治療説明動画をHPに埋め込む効果とは?患者理解度と成約率の関係
「ホームページに治療説明を詳しく書いているのに、カウンセリングで同じ説明を繰り返している」「説明したつもりなのに、患者さんの理解が追いついていない」。こうした課題を感じている先生は少なくないのではないでしょうか。
文章だけでは伝わりにくい治療内容も、動画であれば視覚的・直感的に理解してもらえます。本記事では、治療説明動画をホームページに埋め込むことで得られる効果と、患者さんの理解度向上が成約率にどうつながるのかを解説します。
目次
1. なぜ今、治療説明動画が注目されているのか
2. 治療説明動画がもたらす5つの効果
3. 患者理解度と成約率の関係
4. 効果的な治療説明動画の作り方
5. どの治療から動画化すべきか
6. ホームページへの効果的な埋め込み方
7. 動画導入の費用対効果
8. まとめ
1.なぜ今、治療説明動画が注目されているのか

動画コンテンツの消費量は年々増加しており、情報収集の手段として動画を選ぶ人が増えています。特に医療分野では、専門的で複雑な内容を理解する必要があるため、文章よりも動画の方が適している場面が多くあります。
歯科治療を検討している患者さんの多くは、治療内容や流れについて事前に調べてから来院します。しかし、文章だけの説明では専門用語が多く、具体的なイメージがつかみにくいという問題があります。「インプラント治療の流れ」と文章で説明されても、実際にどのような処置が行われるのかを想像することは難しいでしょう。
動画であれば、治療の様子をアニメーションや実際の映像で見せることができ、患者さんは「こういうことをするのか」と具体的にイメージできます。この理解度の差が、治療への意思決定に大きく影響します。
また、コロナ禍以降、対面での長時間の説明を避けたいという患者さんのニーズも高まっています。事前に動画で治療内容を理解してもらうことで、来院時のカウンセリングをより効率的に進められるというメリットもあります。
2.治療説明動画がもたらす5つの効果

患者理解度の向上
人間の脳は、文字情報よりも視覚情報の方を処理しやすいという特性があります。文章を読んで理解するよりも、映像を見て理解する方が、多くの人にとって負担が少なく、記憶にも残りやすいのです。
治療説明動画では、口腔内の状態や治療の手順を3Dアニメーションや図解で示すことができます。たとえばインプラント治療であれば、歯を失った部分の顎の骨にどのようにインプラント体が埋入され、その上にどのように人工歯が装着されるのかを、段階を追って視覚的に示せます。
文章で「顎の骨にチタン製のインプラント体を埋入し、骨と結合した後に人工歯を装着します」と説明しても、患者さんの頭の中にはぼんやりとしたイメージしか浮かびません。動画であれば、具体的な映像として理解でき、治療への不安も軽減されます。
カウンセリング時間の短縮
治療説明動画を事前に視聴してもらうことで、カウンセリングの効率が大幅に向上します。基本的な治療の流れやメリット・デメリットは動画で理解した上で来院してもらえるため、カウンセリングでは患者さん個別の状況に合わせた説明や、疑問点への回答に時間を使えるようになります。
ある医院では、インプラント治療のカウンセリング時間が平均45分から30分に短縮されたという事例もあります。1日に複数のカウンセリングを行う医院にとって、この時間短縮は大きな効果をもたらします。
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項目 |
動画なし |
動画あり |
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カウンセリング時間 |
45分 |
30分 |
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患者の事前理解度 |
低い |
高い |
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質問の質 |
基本的な内容が多い |
具体的・個別的 |
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スタッフの説明負担 |
大きい |
軽減される |
成約率の向上
患者さんの理解度が高まることで、治療への意思決定がスムーズになり、成約率の向上につながります。理解が不十分なまま説明を受けると、「よくわからないから、もう少し考えます」という結果になりがちです。
一方、動画で治療内容を十分に理解した患者さんは、自分にとってその治療が必要かどうかを判断しやすくなります。「動画を見て、インプラントがどういうものかわかりました。私の場合はどうでしょうか」という形でカウンセリングが始まれば、成約に至る可能性は高まります。
自費治療のカウンセリングにおいて、動画を導入した医院では成約率が10〜20%向上したという報告もあります。高額な自費治療ほど、患者さんは慎重に検討するため、理解度を高める取り組みが成約率に直結します。
