は、一度きりではなく、長期的に通う場所です。長期的な関係を築けることをアピールします。
メッセージ例として、「治療が終わってからが、本当のお付き合いの始まりです」「あなたの歯を、10年、20年先まで守ります」「定期的に通っていただくことで、大きな治療を防げます」といった内容が効果的です。
予防歯科・メンテナンスの重視
予防歯科やメンテナンスを重視する姿勢は、「長く通う医院」のイメージにつながります。
アピールポイントとして、「治療より予防を大切にしています」「定期検診で、早期発見・早期治療」「担当衛生士が、あなたの口腔ケアをサポートします」といった内容が効果的です。
患者さんの声を活用する
長く通っている患者さんの声は、強力な説得材料になります。
掲載する患者さんの声として、「10年以上通っています」「家族みんなでお世話になっています」「引っ越し後も通い続けています」といった、長期的な関係を示す声が効果的です。
7.口コミ・紹介を強化する戦略

大手が広告費で勝負するなら、個人医院は口コミ・紹介で勝負します。
Google口コミの重要性
Googleビジネスプロフィールの口コミは、患者さんの医院選びに大きな影響を与えます。
大手は患者数が多い分、口コミ数も多くなりがちです。しかし、個人医院は一人ひとりとの関係が深い分、質の高い口コミを得やすい傾向があります。
口コミを促す仕組み
満足した患者さんに、口コミをお願いする仕組みを作ります。
具体的な方法として、治療完了時に「ご感想をいただけると嬉しいです」と伝える、口コミ投稿方法を説明したカードを渡す、院内にQRコードを掲示するなどがあります。
紹介を促す仕組み
既存患者さんからの紹介は、最も質の高い新規患者獲得チャネルです。
具体的な方法として、紹介カードの作成、紹介してくれた方への感謝の表明、「ご家族・ご友人にもご紹介ください」というメッセージのホームページ掲載などがあります。
ホームページでの口コミ・紹介の見せ方
ホームページに、患者さんの声や口コミを掲載します。
Googleの口コミから、許可を得て抜粋を掲載することもできます。「紹介で来られる方が多いです」というメッセージも、信頼感につながります。
8.地域密着をアピールする方法
大手は全国展開やチェーン展開をしていることが多く、地域への愛着という点では個人医院に劣ります。地域密着をアピールしましょう。
開業年数・地域での実績をアピール
長年その地域で診療してきた実績は、大手にはない強みです。
メッセージ例として、「〇〇で開業して〇年、地域の皆様の歯の健康を守ってきました」「この街で生まれ育ち、この街で開業しました」「地域の皆様に支えられて、ここまで来られました」といった内容が効果的です。
地域の情報を盛り込む
ホームページに地域の情報を盛り込むことで、地域密着感を演出できます。
具体的な方法として、アクセスページに周辺のランドマークを詳しく記載する、「〇〇小学校の学校歯科医を務めています」といった地域活動を紹介する、地域のイベントへの参加を報告するなどがあります。
「地域のかかりつけ医」を打ち出す
「地域のかかりつけ歯科医」というポジションを明確に打ち出します。
メッセージ例として、「〇〇地域の皆様のかかりつけ歯科医として」「お子様からご高齢の方まで、地域の皆様の歯の健康をサポート」「何かあったらまず相談できる、そんな歯医者でありたい」といった内容が効果的です。
9.大手開業後のHP改善チェックリスト

大手医療法人が近くに開業した際に、ホームページで確認・改善すべきポイントをチェックリストにまとめます。
差別化ポイントの明確化
院長がすべての患者を診ることを明記しているか確認します。担当医が変わらないことを訴求しているか確認します。一人ひとりに時間をかけることを具体的に伝えているか確認します。個人医院ならではの柔軟性をアピールしているか確認します。
院長紹介の充実
院長紹介ページが充実しているか確認します。院長の写真が複数掲載されているか確認します。院長の想い、人柄が伝わる内容になっているか確認します。可能であれば院長メッセージ動画があるか確認します。
信頼性の強化
開業年数、地域での実績を明記しているか確認します。患者さんの声を掲載しているか確認します。症例数、治療実績を掲載しているか確認します。資格、経歴を明示しているか確認します。
長期的な関係の訴求
予防歯科、メンテナンスの重要性を訴求しているか確認します。長く通っている患者さんの声を掲載しているか確認します。「長く付き合える医院」というメッセージがあるか確認します。
地域密着のアピール
地域名を適切に使用しているか確認します。地域での活動、実績を紹介しているか確認します。「地域のかかりつけ医」を打ち出しているか確認します。
口コミ・紹介の強化
Googleビジネスプロフィールの口コミを管理しているか確認します。口コミを促す仕組みがあるか確認します。紹介を促すメッセージがあるか確認します。
10.よくある質問
大手医療法人への対抗策に関して、よくある質問に回答します。
大手が開業したら、患者さんは必ず流れてしまいますか?
