歯科医院のホームページで新患が月30人増えた事例と改善ポイント
「ホームページをリニューアルしたのに新患が増えない」「毎月更新しているのにアクセスが伸びない」。こうした悩みを抱えている歯科医院の院長は少なくありません。一方で、ホームページの改善をきっかけに新患が大幅に増え、医院経営が大きく好転したケースも実際に存在します。
この記事では、ホームページの改善によって新患が月30人増えた歯科医院の事例をもとに、どのような問題があり、何を改善したことで結果につながったのかを具体的に解説します。これからHP制作やリニューアルを検討している院長・事務長の方にとって、改善の方向性を考えるための参考にしてください。
事例の概要:リニューアル前の状況
今回取り上げる医院は、開業から8年が経過した都市郊外の一般歯科医院です。診療内容は一般歯科を中心に、インプラントと矯正治療にも力を入れていました。スタッフは院長を含めて8名、チェアは6台という規模感です。
リニューアル前のホームページは開業当初に制作したもので、8年間ほぼ更新されていませんでした。デザインはスマホ非対応で、スマートフォンから閲覧すると文字が極端に小さく、ボタンも押しにくい状態でした。SSL化もされておらず、Googleから「保護されていない通信」と表示される状態が続いていました。
月間の新患数はおよそ25人。開業当初は口コミと立地で患者が集まっていましたが、近隣に新しい歯科医院が2院開業してから新患数が徐々に減少し、院長は危機感を感じていました。「ホームページをどうにかしなければ」と思いつつも、何をどう改善すればいいかわからず、数年が経過してしまったというのが実情でした。
リニューアル前のホームページが抱えていた5つの問題

この医院のホームページを詳しく分析した結果、集患を妨げていた問題が5つ明らかになりました。
問題① スマホ非対応による離脱
現在、歯科医院のホームページをスマートフォンで閲覧するユーザーは全体の80〜90%を占めます。スマホ非対応のHPは文字が小さく読みにくく、ボタンも押しにくいため、アクセスしてきた患者がすぐに離脱してしまいます。せっかく検索から流入しても、閲覧環境が悪ければ問合せや予約にはつながりません。この医院でも、アクセス解析を確認するとスマホからの直帰率が非常に高い状態でした。
問題② SSL化がされておらず信頼性が低下していた
SSL化とは、ホームページのURLが「http」ではなく「https」で始まる状態にすることで、通信を暗号化してセキュリティを確保する仕組みです。SSL化されていないHPはGoogleから「保護されていない通信」と表示され、患者に不安感を与えます。医療機関のHPとしての信頼性が著しく低下するだけでなく、Googleの検索順位にもマイナスの影響があります。
問題③ コンテンツが薄く、患者の不安を解消できていなかった
インプラントや矯正治療のページはあるものの、内容は数行程度の簡単な説明にとどまっていました。費用・治療期間・リスク・アフターケアなど、患者が知りたい情報がほとんど掲載されておらず、「詳しくはご相談ください」という一文で終わっていました。自費診療を検討している患者は、複数の医院のHPを比較した上で問合せ先を決めます。情報量が少ないHPは比較の段階で脱落してしまいます。
問題④ SEO対策がまったく行われていなかった
ページのタイトルタグやメタディスクリプションが適切に設定されておらず、どのキーワードで上位表示を狙うかという設計もありませんでした。「地域名+歯医者」で検索しても、このHPは検索結果の3ページ目以降にしか表示されていませんでした。ほとんどの患者は検索結果の1ページ目しか見ないため、事実上「存在していない」に近い状態でした。
問題⑤ 院長・スタッフの顔が見えなかった
HPに掲載されていた写真は、開業当初に撮影したスタッフ集合写真1枚のみでした。院長のプロフィールも経歴が数行あるだけで、診療への思いや患者への姿勢がまったく伝わらない内容でした。患者が歯科医院を選ぶ際、「この先生に診てもらいたい」という安心感は非常に重要な決め手になります。顔が見えないHPは、その安心感を患者に与えることができません。
実施した5つの改善策