キャンセル・中断の減少
治療内容を十分に理解しないまま治療を開始すると、「思っていたのと違う」「こんなに大変だとは思わなかった」という理由でキャンセルや中断につながることがあります。特に矯正治療のような長期間の治療では、この問題が顕著です。
事前に動画で治療の流れや期間中の注意点を理解してもらうことで、患者さんは心の準備ができた状態で治療を開始できます。「動画で見た通りだな」という感覚で治療が進むことで、途中でのドロップアウトを防げます。
医院の差別化
治療説明動画を充実させている歯科医院はまだ少数派です。患者さんが複数の医院を比較検討している場合、動画でわかりやすく説明している医院の方が「丁寧な医院」「患者のことを考えている医院」という印象を持たれやすくなります。
動画コンテンツの有無は、医院の姿勢や先進性を示す一つの指標にもなります。「この医院は説明がわかりやすそう」という第一印象は、予約の決め手になり得ます。
3.患者理解度と成約率の関係
患者さんが治療を決断するまでには、いくつかの心理的なハードルがあります。「治療内容がわからない」「どのくらい痛いのか不安」「費用に見合う効果があるのか疑問」といった不安や疑問が解消されないと、患者さんは決断を先延ばしにします。
治療説明動画は、これらのハードルを下げる効果があります。
まず、治療内容の理解というハードルについて。文章だけでは伝わりにくい治療の流れや仕組みを、動画であれば視覚的に理解できます。「何をされるのかわからない」という不安が解消されることで、治療への心理的抵抗が下がります。
次に、痛みや負担への不安というハードル。動画内で「痛みを抑える工夫」「治療時間の目安」「術後の経過」などを説明することで、漠然とした不安を具体的な情報に置き換えられます。実際に治療を受けた患者さんの声を動画に含めることも効果的です。
そして、費用対効果への疑問というハードル。治療によって得られるメリット、放置した場合のリスクを動画で説明することで、費用に対する納得感が高まります。
これらのハードルが下がることで、患者さんは「やってみよう」という決断に至りやすくなります。つまり、理解度の向上は成約率の向上に直結するのです。
4.効果的な治療説明動画の作り方

動画の長さと構成
治療説明動画の適切な長さは、2〜5分程度が目安です。短すぎると必要な情報が伝わらず、長すぎると最後まで視聴してもらえません。特にスマートフォンで視聴する患者さんが多いことを考慮すると、3分前後が最も視聴完了率が高くなります。
動画の構成としては、以下の流れが効果的です。
冒頭の15秒で「この動画で何がわかるか」を明示し、視聴者の関心を引きます。続いて治療が必要な状況や症状を説明し、視聴者に「自分のことだ」と感じてもらいます。その後、治療の流れを段階を追って説明し、メリットとデメリットを正直に伝えます。最後に治療期間や費用の目安を示し、カウンセリングへの誘導で締めくくります。
伝えるべき内容
治療説明動画に含めるべき要素は、治療の概要と目的、具体的な治療手順、治療期間の目安、痛みや腫れなどの術後経過、メリットとデメリット、費用の目安、当院の特徴や強みです。
特に重要なのは、メリットだけでなくデメリットやリスクも正直に伝えることです。良いことばかり並べた動画は、かえって信頼性を損ないます。「〇〇というデメリットもありますが、当院では△△という対策をしています」という形で伝えることで、誠実な印象を与えられます。
制作方法の選択肢
治療説明動画の制作方法には、いくつかの選択肢があります。
プロに依頼する方法は、高品質な動画を制作できますが、1本あたり15〜50万円程度の費用がかかります。3Dアニメーションを含む本格的な動画を作りたい場合は、この方法が適しています。
既存の素材を活用する方法もあります。歯科材料メーカーや業界団体が提供している治療説明動画を活用できる場合があります。ただし、自院の特徴を盛り込むことが難しい点がデメリットです。
自院で制作する方法は、スマートフォンと編集アプリを使えば、低コストで動画を作成できます。院長自身が説明する形式であれば、人柄も伝わり一石二鳥です。ただし、映像の質や編集技術によっては、かえって印象を損なう可能性もあるため注意が必要です。
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制作方法 |
費用目安 |
メリット |
デメリット |
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プロに依頼 |
15〜50万円/本 |
高品質、3Dアニメーション可 |
費用が高い |
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既存素材活用 |
無料〜数万円 |
低コスト、すぐ使える |
自院の特徴を出しにくい |
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自院で制作 |