一時的に新しい医院に流れる患者さんはいるかもしれませんが、すべての患者さんが流れるわけではありません。長年通っている患者さん、院長との信頼関係がある患者さんは、簡単には離れません。また、大手に行った患者さんが「やっぱり前の医院の方が良かった」と戻ってくるケースも少なくありません。大切なのは、既存患者さんとの関係を大切にしつつ、個人医院の強みを明確に打ち出すことです。
大手と同じように広告費をかけるべきですか?
同じように広告費をかける必要はありませんし、かけても資金力の差で勝てません。広告費の競争ではなく、口コミ・紹介、SEO対策、Googleビジネスプロフィールの充実など、費用対効果の高い施策に注力することをお勧めします。広告を出す場合も、大手と同じキーワードで競争するのではなく、ニッチなキーワードや、自院の強みに関連するキーワードで勝負する方が効果的です。
設備で大手に劣っている場合、どうアピールすればいいですか?
設備の「数」では勝てなくても、設備を使いこなす「技術」や「経験」でアピールできます。例えば、「マイクロスコープは1台ですが、院長が10年以上使い込んできた技術があります」といった形です。また、設備よりも「人」の価値を強調する方向性も有効です。「最新設備も大切ですが、最も大切なのは、患者さん一人ひとりに向き合う姿勢だと考えています」といったメッセージです。
診療時間を大手に合わせて延長すべきですか?
無理に延長する必要はありません。診療時間の長さで勝負するのではなく、「予約が取りやすい」「待ち時間が少ない」「急患にも対応する」など、別の価値で勝負する方が持続可能です。院長やスタッフの負担が増えすぎると、診療の質が下がったり、離職につながったりするリスクもあります。自院の体制で無理なく続けられる診療時間を維持しつつ、その中で最大の価値を提供することを考えましょう。
11.まとめ
大手歯科医療法人が近くに開業した際の、個人医院のホームページ戦略をまとめます。
大手と同じ土俵で戦わないことが基本戦略です。広告費、設備の数、診療時間の長さで競争しても、資金力の差で負けてしまいます。
個人医院の強みを再認識しましょう。院長が責任を持って診療すること、一人ひとりに時間をかけられること、柔軟な対応ができること、地域に根ざしていること、顔が見える安心感。これらは大手にはない価値です。
ホームページで個人医院の強みを表現します。「院長がすべての患者さんを診る」「担当医が変わらない」「時間をかけた丁寧な診療」といったメッセージを明確に打ち出します。
院長の存在感を前面に出します。院長紹介ページの充実、院長の写真や想いをサイト全体に配置、可能であれば動画も活用します。
「通い続けたい医院」を訴求します。長期的な関係、予防歯科・メンテナンスの重視、長く通っている患者さんの声を活用します。
口コミ・紹介を強化します。広告費で勝負できない分、口コミと紹介で患者さんを獲得します。
地域密着をアピールします。開業年数、地域での実績、「地域のかかりつけ医」としてのポジションを打ち出します。
大手が来ても、個人医院には個人医院の価値があります。その価値を明確にし、ホームページで適切に表現することで、大手に負けない集患は十分に可能です。
株式会社リバティーフェローシップ/東京歯科経営ラボでは、競合環境を踏まえたホームページ戦略の立案と制作をサポートしています。「大手が近くに来て不安」「差別化したホームページに作り直したい」といったご相談も、お気軽にお寄せください。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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