患者が歯科医院HPで最初に見るページは?視線の流れから学ぶ配置術

「ホームページを作ったのに問い合わせが増えない」「アクセスはあるのにすぐ離脱されてしまう」。こうした悩みの原因は、患者さんの視線の流れと情報配置のミスマッチにあるかもしれません。
患者さんがホームページを訪れたとき、どこを最初に見て、どのような順序で情報を探すのか。この視線の流れを理解し、適切な位置に適切な情報を配置することで、ホームページの成果は大きく変わります。本記事では、視線の動きに関する知見をもとに、歯科医院ホームページの効果的な配置術を解説します。
目次
1. 患者がホームページに訪れる経路と最初のページ
2. 人間の視線はどう動くのか
3. トップページの最適な情報配置
4. 治療ページの視線誘導テクニック
5. スマートフォン表示での配置の考え方
6. 離脱を防ぐナビゲーション設計
7. まとめ
1.患者がホームページに訪れる経路と最初のページ
患者さんがホームページに訪れる経路によって、最初に見るページは異なります。それぞれの経路に応じた最適化が必要です。
検索経由の場合
「〇〇市 歯医者」「歯が痛い 〇〇駅」といったキーワードで検索し、検索結果からホームページに訪れる患者さんは、多くの場合トップページに着地します。トップページは医院の「顔」であり、最初の印象を決定づける重要なページです。
一方、「インプラント 費用 〇〇市」「親知らず 抜歯 痛くない」といった具体的なキーワードで検索した場合は、該当する治療ページに直接着地することもあります。トップページだけでなく、主要な治療ページもそれぞれが「入口」になり得ることを意識した設計が必要です。
Googleマップ経由の場合
Googleマップで「近くの歯医者」を検索し、Googleビジネスプロフィールからホームページにアクセスする患者さんも増えています。この経路の患者さんは、すでに医院の基本情報(住所、診療時間、口コミ評価)を確認した上で訪れているため、より詳しい情報を求めています。
Googleビジネスプロフィールからのリンク先がトップページになっている場合が多いですが、特定の治療や医院の特徴ページに設定することも可能です。患者さんの流入経路を分析し、最適なリンク先を設定します。
紹介・口コミ経由の場合
知人からの紹介や口コミサイトを見てホームページを訪れる患者さんは、医院名で直接検索することが多く、トップページに着地します。この場合、患者さんはすでに一定の期待や信頼を持って訪れているため、その期待に応える情報を提供することが重要です。
2.人間の視線はどう動くのか
F型パターンとZ型パターン

Webページを見るとき、人間の視線は特定のパターンで動くことが研究で明らかになっています。代表的なのがF型パターンとZ型パターンです。
F型パターンは、テキスト中心のページでよく見られる視線の動きです。まずページ上部を左から右に読み、次に少し下に移動して再び左から右へ、その後は左側を縦に流し読みしていきます。この動きがアルファベットの「F」に似ていることから、F型パターンと呼ばれます。
Z型パターンは、画像やビジュアル要素が多いページで見られます。左上から右上へ、斜めに左下へ、そして右下へという動きで、「Z」の形を描きます。
歯科医院のホームページでは、トップページはZ型、治療説明ページはF型の傾向があります。それぞれのパターンに合わせて重要な情報を配置することで、見てもらいたい情報を確実に届けられます。
ファーストビューの重要性
ファーストビューとは、ページを開いたときにスクロールせずに見える範囲のことです。この領域は患者さんが最初に目にする部分であり、ホームページ全体の印象を決定づけます。
調査によると、Webサイト訪問者の多くは、ファーストビューの情報だけで「このサイトを見続けるかどうか」を判断しています。つまり、ファーストビューで患者さんの関心を引けなければ、どれほど充実したコンテンツがあっても見てもらえません。
ファーストビューには、医院の特徴や強み、患者さんが求める情報へのアクセス手段、予約や問い合わせへの導線といった要素を凝縮する必要があります。
スマートフォンでの視線の動き
スマートフォンでは画面が縦長になるため、視線の動きもPC表示とは異なります。基本的に上から下への縦スクロールが中心となり、横方向の視線移動は少なくなります。
スマートフォンでは、画面の中央から上部にかけてのエリアが最も注目されやすく、画面下部は見落とされがちです。ただし、親指でスクロールする際に画面下部に注目が集まる瞬間もあるため、固定フッターの活用も効果的です。
3.トップページの最適な情報配置
ヘッダーエリアに入れるべき情報
ヘッダーはすべてのページで共通して表示される領域であり、患者さんが最初に目にする部分です。ここには、医院を認識するための基本情報と、重要なアクションへの導線を配置します。
