「求人ページを見て応募しました」を増やす!採用動線の設計方法

「求人媒体には掲載しているのに、なかなか応募が来ない」「応募があっても、面接前に辞退されてしまう」。歯科医院の採用担当者から、このような悩みをよく聞きます。

実は、求人媒体に掲載するだけでは不十分です。求職者は必ずと言っていいほど、応募前に医院のホームページを確認します。そのとき、採用ページが見つからない、情報が不十分、応募方法がわかりにくいといった状態では、せっかくの応募意欲を逃してしまいます。

本記事では、求職者が迷わず応募できる「採用動線」の設計方法を解説します。

目次
1. 採用動線とは何か
2. 求職者の行動パターンを理解する
3. 採用動線の全体設計
4. 入口の設計:採用ページへの誘導
5. 採用ページの情報設計
6. 応募フォームの最適化
7. 離脱を防ぐ工夫
8. 応募後のフォロー体制
9. 採用動線の改善サイクル
10. よくある質問
11. まとめ

 

1. 採用動線とは何か

採用動線とは、求職者が医院を知ってから応募に至るまでの経路のことです。

動線設計の重要性

求職者は、求人を見つけてすぐに応募するわけではありません。情報収集、比較検討、不安解消といったプロセスを経て、ようやく応募を決断します。

この過程で、どこかに「つまずき」があると、求職者は離脱してしまいます。スムーズに応募まで導く経路を設計することが、採用動線の設計です。

採用動線の構成要素

採用動線は、大きく分けて以下の要素で構成されます。

入口として、求人媒体、検索、SNS、紹介など、求職者が医院を知るきっかけがあります。

誘導として、ホームページへの流入、採用ページへの導線があります。情報提供として、採用ページでの情報提供、不安解消があります。行動喚起として、応募への誘導、応募方法の提示があります。応募として、応募フォーム、電話、LINEなどがあります。フォローとして、応募後の連絡、面接設定があります。

これらの各段階で、求職者が離脱しないよう設計することが重要です。

2. 求職者の行動パターンを理解する

効果的な採用動線を設計するために、求職者の行動パターンを理解しましょう。

求職者の情報収集プロセス

歯科衛生士や歯科助手が転職先を探すとき、典型的には次のようなプロセスをたどります。

求人媒体で検索する段階では、Indeed、ジョブメドレー、グッピーなどで条件を入力し、候補となる医院を探します。

気になる求人をピックアップする段階では、給与、勤務地、勤務時間などの条件で絞り込み、いくつかの候補を選びます。

医院のホームページを確認する段階では、求人情報だけではわからない、医院の雰囲気、院長の人柄、スタッフの様子などを確認します。

比較検討する段階では、複数の候補を比較し、「ここで働きたい」と思える医院を選びます。

応募を決定する段階では、ホームページの印象が良ければ応募し、情報が不十分だったり印象が悪ければ候補から外します。

ホームページ確認率の高さ

求人媒体で医院を見つけた求職者の約8割以上が、応募前にホームページを確認すると言われています。

つまり、求人媒体でいくら魅力的な求人を出しても、ホームページの採用情報が不十分では応募につながらないのです。

求職者が採用ページで確認すること

求職者がホームページの採用ページで特に確認するポイントは以下の通りです。

職場の雰囲気として、院内写真、スタッフの様子、人間関係を見ています。院長・スタッフの人柄として、院長紹介、スタッフ紹介、メッセージを見ています。仕事内容として、具体的な業務内容、1日の流れを見ています。教育体制として、研修制度、キャリアアップの機会を見ています。待遇の詳細として、給与、賞与、休日、福利厚生の詳細を見ています。応募方法として、どうやって応募するのか、選考の流れを見ています。

3. 採用動線の全体設計

採用動線の全体像を設計する際のポイントを解説します。

求職者の流入経路を把握する

まず、求職者がどこから来るのかを把握します。

求人媒体からの流入として、Indeed、ジョブメドレー、グッピー、ハローワークなどがあります。検索エンジンからの流入として、「歯科衛生士求人〇〇市」などの検索があります。SNSからの流入として、Instagram、Facebookなどがあります。紹介・口コミとして、既存スタッフからの紹介、知人からの紹介があります。

流入経路によって、求職者が求める情報や心理状態が異なることを意識します。

ゴールを明確にする

採用動線のゴールは「応募」です。しかし、応募の形態は複数あり得ます。

応募フォームからの応募、電話での応募、LINEでの応募、メールでの応募、見学申し込みなど、どの形態をメインにするかを決めておきます。

動線の「見える化」

採用動線を図にして「見える化」すると、改善点が見つけやすくなります。

求人媒体からホームページへ、ホームページのトップページから採用ページへ、採用ページから募集要項へ、募集要項から応募フォームへ、応募フォームから応募完了へ、という流れを図示し、各段階での離脱ポイントを確認します。

