歯科医院のプロフィール写真で第一印象が決まる!院長写真撮影の極意
目次
1. はじめに:なぜ院長写真がそこまで重要なのか
2. 患者が院長写真から読み取る3つの情報
3. 残念な院長写真の5つのパターン
4. 「選ばれる」院長写真の条件
5. 撮影前の準備:服装・身だしなみのポイント
6. 撮影当日:表情・ポーズ・背景の作り方
7. プロに頼むべきか、自分で撮るべきか
8. 院長以外のスタッフ写真の撮り方
9. まとめ:写真1枚で新患が変わる
1. はじめに:なぜ院長写真がそこまで重要なのか

「院長先生のお写真、そろそろ新しくしませんか?」
ホームページ制作の打ち合わせで、私たちはよくこの提案をします。すると、多くの院長先生は「え、写真ってそんなに大事?」という反応をされます。診療内容や設備の説明には力を入れるのに、自分自身の写真には無頓着な先生が意外と多いのです。
しかし断言します。院長写真は、ホームページの中で最も見られているコンテンツの一つです。
患者にとって、歯科治療は「自分の体を預ける」行為です。どんな人が治療してくれるのか、信頼できそうな先生なのか。患者はホームページの院長写真から、それを必死に読み取ろうとしています。
写真1枚で「この先生なら安心」と思われるか、「なんか不安」と離脱されるか。その差は、新患獲得に直結します。本記事では、患者に選ばれる院長写真の撮り方を徹底解説します。
2.患者が院長写真から読み取る3つの情報
患者が院長写真を見るとき、無意識のうちに3つの情報を読み取っています。
情報①:人柄・雰囲気
最も大きいのが、「この先生、優しそう」「話しやすそう」「誠実そう」といった人柄の印象です。笑顔か無表情か、目線がどこを向いているか、姿勢はどうか。こうした要素から、患者は先生の人柄を瞬時に判断します。
歯科治療に不安を抱えている患者は特に、「怖くない先生かどうか」を写真から見極めようとします。人柄が伝わる写真は、来院のハードルを大きく下げる効果があります。
情報②:清潔感・信頼性
医療従事者にとって清潔感は必須条件です。白衣にシワがないか、髪型は整っているか、背景は清潔感があるか。こうした要素から、患者は「この医院は衛生管理がしっかりしていそうか」を推測します。
清潔感のない写真は、医院全体の印象を下げてしまいます。逆に、清潔感のある写真は「治療も丁寧にやってくれそう」という期待につながります。
情報③:プロフェッショナルとしての自信
患者は、自信を持って治療にあたってくれる先生に診てもらいたいと思っています。堂々とした姿勢、落ち着いた表情、プロフェッショナルとしての風格。これらが伝わる写真は、「この先生なら任せられる」という安心感を生みます。
自信なさげに見える写真、暗い印象の写真は、腕が良くても損をしてしまいます。
3.残念な院長写真の5つのパターン
歯科医院のホームページを数多く見てきた中で、「もったいないな」と感じる院長写真のパターンがあります。自院の写真が当てはまっていないか、チェックしてみてください。

パターン①:証明写真のような無表情
最も多いのがこのパターンです。パスポートや免許証の写真のように、真顔で正面を向いた写真。清潔感はあっても、人柄がまったく伝わりません。「怖そう」「話しかけにくそう」という印象を与えてしまうこともあります。
ホームページは証明書ではありません。患者に選んでもらうためのツールです。証明写真のノリで撮影するのは避けましょう。
パターン②:画質が粗い・暗い
スマートフォンで撮影した写真をそのまま使用しているケースです。画質が粗かったり、室内の照明だけで撮影して暗くなっていたりすると、医院全体が古臭い印象になります。
また、写真が小さすぎて顔がよく見えない、というケースもあります。せっかくの院長紹介ページなのに、顔が判別できないのでは意味がありません。
パターン③:背景がごちゃごちゃしている
背景に診療器具が雑然と映り込んでいたり、スタッフが中途半端に写っていたり。背景に気を配らずに撮影すると、写真全体がごちゃごちゃした印象になります。
主役は院長先生です。背景はシンプルに、院長が引き立つ構図を意識しましょう。
パターン④:何年も前の写真を使い続けている