数千円〜数万円 |
低コスト、院長の人柄が伝わる |
品質にばらつき |
5.どの治療から動画化すべきか
すべての治療について動画を作成するのは現実的ではありません。優先順位をつけて、効果の高い治療から動画化していくことをお勧めします。
最優先で動画化すべきなのは、自費治療の中で収益性が高いものです。インプラント、矯正、審美歯科といった高額な自費治療は、患者さんの検討期間も長く、理解度が成約率に大きく影響します。これらの治療から優先的に動画を作成することで、投資対効果を最大化できます。
次に優先すべきは、説明に時間がかかる治療です。カウンセリングで毎回同じ説明を繰り返している治療があれば、動画化による時間短縮効果が大きくなります。
また、患者さんの不安が大きい治療も動画化の優先度が高いです。「痛そう」「怖い」というイメージを持たれやすい治療は、動画で具体的な流れを見せることで不安を軽減できます。親知らずの抜歯や根管治療などが該当します。
6.ホームページへの効果的な埋め込み方
配置場所の工夫
治療説明動画は、該当する治療の紹介ページに埋め込むのが基本です。ただし、ページの最下部に配置すると見てもらえない可能性が高くなります。
効果的な配置場所は、治療の概要説明の直後です。「インプラント治療とは」という導入文の後に動画を配置することで、詳細な説明を読む前に動画で全体像を把握してもらえます。動画を見た後に詳細な文章説明を読むことで、理解がより深まります。
また、トップページに「人気の動画」としてサムネイルを表示し、各治療ページへ誘導する方法も効果的です。
動画視聴を促す導線設計
動画を埋め込んでも、患者さんが再生ボタンを押さなければ意味がありません。視聴を促すための工夫が必要です。
動画のサムネイル画像は、内容がわかりやすく、クリックしたくなるものを選びます。「3分でわかるインプラント治療」といったテキストをサムネイルに入れることで、視聴時間の目安が伝わり、クリック率が向上します。
動画の周囲には「まずはこちらの動画をご覧ください」「治療の流れを動画で解説しています」といった誘導文を添えることも効果的です。
スマートフォン対応の注意点
歯科医院のホームページは、スマートフォンからの閲覧が過半数を占めます。動画を埋め込む際は、スマートフォンでも快適に視聴できるかを必ず確認してください。
動画プレイヤーがスマートフォンの画面幅に合わせて自動調整されるレスポンシブ対応は必須です。また、モバイル回線での視聴を考慮し、動画の画質と容量のバランスにも注意が必要です。YouTubeやVimeoに動画をアップロードして埋め込む形式であれば、回線状況に応じた画質調整が自動で行われます。
7.動画導入の費用対効果

治療説明動画への投資は、どの程度のリターンが期待できるのでしょうか。
仮にインプラント治療の説明動画を30万円で制作したとします。インプラント治療1本あたりの収益が30万円だとすると、動画によって成約が1件増えれば投資回収が完了します。
実際には、動画による成約率向上効果は継続的に発生します。月に10件のインプラントカウンセリングがあり、成約率が30%から40%に向上したとすると、月に1件の成約増加となります。年間で12件、収益にして360万円の増加です。
さらに、カウンセリング時間の短縮による人件費削減、患者理解度向上によるトラブル減少といった副次的効果も考慮すると、動画への投資は十分な費用対効果があるといえます。
ただし、動画を作成しただけでは効果は得られません。ホームページへの適切な配置、視聴を促す導線設計、カウンセリング時の活用など、運用面の工夫と組み合わせることで効果が最大化されます。
8.まとめ
治療説明動画をホームページに埋め込むことで、患者さんの理解度は大幅に向上し、それが成約率の向上につながります。文章だけでは伝わりにくい治療内容を視覚的に示すことで、患者さんの不安を解消し、治療への意思決定を後押しできます。
動画導入の効果は、患者理解度の向上、カウンセリング時間の短縮、成約率の向上、キャンセル・中断の減少、医院の差別化と多岐にわたります。特に高額な自費治療においては、理解度と成約率の相関が顕著であり、動画への投資は十分な費用対効果が期待できます。
まずは収益性の高い自費治療から優先的に動画化を進め、段階的にコンテンツを充実させていくことをお勧めします。動画制作のハードルが高いと感じる場合は、院長自身がスマートフォンで撮影する簡易的な動画から始めるのも一つの方法です。
株式会社リバティーフェローシップ/東京歯科経営ラボでは、歯科医院のホームページ制作から動画コンテンツの企画・制作まで、一貫してサポートしています。「治療説明動画を導入したい」「どの治療から動画化すべきか相談したい」という先生は、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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