4. 入口の設計:採用ページへの誘導

求職者がホームページに来たとき、採用ページにスムーズにたどり着ける設計が重要です。

グローバルナビゲーションへの配置

ホームページのグローバルナビゲーション(ヘッダーメニュー)に、「採用情報」「求人」「スタッフ募集」などの項目を配置します。

求職者は、ナビゲーションから採用情報を探すことが多いため、見つけやすい位置に配置することが重要です。

配置のポイントとして、ナビゲーションの右側に配置すると目立ちやすくなります。「採用情報」「求人情報」「スタッフ募集」など、わかりやすい名称を使います。他のメニュー項目と差別化するため、色を変えるのも効果的です。

トップページでの誘導

トップページにも、採用情報への導線を設けます。

バナーやボタンとして、「スタッフ募集中」「一緒に働く仲間を募集しています」といったバナーやボタンを配置します。お知らせ欄として、「歯科衛生士・歯科助手を募集しています」といったお知らせを掲載します。フッターとして、ページ下部に採用情報へのリンクを配置します。

求人媒体からの直接リンク

求人媒体には、ホームページの採用ページへの直接リンクを掲載します。

トップページではなく、採用ページに直接リンクすることで、求職者が迷わず情報にたどり着けます。

例として、「詳しい情報は当院の採用ページをご覧ください → https://〇〇dental.com/recruit/」と記載します。

5. 採用ページの情報設計

採用ページでどのような情報を、どのような順序で伝えるかを設計します。

採用ページの構成要素

効果的な採用ページには、以下の要素を含めます。

採用メッセージとして、院長からのメッセージ、医院の理念、求める人物像を伝えます。医院紹介として、医院の特徴、診療方針、患者層を伝えます。スタッフ紹介として、働いているスタッフの紹介、インタビューを掲載します。職場環境として、院内の様子、設備、雰囲気を写真で見せます。仕事内容として、具体的な業務内容、1日の流れを伝えます。教育・キャリアとして、研修制度、キャリアパス、成長機会を伝えます。募集要項として、職種、給与、勤務時間、休日、福利厚生の詳細を記載します。選考プロセスとして、応募から採用までの流れ、期間を伝えます。応募方法として、応募フォーム、電話番号、その他の応募方法を提示します。よくある質問として、求職者が持ちやすい疑問に回答します。

情報の優先順位

求職者が最も知りたい情報を、ページの上部に配置します。

優先度が高い情報として、募集職種、給与、勤務時間、休日があります。中程度の情報として、職場の雰囲気、スタッフの様子、教育体制があります。補足的な情報として、詳細な福利厚生、選考プロセス、よくある質問があります。

ただし、いきなり募集要項から始めるのではなく、採用メッセージで医院の想いを伝えてから詳細情報に入る方が、求職者の心に響きます。

写真・動画の活用

採用ページでは、写真や動画を積極的に活用します。

必須の写真として、院内の様子、スタッフの笑顔、診療風景、休憩室などがあります。あると良い動画として、院長メッセージ、スタッフインタビュー、院内ツアーなどがあります。

求職者は「どんな職場か」を視覚的に確認したいと考えています。文章だけでは伝わりにくい雰囲気を、写真や動画で伝えます。

6. 応募フォームの最適化

応募フォームは、採用動線の最終段階です。ここでの離脱を防ぐ設計が重要です。

入力項目の最適化

応募フォームの入力項目は、必要最低限に絞ります。

必須項目として、氏名、連絡先(電話番号またはメールアドレス)、希望職種があります。任意項目として、住所、希望勤務形態、経験年数、志望動機、質問などがあります。

入力項目が多すぎると、途中で離脱されるリスクが高まります。詳細な情報は、面接時に確認すれば十分です。

応募方法の選択肢

求職者によって、好みの応募方法は異なります。複数の選択肢を用意します。

応募フォームとして、24時間いつでも応募できることを明記します。電話として、電話番号を大きく表示し、受付時間を明記します。LINEとして、LINE公式アカウントからの応募や問い合わせを受け付けます。メールとして、メールでの応募も可能であれば記載します。