ヘッダーに入れるべき要素は、医院名(ロゴ)、電話番号、Web予約ボタン、診療時間、ナビゲーションメニューです。
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要素 |
配置の考え方 |
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医院名・ロゴ |
左上(視線が最初に向かう位置) |
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電話番号 |
右上(すぐに問い合わせできるように) |
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予約ボタン |
右上(目立つ色で強調) |
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診療時間 |
ヘッダー下部または電話番号の近く |
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ナビゲーション |
中央または左寄り |
スマートフォン表示では、ヘッダーのスペースが限られるため、ロゴと電話ボタン(タップで発信)、ハンバーガーメニューに絞るのが一般的です。Web予約ボタンは固定フッターに配置する方法が効果的です。
ファーストビューで伝えるべきこと
ファーストビューは、患者さんの第一印象を決める最重要エリアです。ここで「この医院は自分に合っていそうだ」と思ってもらえるかどうかが、その後の行動を左右します。
ファーストビューで伝えるべき要素は、医院のコンセプトや特徴、メインビジュアル(院内写真や医師の写真)、キャッチコピー、主要な行動導線(予約ボタン、電話番号)です。
キャッチコピーは、患者さんの悩みに寄り添うものが効果的です。「痛みの少ない治療を追求する」「お子様連れでも安心して通える」「土日も診療、駅から徒歩3分」といった形で、医院の強みと患者さんのニーズを結びつけます。
メインビジュアルには、清潔感のある院内写真、笑顔のスタッフ写真、治療中の安心できる様子などを使用します。画像の質が低いと医院全体の印象が下がるため、プロのカメラマンによる撮影を推奨します。
スクロール後のコンテンツ設計
ファーストビューで関心を持った患者さんは、スクロールして詳細情報を求めます。スクロール後のコンテンツは、患者さんの検討プロセスに沿った順序で配置します。
一般的な効果的な配置順序として、まず医院の特徴・選ばれる理由を示し、次に診療案内(治療メニューへのリンク)、そして医師・スタッフ紹介、院内紹介・設備、アクセス・診療時間、最後に予約・問い合わせへの誘導という流れが考えられます。
各セクションの間には適度な余白を設け、情報の区切りを明確にします。また、重要なセクションの終わりには予約ボタンやお問い合わせリンクを配置し、患者さんがいつでも次のアクションに移れるようにします。
4.治療ページの視線誘導テクニック
患者が知りたい情報の優先順位
治療ページ(インプラント、矯正、ホワイトニングなど)を訪れる患者さんは、その治療について具体的に知りたいことがあります。患者さんが求める情報の優先順位を理解し、それに沿った構成にすることが重要です。
治療ページで患者さんが知りたい情報の優先順位は、一般的に費用、治療期間・回数、痛みや負担、治療の流れ、当院の特徴・強み、リスク・注意点、症例写真という順番です。
多くの歯科医院のホームページでは、治療の概要説明から始まり、費用は最後に記載されています。しかし患者さんの関心は「いくらかかるのか」が最も高いため、費用情報へのアクセスを容易にする工夫が必要です。ページ上部に「費用の目安」へのジャンプリンクを設置する、目次を設けるといった方法が効果的です。
読み飛ばしを前提とした構成
患者さんは、治療ページのすべてを隅々まで読むわけではありません。自分が知りたい情報を探しながら、関係ない部分は読み飛ばします。この行動を前提とした構成にすることで、必要な情報に確実にたどり着けるようにします。
効果的な方法として、まず見出しで内容がわかるようにします。「当院のインプラント治療」ではなく「インプラント1本あたり35万円〜」のように、見出しだけで核心がわかるようにします。
次に、重要な情報は太字やハイライトで強調します。流し読みしていても目に留まるようにします。ただし、強調が多すぎると逆効果になるため、本当に重要な箇所に絞ります。
また、図表を活用して情報を整理します。費用、期間、メリット・デメリットなどは、文章よりも表形式の方が一目で把握できます。
行動を促すCTAの配置