開業時に撮影した写真を10年以上使い続けているケースがあります。実際に来院した患者が「写真と全然違う」と感じると、不信感につながります。
人は年齢とともに変化します。5年に一度は写真を更新することをおすすめします。「若く見せたい」という気持ちはわかりますが、実物との乖離が大きいとマイナス効果です。
パターン⑤:腕組みポーズで威圧的
プロフィール写真の定番として腕組みポーズがありますが、歯科医院では注意が必要です。腕組みは「自信」を表現できる一方で、「威圧的」「偉そう」という印象を与えるリスクもあります。
特に、真顔で腕を組んでいる写真は、患者に「怖そう」と思われがちです。腕組みポーズを使う場合は、必ず柔らかい笑顔とセットにしましょう。
|
残念パターン |
患者の印象 |
改善ポイント |
|
証明写真のような無表情 |
怖そう、話しかけにくい |
自然な笑顔で撮影 |
|
画質が粗い・暗い |
古い、信頼できない |
プロに依頼or高画質で撮影 |
|
背景がごちゃごちゃ |
雑然としている |
シンプルな背景を選ぶ |
|
古い写真のまま |
実物と違う、不誠実 |
5年ごとに更新 |
|
腕組みで威圧的 |
偉そう、厳しそう |
笑顔とセット or 別ポーズ |
4.「選ばれる」院長写真の条件
では、患者に選ばれる院長写真とはどのようなものでしょうか。押さえるべき条件を整理します。

条件①:自然な笑顔がある
最も重要なのが笑顔です。歯を見せて笑う必要はありませんが、口角が上がり、目元が和らいでいる表情が理想です。患者が写真を見たときに「優しそう」「話しやすそう」と感じる笑顔を目指しましょう。
作り笑いは見抜かれます。撮影時にリラックスして、自然な笑顔が出る工夫が必要です。後ほど、撮影当日のコツもお伝えします。
条件②:目線がカメラを向いている
患者に語りかけるような写真を撮るためには、目線がカメラ(=見ている人)を向いていることが大切です。視線が逸れていると、「こちらを見ていない」印象になり、親近感が薄れます。
斜め向きの構図で撮影する場合でも、顔はカメラ方向を向け、目線を合わせるのが基本です。
条件③:清潔感のある身だしなみ
白衣またはスクラブはシワのないものを。髪型は整え、男性は髭を剃るか整えておきましょう。女性の場合、派手すぎないナチュラルメイクが好印象です。
アクセサリーは最小限に。腕時計程度は問題ありませんが、派手な指輪やネックレスは避けた方が無難です。
条件④:明るく清潔な背景
背景は写真の印象を大きく左右します。おすすめは、院内の明るい壁面、観葉植物のあるスペース、または受付カウンター前などです。
背景に余計なものが映り込まないよう、撮影前に整理整頓を。白い壁の前で撮影する場合は、照明を工夫して顔が暗くならないように注意しましょう。
条件⑤:高画質で適切なサイズ
ホームページに掲載する写真は、最低でも横幅1000px以上の解像度が欲しいところです。スマートフォンで撮影する場合も、最高画質の設定で撮影しましょう。
サイズが小さすぎると、顔の表情が伝わりません。プロフィールページでは、顔がしっかり見えるサイズで掲載することが大切です。
5.撮影前の準備:服装・身だしなみのポイント
撮影当日に慌てないよう、事前の準備をしっかり行いましょう。
服装の選び方
歯科医院の院長写真では、白衣またはスクラブが定番です。どちらを選ぶかは、医院のブランドイメージによって決めましょう。
白衣は、「ドクター」「専門家」としての信頼感を強調できます。フォーマルで権威性のある印象を与えたい場合におすすめです。ただし、シワや汚れが目立ちやすいので、撮影用にクリーニングに出した新しいものを用意しましょう。
スクラブは、「親しみやすさ」「カジュアルさ」を演出できます。小児歯科や若い患者層が多い医院では、スクラブの方が雰囲気に合う場合があります。色は医院のテーマカラーに合わせると、ブランドイメージの統一感が出ます。
白衣・スクラブの下に着るインナーも重要です。襟元から見える部分は清潔感のある白や淡い色を選びましょう。派手な柄物は避けてください。
身だしなみチェックリスト
撮影前に以下の項目をチェックしましょう。