「電話が苦手」という求職者も多いため、Web応募やLINE応募の選択肢があると、応募のハードルが下がります。

スマートフォン対応

求職者の多くはスマートフォンで情報収集しています。応募フォームもスマートフォンで入力しやすい設計にします。

入力欄は十分な大きさを確保します。タップしやすいボタンサイズにします。入力タイプを適切に設定し、電話番号欄では数字キーボードが出るようにします。不要なスクロールを減らします。

確認画面と完了画面

応募フォーム送信後の確認画面と完了画面も重要です。

確認画面では、入力内容を確認し、修正できるようにします。完了画面では、「応募ありがとうございます」というメッセージと、今後の流れを伝えます。自動返信メールで、応募を受け付けたことを伝えます。

7. 離脱を防ぐ工夫

採用動線の各段階で、求職者の離脱を防ぐ工夫を解説します。

不安を解消するコンテンツ

求職者が抱える不安に先回りして答えるコンテンツを用意します。

「未経験でも大丈夫ですか?」という不安には、「未経験の方も安心して働けるよう、先輩スタッフが丁寧に指導します。入職後3ヶ月間は研修期間として、じっくり覚えていただけます」と答えます。

「残業は多いですか?」という不安には、「月平均残業時間は5時間程度です。診療終了時間に合わせて予約を調整しているため、大幅な残業はほとんどありません」と答えます。

「人間関係は大丈夫ですか?」という不安には、「スタッフの平均勤続年数は5年以上。長く働いているスタッフが多いのは、人間関係が良い証拠だと思います」と答えます。

スタッフの声・体験談

実際に働いているスタッフの声は、求職者に強く響きます。

「入職1年目のスタッフ」「子育て中のスタッフ」「未経験から入職したスタッフ」など、様々な立場のスタッフの声を掲載すると、求職者が自分に近い人の体験を参考にできます。

見学・カジュアル面談の案内

「いきなり応募するのは不安」という求職者のために、見学やカジュアル面談の選択肢を用意します。

「まずは見学だけでもOKです」「応募前に職場の雰囲気を見ていただけます」「気軽にお話しする場を設けています」といったメッセージを伝えます。

応募のハードルを下げることで、「とりあえず見学してみよう」という行動を促せます。

応募を促すメッセージ

採用ページの複数箇所に、応募を促すメッセージとボタンを配置します。

ページ上部では、「スタッフ募集中」のメッセージと応募ボタンを配置します。ページ中盤では、コンテンツの区切りごとに「詳しい募集要項を見る」「応募する」などのリンクを配置します。ページ下部では、「一緒に働きませんか?」のメッセージと応募フォームへの導線を配置します。

求職者がページのどこにいても、次のアクションを取りやすい設計にします。

8. 応募後のフォロー体制

応募を受け付けた後のフォロー体制も、採用動線の重要な部分です。

迅速なレスポンス

応募があったら、できるだけ早く連絡します。

理想は24時間以内、遅くとも48時間以内には連絡することを目標にします。連絡が遅いと、「この医院は対応が遅い」という印象を与え、他院に流れてしまう可能性があります。

自動返信メールの設定

応募フォームには、自動返信メールを設定します。

自動返信メールの内容として、応募へのお礼、応募を受け付けたことの確認、今後の流れ(いつ頃連絡するか)、問い合わせ先を含めます。

例文として、「この度は、〇〇歯科医院の採用にご応募いただき、誠にありがとうございます。ご応募内容を確認の上、3営業日以内にご連絡いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。」と記載します。

面接日程の調整

面接日程の調整は、求職者の都合に配慮します。

複数の候補日時を提示し、求職者が選べるようにします。オンライン日程調整ツール(Calendlyなど)を活用することも効果的です。求職者が現在就業中の場合、夕方や土曜日など、柔軟に対応します。

面接前の情報提供

面接前に、医院の情報を改めて提供すると、求職者の準備に役立ちます。

医院へのアクセス方法、当日の持ち物、服装の指定、面接の流れなどを事前にメールで案内します。

9. 採用動線の改善サイクル

採用動線は、一度設計したら終わりではありません。継続的に改善していくことが重要です。

データの収集

採用動線の各段階でデータを収集します。

採用ページのアクセス数として、何人が採用ページを見ているかを確認します。応募フォームのアクセス数として、何人が応募フォームまで到達しているかを確認します。応募数として、実際に応募した人数を確認します。面接実施数として、面接に至った人数を確認します。採用数として、最終的に採用に至った人数を確認します。

