歯科医院の「アクセスページ」改善だけで来院数が1.5倍になった事例

目次
1. なぜアクセスページが来院数を左右するのか
2. 多くの歯科医院のアクセスページに共通する3つの問題
3. 来院数1.5倍を実現したアクセスページ改善の5つのポイント
4. スマートフォンでの表示最適化が成功の鍵
5. Googleマップ連携で迷わせない工夫
6. まとめ

 

1.なぜアクセスページが来院数を左右するのか

ホームページのデザインやコンテンツに力を入れても、アクセスページが不十分だと、せっかくの患者様を取りこぼしてしまいます。実際、あるページだけを改善しただけで来院数が1.5倍になった事例があります。

患者様がホームページで最もよく見るページの一つがアクセスページです。ある調査によれば、歯科医院のホームページ訪問者の約65%がアクセスページを閲覧しています。つまり、アクセスページは事実上の「最終関門」なのです。

ここで患者様が求めているのは、「迷わずたどり着けるか」という確信です。地図が分かりにくい、駐車場の場所が不明、最寄り駅からの道順が分からないといった不安があると、「他の医院にしよう」と離脱してしまいます。

特に初診の患者様にとって、知らない場所への来院は大きなハードルです。アクセスページで「ここなら迷わず行けそう」という安心感を与えられれば、来院率は劇的に向上します。逆に、情報不足で不安を感じさせれば、他院に流れてしまいます。

東京都内のB歯科クリニックでは、アクセスページのみを全面的に改善した結果、3ヶ月後の新規患者数が月平均20人から30人へと1.5倍に増加しました。他のページは一切変更していないため、アクセスページ改善の効果が明確に現れた事例です。

 

2.多くの歯科医院のアクセスページに共通する3つの問題

アクセスページの改善前に、よくある問題点を理解しましょう。これらは多くの歯科医院に共通する課題です。

問題1:地図が小さく見づらい

最も多い問題は、地図が小さすぎて詳細が見えないことです。パソコンでは問題なくても、スマートフォンでは文字や目印が読めないサイズになっているケースが頻繁にあります。

また、Googleマップの埋め込みだけで、周辺の目印(コンビニ、駅、大きなビルなど)が示されていないため、「どこを目指せばいいか分からない」という状態になります。

問題2:駐車場・駐輪場の情報が不足

車で来院する患者様にとって、駐車場の有無と場所は重要な情報です。しかし、「駐車場あり」とだけ書かれていて、場所、台数、料金、利用方法が不明なケースが多く見られます。

「駐車場があるなら行きたいけど、どこにあるか分からないから不安」という理由で来院を諦める患者様は少なくありません。

問題3:最寄り駅からの道順が不明確

電車で来院する患者様向けに、最寄り駅からの徒歩ルートを示すことが重要ですが、「○○駅から徒歩5分」とだけ書かれているケースが大半です。

どの出口から出るのか、どの方向に歩くのか、途中に何が見えるのかといった具体的な情報がないと、特に初めての土地では不安を感じます。

 

3.来院数1.5倍を実現したアクセスページ改善の5つのポイント

B歯科クリニックが実施したアクセスページ改善の具体的な内容をご紹介します。これらのポイントは他の医院でも再現可能です。

ポイント1:大きく見やすい地図の配置

トップに、スマートフォンでも見やすい大きさのGoogleマップを配置しました。地図は画面幅いっぱいに表示され、タップで拡大できるようにしました。

さらに、Googleマップだけでなく、周辺の目印を記載したオリジナル地図も併載しました。「○○駅北口から徒歩5分、△△コンビニの隣のビル2階」というように、視覚的に分かりやすい図解を作成しました。

ポイント2:写真付きの道順ガイド

最寄り駅からの道順を、実際の写真付きで6ステップに分けて説明しました。

  1. ○○駅北口を出る(改札の写真)
  2. 正面の大通りを右に進む(通りの写真)
  3. 2つ目の信号を左折(交差点の写真)
  4. 100m先の△△コンビニが見える(コンビニの写真)
  5. コンビニの隣のビルに入る(ビルの外観写真)
  6. エレベーターで2階へ(入口の写真)

