医院継承の現金負担ゼロに?!

こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。

今回は、歯科医院にも適用できる「事業承継(医院継承)」の情報についてお伝えします。そろそろ医院継承について検討しなければ・・・とお考えの先生はぜひ最後までお読みください。

近年、中小企業経営者の高齢化が深刻な問題となっています。平成28年の統計データでは、70歳を超える経営者が年々増加しており、多くの経営者が事業承継の準備ができていないということでした。

では、歯科医院ではどうでしょうか?平成30年の厚生労働者の調べによると、29歳以下の歯科医師の割合が5.7%のところ、60代以上は31%と、歯科医院でも例外なく高齢化が進んでいることが分かります。

出展:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html)

そこで、このような深刻な問題を少しでも解決するために、令和元年に「個人版事業承継税」が創設されました。

歯科医院を含む個人事業者の事業承継を促すために、後継者が事業用資産を先代から承継した際に課せられる贈与税・相続税の負担が大きく軽減されることになります。この制度を利用すると、後継者の承継時の現金負担がゼロになります。

個人版事業承継税制の内容

① 後継者の承継時の現金負担がゼロに

納税額の全額(100%)が納税猶予されます。

②多様な事業用資産が対象

事業を行うために必要な、多様な事業用資産が対象となります。

土地・建物(土地は400㎡、建物は800㎡まで)

機械・器具備品

車両・運搬具

生物(乳牛等、果樹等)

無形償却資産(特許権等)

など

③相続税だけでなく、贈与税も対象

生前贈与による、早め早めの事業承継の準備が推奨されています。

④10年間の時限措置

2019年1月1日~2028年12月31日の間に行われる相続・贈与が対象となります。

<注意事項>
1.制度を活用するためには、「①経営承継円滑化法に基づく認定」と、「②平成31年から5年以内にあらかじめ承継計画を提出」の要件を満たす必要があります。

2.既存の事業用小規模宅地特例と選択制です。

出展:中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/)

詳しくは、以下のリンクより「個人版事業承継税制のポイント」をご確認ください。

中小企業庁「個人版事業承継税制のポイント」

経営承継円滑化法とは?

 制度を活用するために必要な「経営承継円滑化法」は、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」で、平成20年5月に成立しました。

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

この法律は、以下のような事業承継に伴う税負担の軽減や、民法上の遺留分への対応をはじめとした事業承継円滑化のための支援策となります。

事業承継税制

都道府県知事の認定を受けた個人事業主(または法人)の事業用資産の贈与または相続に関わる贈与税・相続税の納税が猶予または免除される特例措置となります。

遺留分に関する民法の特例

後継者が遺留分権利者全員と合意をしたうえで、所要の手続きを経ることで、事業用資産や、生前贈与した株式などの価額が遺留分を算定するための財産の価額から除外されるため、相続後の遺留分侵害額請求を未然に防止します。

金融支援

事業承継の際に必要となる資金について、都道府県知事の認定を受けることを前提に、次のような融資と信用保証の特例措置が受けられます。

  • 中小企業者およびその代表者、事業を営んでいない個人を対象とした、株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例(融資)
  • 中小企業者の代表者、事業を営んでいない個人を対象とした中小企業信用保険法の特例(信用保証)

出展:中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/)

詳しくは、「経営承継円滑化法申請マニュアル」をご覧ください。

中小企業庁「経営承継円滑化法申請マニュアル」

まとめ

今回は、個人事業主が事業承継する際の制度の一部をご紹介しましたが、医療法人化されている歯科医院でも適用が可能な制度もあります。

ただ、手続きや適用要件などいろいろと複雑なことも多く、忙しい診療の合間に考えているとついつい後回しに・・・という先生も多いのではないでしょうか。

そこで弊社では、お忙しい先生の負担を少しでも軽くできるよう、専門のコンサルタントが医院継承のサポートをさせていただいております。そろそろ本気で考えなければ・・・とお考えの先生はいつでもお気兼ねなくご相談ください。

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