これらのデータから、どこで離脱が起きているかを分析します。

離脱ポイントの特定

データを分析し、離脱が多いポイントを特定します。

採用ページへのアクセスが少ない場合は、入口(ナビゲーション、バナー)の改善が必要です。採用ページから応募フォームへの遷移が少ない場合は、採用ページの情報や導線の改善が必要です。応募フォームでの離脱が多い場合は、フォームの項目数や使いやすさの改善が必要です。応募後の辞退が多い場合は、フォロー体制や面接対応の改善が必要です。

改善の実施と検証

特定した課題に対して、改善策を実施し、効果を検証します。

小さな改善から始め、効果を確認しながら進めます。A/Bテストができる場合は、複数のパターンを比較検証します。

改善例として、応募ボタンの色を変えてクリック率を比較する、応募フォームの項目を減らして完了率を比較する、スタッフの声を追加して応募数の変化を見る、などがあります。

定期的な見直し

採用動線は、少なくとも半年〜1年に一度は見直します。

求職者のニーズや行動パターンは変化するため、定期的なアップデートが必要です。採用市場の動向、競合医院の状況なども踏まえて改善します。

10. よくある質問

採用動線の設計に関して、よくある質問に回答します。

採用ページは独立させるべきですか、それとも医院紹介の中に含めるべきですか?

独立した採用ページ(または採用セクション)を設けることをお勧めします。求職者は、採用情報をまとめて確認したいと考えています。医院紹介の中に混在していると、必要な情報を探すのに時間がかかり、離脱の原因になります。グローバルナビゲーションに「採用情報」という項目を設け、そこから採用関連のページにアクセスできる構造が理想的です。

応募フォームと求人媒体からの応募、どちらを推奨すべきですか?

両方の選択肢を用意し、求職者に選んでもらうのがベストです。ホームページの応募フォームは、医院が直接情報を受け取れるメリットがあります。求人媒体からの応募は、求職者にとって使い慣れた方法で応募できるメリットがあります。ただし、求人媒体によっては直接応募を推奨すると規約違反になる場合があるため、各媒体の規約を確認してください。

小規模な医院でも、充実した採用ページは必要ですか?

必要です。むしろ小規模な医院こそ、採用ページで魅力を伝えることが重要です。大規模な医院や法人と比べて知名度で劣る分、ホームページで「この医院ならではの良さ」を伝える必要があります。小規模だからこそのアットホームな雰囲気、院長との距離の近さ、一人ひとりに合わせた教育など、小規模ならではの魅力を伝えましょう。

応募が少ない場合、何から改善すべきですか?

まずは、採用動線のどこで離脱が起きているかを確認します。採用ページへのアクセス自体が少ない場合は、入口(ナビゲーション、求人媒体からのリンク)の改善が必要です。採用ページは見られているが応募が少ない場合は、採用ページの内容(情報量、写真、スタッフの声など)の改善が必要です。応募フォームまで到達しているが完了しない場合は、フォームの項目数や使いやすさの改善が必要です。データがない場合は、Googleアナリティクスなどのツールを導入し、まずは現状把握から始めましょう。

11. まとめ

「求人ページを見て応募しました」を増やすための採用動線設計のポイントをまとめます。

求職者の行動パターンを理解することが出発点です。求人媒体で見つけた後、ホームページを確認し、比較検討して応募を決断するというプロセスを踏まえて設計します。

入口の設計として、グローバルナビゲーション、トップページのバナー、求人媒体からの直接リンクなど、採用ページへの導線を整備します。

採用ページの情報設計として、求職者が知りたい情報(職場の雰囲気、仕事内容、待遇、教育体制など)を過不足なく伝えます。写真や動画を活用し、文章だけでは伝わらない雰囲気を伝えます。

応募フォームの最適化として、入力項目は必要最低限に絞り、スマートフォンでも入力しやすい設計にします。応募方法の選択肢を複数用意します。

離脱を防ぐ工夫として、不安を解消するコンテンツ、スタッフの声、見学・カジュアル面談の案内など、求職者の背中を押す工夫を施します。

応募後のフォロー体制として、迅速なレスポンス、自動返信メール、面接日程の柔軟な調整など、応募後の対応も採用動線の一部として設計します。

継続的な改善として、データを収集し、離脱ポイントを特定し、改善を繰り返します。

採用動線を整備することで、求人媒体への投資効果を最大化し、「この医院で働きたい」と思う求職者からの応募を増やすことができます。


株式会社リバティーフェローシップ/東京歯科経営ラボでは、歯科医院の採用力強化をホームページ制作の観点からサポートしています。「採用動線を見直したい」「応募が増える採用ページを作りたい」といったご相談も、お気軽にお寄せください。

 

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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