髪型については、美容室・理容室は撮影の3〜7日前に行くのがベストです。当日だと切りたての不自然さが出ることがあります。撮影直前にも鏡で乱れをチェックしましょう。
男性の場合、髭は当日の朝に剃るか、整えておきます。剃り残しがないか確認してください。眉毛も整っていると印象が良くなります。
女性の場合、メイクは普段より少し濃いめでちょうど良いです。写真では薄く映るため、ノーメイクに近いナチュラルメイクだと顔色が悪く見えることがあります。リップは血色の良い色を選びましょう。
歯は歯科医師として当然ですが、撮影前にクリーニングを受けておくと安心です。笑顔の写真では歯が見えることもあります。
爪も意外と見られるポイントです。清潔に短く整えておきましょう。
6.撮影当日:表情・ポーズ・背景の作り方
準備が整ったら、いよいよ撮影です。当日のポイントを解説します。
自然な笑顔を引き出すコツ
「笑ってください」と言われて自然に笑える人は少数派です。多くの人は、笑おうとすると表情が硬くなります。
自然な笑顔を引き出すには、いくつかの方法があります。まず、撮影前に雑談をしてリラックスすることです。緊張したままカメラの前に立っても、良い表情は出ません。
撮影中は、「好きな食べ物」「最近あった面白いこと」「お子さんやペットのこと」など、楽しいことを考えると自然な笑顔が出やすくなります。カメラマンに雑談を振ってもらうのも効果的です。
息を吐きながら「ウイスキー」と言う方法もあります。口角が自然に上がり、笑顔の形になります。
何枚も撮影することも大切です。最初の数枚は硬い表情になりがちですが、撮影を続けるうちに慣れてきます。100枚撮って1枚良い写真があればOK、というくらいの気持ちで臨みましょう。
ポーズのバリエーション
院長写真のポーズには、いくつかの定番があります。
正面向きポーズは、最もスタンダードです。カメラに向かって正面を向き、軽く笑顔を作ります。誠実さ、真面目さが伝わるポーズです。
斜め向きポーズは、体を斜め45度に向け、顔だけカメラに向けるポーズです。正面向きより動きが出て、柔らかい印象になります。
腕組みポーズは、自信や専門性をアピールしたい場合に有効です。ただし前述の通り、笑顔とセットにしないと威圧的になります。腕を軽く組む程度にし、がっちり組みすぎないのがコツです。
手を前で組むポーズは、両手を体の前で軽く組むポーズです。穏やかさ、丁寧さを演出できます。特に女性の院長や、優しい雰囲気を出したい場合におすすめです。
診療中のポーズも検討してみてください。診療チェアの横に立つ、器具を持つ、モニターを見るなど、実際の診療シーンを切り取った写真は臨場感があります。ただし、演技感が出やすいので、自然に見えるよう注意が必要です。
背景と照明
背景はシンプルなものを選びましょう。院内の白い壁、観葉植物のあるコーナー、受付前などが定番です。診療室で撮影する場合は、背景に映り込む器具類を整理しておきます。
照明は、自然光が最も美しく撮れます。窓際で、顔に自然光が当たる位置がベストです。ただし、直射日光は影が強くなりすぎるので、レースのカーテン越しなど柔らかい光がおすすめです。
室内灯だけで撮影すると、顔が暗くなったり、色味が悪くなったりします。プロのカメラマンに依頼する場合は、ストロボや照明機材を使って適切な明るさを作ってもらえます。
7.プロに頼むべきか、自分で撮るべきか

院長写真は、プロのカメラマンに依頼すべきでしょうか、それともスタッフに撮ってもらえばよいでしょうか。結論から言えば、可能であればプロに依頼することをおすすめします。
プロに依頼するメリット
プロのカメラマンに依頼すると、照明、構図、表情の引き出し方など、すべてにおいてクオリティが違います。自分たちでは気づかないアドバイスももらえます。
撮影に慣れていない先生でも、プロは自然な表情を引き出す技術を持っています。「笑ってください」ではなく、会話の中で自然な笑顔の瞬間を捉えてくれます。
また、大量の写真を撮影し、その中からベストな数枚を選んでくれます。レタッチ(写真の補正)も含まれていることが多く、仕上がりが格段に良くなります。
費用の目安
