今のHP業者に不満がある歯科医院が乗り換え前に確認すべきこと

「ホームページを作ってもらったけど、新患が全然増えない」「修正をお願いしても対応が遅い」「毎月保守費用を払っているのに何もしてくれない」。こうしたHP業者への不満を抱えている歯科医院の院長は少なくありません。不満が積み重なると「別の業者に乗り換えたい」という気持ちになるのは自然なことです。

しかし乗り換えを焦って進めてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれるケースがあります。ドメインが移管できない、制作データを渡してもらえない、違約金が発生するといった問題が乗り換えの際に発生しやすいのです。乗り換えを成功させるためには、事前に確認すべき項目をしっかり把握した上で進めることが重要です。この記事では、HP業者の乗り換えを検討している歯科医院の院長が、乗り換え前に必ず確認すべきことを詳しく解説します。

 

乗り換えを検討すべき不満のパターン

まず、どのような不満が乗り換えを検討すべき状況なのかを整理します。以下のような状況が続いている場合は、乗り換えを真剣に検討すべきサインです。

公開から半年以上経過しても検索順位が上がらず新患が増えない状態が続いている場合は、業者のSEO対策が機能していないか、そもそもSEO設計なしで制作されたホームページである可能性があります。修正依頼をしても対応に1週間以上かかる、または追加費用を請求されるケースが続いている場合も乗り換えを検討すべき状況です。毎月保守費用を支払っているにもかかわらず、業者から何の報告も提案もなく、ただ費用だけが引き落とされているという状況も問題です。担当者が頻繁に変わって話が通じない、連絡しても返信が遅いといったコミュニケーション上の問題が続いている場合も、長期的なパートナーとして信頼できない業者と判断すべきです。

一方で、新患が増えないことをすべて業者のせいにするのは早計な場合もあります。ホームページ公開から3〜6ヶ月はSEOの効果が出るまでの助走期間であること、ブログ更新などの運用努力が足りていない場合は業者だけの問題ではないことも念頭に置いた上で判断してください。

 

確認事項① ドメインの所有権は誰にあるか

乗り換え前に最初に確認すべきことは、ドメインの所有権が誰にあるかです。ドメインとはホームページのアドレス(URL)のことで、これが業者名義になっている場合、乗り換えの際にドメインを移管できないトラブルが発生するケースがあります。

ドメインはSEOの評価に直結します。長年使用してきたドメインには検索エンジンからの評価が蓄積されており、これを失うと検索順位が一からのスタートになってしまいます。特に開業から数年以上経過している医院にとって、ドメインの喪失は集患に大きなダメージを与えます。

現在のドメインが業者名義になっている場合は、乗り換え前に必ずドメインの移管交渉を行ってください。業者がドメイン移管を拒否する場合は、法的に問題になるケースもあるため、慎重に対応する必要があります。なお新規に制作する場合は、必ずドメインを医院名義で取得するよう新しい業者に確認してください。

 

確認事項② 制作データ・素材の所有権はどちらにあるか

乗り換えの際に次に確認すべきことは、ホームページの制作データと素材の所有権です。デザインデータ・画像データ・テキストデータなどの制作物の著作権が業者にある場合、乗り換えの際にこれらのデータを持ち出せないケースがあります。

制作データを渡してもらえない場合、新しい業者が乗り換え後のホームページを制作する際に一から作り直す必要が生じ、費用と時間が余分にかかります。また院内で撮影したプロ写真などの素材も、業者が管理している場合はデータを返却してもらう必要があります。

乗り換えを決める前に、現在の業者との契約書を確認してください。制作物の著作権に関する条項が記載されているはずです。著作権が業者にある場合でも、「制作物の利用許諾」という形で引き続き使用できるケースもあります。いずれにしても契約書の内容を把握した上で乗り換えを進めることが重要です。

 

確認事項③ 契約の縛りと違約金の有無

乗り換えを検討する際に見落としがちなのが、現在の契約における縛り期間と違約金の確認です。保守・運用契約が年間契約や複数年契約になっている場合、途中解約すると違約金が発生するケースがあります。

違約金の金額は契約内容によって異なりますが、数ヶ月分の月額費用相当になるケースが多いです。乗り換えを決める前に現在の契約書を確認し、縛り期間の終了タイミングに合わせて乗り換えを進めることで、違約金の発生を避けることができます。

また制作費用を分割払いにしている場合、残債がある状態で乗り換えると残りの分割金を一括で請求されるケースもあります。現在の支払い状況を確認した上で乗り換えのタイミングを決めてください。

 

確認事項④ サーバーとSSL証明書の管理状況

ホームページが掲載されているサーバーとSSL証明書の管理状況も確認が必要です。サーバーが業者名義で契約されている場合、乗り換えの際にサーバーの移管手続きが必要になります。移管手続きが適切に行われないと、ホームページが一時的に表示されなくなるリスクがあります。

特に注意が必要なのは、乗り換えの際のダウンタイム(ホームページが表示されない期間)です。ダウンタイムが長くなると、その間に検索順位が下がったり、患者がホームページにアクセスできずに他の医院に問合せてしまうリスクがあります。新しい業者に乗り換える際は、ダウンタイムを最小限に抑える移行計画を立ててもらうよう依頼してください。

 

確認事項⑤ 現状のアクセスデータを取得しておく

乗り換え前に必ずやっておくべきことの一つが、現状のアクセスデータの取得です。Google AnalyticsとSearch Consoleのデータは、新しいホームページの制作・改善において非常に重要な参考情報になります。

現在の業者がGoogle Analyticsを管理している場合は、アカウントのアクセス権限を自院のGoogleアカウントに付与してもらうよう依頼してください。乗り換え後もこれまでのアクセスデータを参照できる状態にしておくことで、新しいホームページの改善に役立てることができます。またSearch Consoleのデータは、どのキーワードで検索流入があったかを把握するために重要です。これらのデータを取得せずに乗り換えてしまうと、過去のデータが参照できなくなり、改善の参考情報が失われてしまいます。

 

乗り換え前の確認チェックリスト

以下の表を活用して、乗り換え前の確認事項を整理してください。

確認項目

確認内容

確認結果

ドメインの所有権

医院名義か業者名義か

 

制作データの所有権

契約書に著作権の記載はあるか

 

縛り期間・違約金

途中解約した場合の費用は

 

分割払いの残債

残りの支払い金額はいくらか

 

サーバーの管理

移管手続きの方法と期間は

 

アクセスデータ

AnalyticsとSearch Consoleの権限取得

 

これらの項目をすべて確認した上で乗り換えを進めることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

乗り換え先を選ぶ際のポイント

乗り換え前の確認が完了したら、次は新しい業者の選定です。乗り換え先を選ぶ際は以下のポイントを確認してください。

歯科医院の制作実績が豊富にあることは最低条件です。歯科医療の専門知識を持つライターが文章を担当しているか、SEO設計を制作前に行う体制があるか、公開後の運用サポートが充実しているか、修正対応のスピードと費用体系が明確かという点を必ず確認してください。また乗り換えに伴うドメイン移管やサーバー移行の手続きをサポートしてくれるかどうかも重要な選定基準になります。

 

まとめ

HP業者の乗り換えは、適切に進めれば集患力を大幅に改善できる有効な手段です。しかしドメインの所有権・制作データの所有権・契約の縛りと違約金・サーバーの管理状況・アクセスデータの取得という5つの確認事項を把握せずに進めると、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあります。乗り換えを検討している院長は、まずこれらの確認事項を整理した上で進めてください。乗り換えに関するご相談も、無料相談フォームよりお気軽にどうぞ。

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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