警告!医院経営は年々厳しくなっています~早い者勝ちの成功する戦略とは?!~
こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。
昨今、都市部では多くの歯科医院がしのぎを削り、レセプト月間平均は200~250枚と経営的に厳しい戦いを強いられています。
隣のビルに新しい歯科医院が建ち新患が伸び悩んでいるという話は他人事ではありません。
そんな歯科医院経営の厳しい現状に、打開策はあるのでしょうか。
歯科医院を取り巻く実情
令和3年1月に厚生労働省のおこなった最新の調査では、歯科医院の数は68,024施設。
コロナウイルスなどの原因により減少傾向ではあるものの、依然として7万件近くもの歯科医院が全国に存在しています。
「たくさんある」ことでよく比較されるコンビニエンスストアはというと、2022年3月の調査で56,320件。(経済産業省 大臣官房 調査統計グループ―商業動態統計月報より)
この件数が多いか少ないかは、外に出て歩いてみていただければお分かりになるのではないでしょうか。
それよりも歯科医院の件数は多いのです。競争の激しい業界であることは一目瞭然です。
ただ、件数が多いという現状はひと昔前から変わりませんから、そんなことは知っていると思っておられる先生も多いかもしれません。
ですが、ここで読み終える前にもう少しこのコラムにお付き合いください。
これからの歯科医療
厚生労働省はさらに、近年の歯科医療を取り巻く状況について次のような見解を示しています。
近年の歯科保健医療を取り巻く状況の変化
・高齢化の進展等の人口構造の変化
・う蝕の減少等の疾病構造の変化
・ITの普及等による患者意識の変化
・歯科治療技術の向上う蝕が減少する一方で、高齢化の進展や疾病構造の変化等に伴い、患者の病態像に応じた歯科医療ニーズが高まってきた。
高齢化社会によって高齢者の受診が増加している一方で、小児の虫歯有病率は年々減少しています。
実際に現場で治療を行っておられる先生達にとっては、周知の事実かもしれませんが、このような変化は、国をあげて取り組みを行う必要が出てくるほど深刻になっています。
また、先日から話題となっている「国民皆歯科検診」についても今後の動向が気になっておられる先生も多いかと思います。
『口腔内の健康が全身の健康に影響を及ぼす』という事実を多くの患者さんが知り、口腔ケアの重要性を改めて認識してもらえたという点では今がチャンスと言えるかもしれません。
しかし、それは国を挙げたこの改革が進んだとしても、それによって経営が安定する医院と、そうでない医院との間で大きな格差を生むことにもなり得ません。
チャンスをつかんで成功できる医院と、できない医院との二極化はさらに進むことになります。
医院が生き残るための戦略
今後ますます虫歯になる人は減り、痛くなったから歯科医院に行くという時代は終わりを迎えるかもしれません。
ではこれからの時代、どうすれば生き残れるのでしょうか。
戦略その1:予防歯科診療
まずは一番大切な取り組みがあります。
それは、メインテンスに力を入れること。
歯周病は、近年若干の減少があるものの成人の約7割が罹患しています。また、一度罹患し、進行した歯周病を持つ人の割合は改善していません。
歯周病が全身の健康に害を及ぼすということが「国民皆歯科検診」の影響でニュース番組などでも大々的に取り上げられています。
否定的な意見を耳にすることがあるかもしれませんが、これは患者さんの命にも関わる重要な治療であるという事実を皆さんはご存じなのではないでしょうか。
先生方の間でも、色々な意見や思いがあるとは思いますが、患者さんの健康のためにもこの話題を存分に利用するべきです。
完璧な「予防歯科」を目指す必要はありません。
ただ、なぜメインテナンスが必要なのかを患者さんにしっかりと説明し、次の二つを徹底するだけです。
- 歯周病の恐れのある患者さんすべてに検査を実施する。
- 定期的な来院を促す。
大それたカウンセリングは必要ありません。
なぜ歯周病検査が必要なのか、そして検査の結果がどうだったのか。なぜメインテナンスが必要なのか、資料を渡して少し補足する程度でも十分です。
そして一番大切なのは、メインテナンスの来院日を治療最終回に決めておくことです。
3カ月も先の予定は分からないという方も多いかもしれませんが、予約は変更可能であることを伝えたうえでまずは約束をする。そして近くなったら連絡をする旨を了承してもらう。それだけでも十分に効果があります。
その2:訪問歯科診療
高齢化社会に伴い、高齢者の受診は増えていますが、実際医院へ来院できる人の数はそれほど多くはありません。
歯科医院へ治療のために足を運べる人はわずかで、治療を受けたくても歩いていくことが困難な「自立度が低下」してしまった患者さんはたくさんいらっしゃいます。
そしてそれは今後益々増加することになります。
ですから、高齢者の多い地域にある歯科医院では「訪問診療」にも力を入れるべきです。
器材の準備や移動車の準備、その他もろもろの手続きが面倒で・・・。という先生も多いかもしれませんが、訪問診療をサポートする業者も年々増えてきていますから、上手に活用してぜひ取り組んでみてください。
中には高額な費用を請求されてしまうケースもありますので、何か「おや?」と思うことがあればいつでも弊社の無料相談窓口へご連絡ください。
その3:矯正治療
最後は矯正治療です。日本は歯科医療先進国に比べるとまだまだ歯並びについての関心は薄く、治療を行っている人も多くありません。
そして、矯正歯科を標榜し、専門的に扱っている医院もまだまだ少ないのが現状です。
ですが、SNSなどの影響で若者や小児を中心に「矯正治療」への興味を持つ人は増えてきています。
矯正治療を扱っているのであれば、最新の治療について勉強し、ホームページやSNS、院内掲示などを活用してそれをどんどんアプローチしてください。
まとめ
歯科医院を取り巻く状況は日々変わっています。
患者さんの虫歯や歯周病の罹患状況も、健康への意識も、時代と共に変化してきました。
しかし、それだけではありません。
若い世代の歯科医師がどんどんと開業し、SNS やホームページなどの最新のインターネットマーケティングを駆使して新しいことにチャレンジしています。
今まで通りでは、生き残ることが難しくなってきました。
新たな取り組みを行うのは時間的にも精神的にも疲弊してしまうことがあるかもしれません。ですが、立ち止まるわけにはいきません。今何ができるだろうか?と考えてみるだけでも大きな一歩となります。
深刻な危機に陥る前に、ぜひこれからの時代を生き抜くための戦略を立てましょう!
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