上記の問題を踏まえ、以下の改善を実施しました。
改善① スマホ対応とSSL化を最優先で実施
リニューアルの最初のステップとして、スマホ対応(レスポンシブデザイン)とSSL化を実施しました。これによりスマホからの直帰率が大幅に改善され、アクセスしてきた患者がページを最後まで閲覧する割合が上がりました。SSL化によってGoogleの評価も改善され、検索順位が徐々に上昇し始めました。
改善② インプラント・矯正の専用ページを充実させた
インプラントと矯正治療について、それぞれ独立した専用ページを新たに制作しました。治療の流れ・費用・期間・リスク・症例写真・よくある質問など、患者が知りたい情報を網羅的に掲載しました。特に費用については「○○円〜」という表記ではなく、ケース別の費用目安を具体的に示すことで、「費用が不明でとりあえず問合せ」ではなく「内容を理解した上での問合せ」が増えました。結果として問合せ後のキャンセル率も低下しました。
改善③ キーワード設計に基づいたSEO対策を実施
「地域名+インプラント」「地域名+矯正」「地域名+歯医者 土曜日」など、患者が実際に検索するキーワードを調査し、各ページのタイトルタグ・見出し・本文に適切に反映しました。また、月2本のペースでブログ記事を追加し、検索からの流入キーワードを増やしていきました。リニューアルから3ヶ月後には主要キーワードで検索1ページ目への表示が増え始め、6ヶ月後には安定して上位表示されるようになりました。
改善④ プロカメラマンによる写真撮影を実施
院内・診療室・受付・スタッフ・院長の写真をプロカメラマンが撮影し直しました。明るく清潔感のある写真に刷新されたことで、HPの第一印象が大きく改善されました。患者アンケートでも「HPの写真を見て安心した」「スタッフが明るそうだと思った」という声が複数寄せられるようになりました。
改善⑤ 院長プロフィールと診療理念ページを新設
院長の経歴だけでなく、歯科医師を志したきっかけ・診療で大切にしていること・患者へのメッセージを丁寧に記載したプロフィールページを新設しました。「この先生に診てもらいたい」と感じてもらえるコンテンツを作ることで、問合せの質が上がりました。特に自費診療を検討している患者からの問合せ増加に効果が表れました。
改善後の結果
リニューアルから6ヶ月後の変化は以下の通りです。
|
指標 |
リニューアル前 |
リニューアル6ヶ月後 |
|
月間新患数 |
約25人 |
約55人 |
|
月間アクセス数 |
約300PV |
約1,800PV |
|
自費診療の問合せ数 |
月2〜3件 |
月10件以上 |
|
スマホからの直帰率 |
約75% |
約40% |
新患数は約30人増加し、特に自費診療の問合せが大幅に増えたことで、医業収入も大きく向上しました。院長からは「こんなに変わるとは思っていなかった」という声をいただきました。
この事例から学べる3つの教訓

この事例を通じて、歯科医院のHP改善において特に重要な教訓が3つあります。
まず、スマホ対応とSSL化は改善の前提条件であるということです。どれだけコンテンツを充実させても、スマホで見づらいHPでは患者は離脱します。土台を整えることが最初のステップです。
次に、自費診療のページに投資することが費用対効果を最大化するということです。インプラントや矯正は単価が高く、1件の成約で数十万円の売上になります。専用ページを充実させることへの投資は、非常に回収が早い改善です。
最後に、HPは公開後の継続的な運用が重要だということです。リニューアルしただけで満足せず、ブログの更新やキーワードの見直しを継続したことが、6ヶ月後の安定した上位表示につながりました。
まとめ
ホームページの改善で新患が月30人増えた事例を見てきました。スマホ対応・SSL化・コンテンツの充実・SEO対策・写真の刷新という5つの改善が組み合わさることで、大きな集患効果が生まれます。「今のHPで本当に新患が増えているか」を改めて見直すきっかけにしていただければ幸いです。現在のHPに不安を感じている院長は、まず無料相談フォームよりお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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