CTAとは「Call To Action」の略で、予約ボタンや問い合わせリンクなど、患者さんに行動を促す要素のことです。治療ページにおけるCTAの配置は、成約率に直結します。
CTAは、ページの最後だけでなく、複数箇所に配置します。ページ上部(ファーストビューまたはその直下)、コンテンツの中間(治療の流れ説明の後など)、ページの最後という3箇所が基本です。
CTAのデザインは、周囲のコンテンツから視覚的に区別できるようにします。医院のテーマカラーを使用しつつ、ボタンには目立つアクセントカラーを使用するのが一般的です。ボタンの文言は「予約する」よりも「無料相談を予約する」「まずは相談してみる」のように、心理的ハードルを下げる表現が効果的です。
5.スマートフォン表示での配置の考え方

タップしやすい位置とサイズ
歯科医院のホームページは、アクセスの60〜70%がスマートフォンからと言われています。スマートフォンでの使いやすさを優先した設計が不可欠です。
タップ可能な要素(ボタン、リンク)は、十分なサイズを確保する必要があります。最低でも44×44ピクセル、できれば48×48ピクセル以上が推奨されます。また、タップ要素同士の間隔も十分に取り、誤タップを防ぎます。
電話番号は、タップするだけで発信できるリンクにします。「電話で予約」というボタンをタップすると電話アプリが起動する形式が一般的です。
親指ゾーンを意識した設計
スマートフォンを片手で操作する場合、親指が届きやすい範囲は限られています。この「親指ゾーン」を意識した設計が、使いやすさを向上させます。
画面下部の中央付近が最も親指が届きやすく、画面上部の角は届きにくい位置です。重要なボタンは親指が届きやすい位置に配置し、頻繁に使わない要素は届きにくい位置でも許容します。
固定ボタンの効果的な使い方
スマートフォン表示では、画面下部に固定表示される予約ボタンや電話ボタンが効果的です。スクロールしても常に表示されるため、患者さんは思い立ったときにすぐにアクションを起こせます。
固定ボタンは、「電話で予約」と「Web予約」の2つを並べて配置するのが一般的です。画面の高さの10%程度を占める控えめなサイズにし、コンテンツの閲覧を妨げないようにします。
ただし、固定要素が多すぎると画面が狭くなり、コンテンツが見づらくなります。固定表示は予約導線など最重要の要素に絞り、それ以外は通常のスクロールコンテンツとして配置します。
6.離脱を防ぐナビゲーション設計
患者さんがホームページ内で迷子にならないよう、わかりやすいナビゲーション設計が重要です。目的の情報にたどり着けなければ、患者さんは離脱してしまいます。
グローバルナビゲーション(メインメニュー)は、診療案内、医院紹介、アクセス、予約といった主要カテゴリーに絞ります。項目が多すぎると選択が難しくなるため、7項目程度を上限とします。
サブメニューやドロップダウンメニューを使用する場合は、クリックまたはホバーで展開される形式にします。スマートフォンでは、タップで展開されるアコーディオン形式が使いやすいです。

パンくずリストを設置することで、患者さんが現在どのページにいるのかを把握しやすくなります。また、上位階層への移動も容易になります。
関連ページへのリンクを適切に配置することも重要です。たとえばインプラントのページを見ている患者さんには、「インプラントの費用」「インプラントの症例」「院長紹介」といった関連ページへのリンクを提示します。
7.まとめ
患者さんがホームページに訪れたとき、視線はF型やZ型のパターンで動き、ファーストビューで第一印象が決まります。この視線の流れを理解し、適切な位置に適切な情報を配置することが、ホームページの成果を高める鍵となります。
トップページのファーストビューには、医院の特徴と予約への導線を凝縮します。治療ページでは、患者さんが最も知りたい費用や期間の情報にアクセスしやすい構成にします。スマートフォン表示では、親指ゾーンを意識した配置と固定ボタンの活用が効果的です。
視線の流れに沿った情報配置は、一度設計して終わりではありません。アクセス解析のデータを見ながら、どこで離脱が多いのか、どのボタンがクリックされているのかを検証し、継続的に改善していくことが重要です。
自院のホームページを患者さんの目線で見直し、視線の流れに沿った最適な配置になっているか確認してみてください。
株式会社リバティーフェローシップ/東京歯科経営ラボでは、歯科医院のホームページ制作・改善を手がけています。「ホームページの離脱率を下げたい」「予約ボタンのクリック率を上げたい」といったご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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