この写真ガイドにより、初めての方でも迷わず到着できるようになりました。

ポイント3:駐車場の詳細情報と写真

駐車場については、以下の情報を明記しました。

  • 場所:医院ビルの裏手(地図上にマーカー表示)
  • 台数:3台
  • 料金:無料(診療時間中)
  • 入口の写真と駐車スペースの写真

さらに、「満車の場合は近隣のコインパーキング(地図上に3ヶ所表示)をご利用ください」という配慮も加えました。

ポイント4:公共交通機関の詳細

電車・バスでの来院方法を詳しく記載しました。

  • 最寄り駅:○○駅(徒歩5分)、△△駅(徒歩8分)
  • 最寄りバス停:□□バス停(徒歩2分)、利用路線と時刻表へのリンク

複数の駅から来院可能な場合、すべての駅からのルートを示すことで、患者様の利便性が高まります。

ポイント5:ワンタップ機能の実装

スマートフォンからのアクセスでは、以下のワンタップ機能を実装しました。

  • 「Googleマップで開く」ボタン→タップでGoogleマップアプリ起動、ナビ開始
  • 「電話をかける」ボタン→タップで即座に発信
  • 「ルート検索」ボタン→現在地からのルート自動表示

これにより、患者様は迷うことなく、スムーズに来院行動に移れるようになりました。

 

4.スマートフォンでの表示最適化が成功の鍵

アクセスページ改善で最も重要なのは、スマートフォンでの表示最適化です。現在、歯科医院を探す患者様の約80%がスマートフォンを使用しています。

モバイルファーストの設計

B歯科クリニックでは、スマートフォン画面を優先した設計に変更しました。地図は画面幅100%で表示し、文字サイズは最低16px以上に設定しました。

また、縦スクロールで情報を順番に確認できるレイアウトにし、横スクロールが発生しないよう配慮しました。患者様は迷うことなく、上から下へスクロールするだけで必要な情報を得られます。

電話ボタンの固定表示

スマートフォン版では、画面下部に電話ボタンを固定表示しました。アクセスページを見ている患者様は、すぐに予約したいと考えていることが多いため、いつでもタップできる位置にボタンを配置することで、問い合わせ率が向上しました。

ページ読み込み速度の改善

スマートフォンでは通信速度が不安定なこともあるため、画像を圧縮し、ページの読み込み速度を2秒以内に抑えました。地図が表示されるまでに時間がかかると、患者様は離脱してしまうため、速度最適化は必須です。

 

5.Googleマップ連携で迷わせない工夫

Googleマップとの連携を強化することで、患者様の利便性が格段に向上します。

Googleビジネスプロフィールの最適化

Googleマップ上に正確に医院が表示されるよう、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を最適化しました。医院名、住所、電話番号、営業時間、写真を充実させ、カテゴリを「歯科医院」に正しく設定しました。

これにより、Googleマップで「近くの歯科医院」と検索した際に、上位表示されやすくなり、新規患者の発見機会が増えました。

ストリートビューの活用

アクセスページ内に、医院の入口を映したGoogleストリートビューを埋め込みました。患者様は事前にビルの外観を確認でき、「この建物だ」とすぐに分かるため、迷う可能性が大幅に減少しました。

リアルタイムナビゲーション機能

「ここへ行く」ボタンをタップすると、Googleマップが起動し、現在地から医院までのルートが自動表示される仕組みを実装しました。患者様は何も入力せずに、すぐにナビゲーションを開始できます。

特に初診の患者様にとって、リアルタイムナビは「絶対に迷わない」という安心感を与え、来院のハードルを大きく下げます。

 

まとめ

アクセスページの改善だけで来院数が1.5倍になったB歯科クリニックの事例は、アクセス情報の充実が患者様の行動に直接影響することを示しています。

改善のポイントは、大きく見やすい地図、写真付きの道順ガイド、駐車場の詳細情報、公共交通機関の案内、そしてワンタップ機能の実装です。特にスマートフォンでの表示最適化とGoogleマップ連携が、迷わせないための鍵となります。

多くの歯科医院が、診療内容や設備のアピールに力を入れる一方で、アクセス情報は軽視しがちです。しかし、患者様にとって「行きやすいか」は来院を決める重要な判断材料です。どんなに良い治療を提供していても、たどり着けなければ意味がありません。

アクセスページの改善は、大規模なリニューアルと比較して低コストで実施でき、効果も即座に現れます。現在のアクセスページを見直し、患者様の視点で「これで迷わず来られるか」を確認してください。地図の拡大、写真の追加、ワンタップ機能の実装など、できることから始めれば、3ヶ月後には来院数の変化を実感できるはずです。

患者様を迷わせないアクセスページが、選ばれ続ける医院への第一歩です。今日から改善に取り組み、来院数の向上を実現してください。

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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