プロのカメラマンに依頼する場合、出張撮影で2〜5万円程度が相場です。医院のホームページ制作と併せて依頼すれば、セットで対応してもらえる制作会社もあります。
費用はかかりますが、ホームページは何年も使うものです。写真のクオリティが新患獲得に直結することを考えれば、十分に投資価値のある費用です。
自分たちで撮影する場合のコツ
予算の都合でプロに依頼できない場合は、以下のポイントを押さえて撮影しましょう。
カメラはスマートフォンでも構いませんが、できればミラーレス一眼や一眼レフを使うと、背景がぼけて被写体が引き立つ写真が撮れます。
撮影は必ず2人以上で行いましょう。自撮りやセルフタイマーでは、良い表情を撮るのが困難です。撮影する人は、カメラを構えながら話しかけ、自然な表情を引き出す工夫をしてください。
三脚を使うと、ブレのない安定した写真が撮れます。照明は自然光を活用し、窓際で撮影するのがおすすめです。
100枚以上撮影して、その中からベストを選びましょう。撮影データはすべて残しておき、複数人の目で選定すると客観的に判断できます。
8.院長以外のスタッフ写真の撮り方
院長写真と同様に、スタッフの写真も重要なコンテンツです。患者は「どんな人たちが働いているのか」に関心を持っています。
スタッフ写真の重要性
スタッフ紹介ページがある医院とない医院では、患者の安心感が異なります。顔の見えるスタッフがいることで、「この医院は人を大切にしていそう」「雰囲気が良さそう」という印象を与えられます。
また、採用面でもスタッフ写真は効果的です。「こんな先輩たちと働きたい」と思わせる写真は、求職者へのアピールになります。
撮影時のポイント
スタッフ写真は、統一感を持たせることが大切です。全員が同じ背景、同じ構図、同じサイズで撮影されていると、ホームページにまとまりが出ます。
服装は、医院で定めているユニフォームやスクラブで統一しましょう。個人によってバラバラだと、雑然とした印象になります。
表情は院長同様、笑顔を基本にしましょう。緊張しやすいスタッフには、撮影前に雑談でリラックスしてもらい、何枚も撮影して良い表情を選びます。
顔出しNGのスタッフへの対応
スタッフの中には、プライバシーの観点から顔出しを希望しない方もいます。その場合は、以下の対応方法があります。
後ろ姿や横顔のみの写真を使用する方法があります。完全な顔出しではありませんが、人がいる雰囲気は伝わります。
イラストやアイコンで代用する方法もあります。似顔絵イラストを作成し、写真の代わりに使用します。温かみのあるイラストなら、むしろ親しみやすい印象になることもあります。
集合写真のみ参加してもらう方法もあります。個人写真は掲載せず、全体集合写真にのみ参加してもらうという選択肢です。
無理に顔出しを強要せず、スタッフの意向を尊重することが大切です。
9.まとめ:写真1枚で新患が変わる
院長写真は、ホームページの中で最も見られるコンテンツの一つです。患者は写真から「人柄」「清潔感」「プロとしての自信」を読み取り、来院するかどうかを判断しています。
「選ばれる」院長写真の条件は、自然な笑顔、カメラ目線、清潔感のある身だしなみ、明るい背景、高画質であることです。逆に、無表情、低画質、古い写真、威圧的なポーズは患者を遠ざけます。
撮影は可能な限りプロに依頼することをおすすめします。費用対効果を考えれば、決して高い投資ではありません。自分たちで撮影する場合も、自然光の活用、大量撮影、複数人でのベスト選定など、工夫次第でクオリティを上げられます。
スタッフ写真も同様に重要です。統一感のある写真を揃え、医院全体の雰囲気を伝えましょう。
写真1枚で、医院の印象は大きく変わります。「なんとなく」で撮影した写真をそのまま使っていませんか。今一度、患者目線でご自身の写真を見直してみてください。
東京歯科経営ラボでは、ホームページ制作と併せてプロカメラマンによる撮影もご提案しています。「写真を撮り直したいけど、どうすればいいかわからない」という先生は、お気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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