ホームページ制作費を補助金・助成金でまかなう方法【2025年最新版】

目次
1. 歯科医院が活用できる補助金・助成金の種類
2. IT導入補助金でホームページ制作費を削減する方法
3. 小規模事業者持続化補助金の活用ポイント
4. 申請から受給までの流れと注意点
5. 申請に必要な書類と準備のコツ
6. まとめ

 

1.歯科医院が活用できる補助金・助成金の種類

ホームページ制作には数十万円から数百万円の費用がかかりますが、国や自治体の補助金・助成金を活用することで、実質負担を大幅に軽減できます。2025年現在、歯科医院が利用できる主な制度は以下の通りです。

IT導入補助金

経済産業省が実施する制度で、ITツールの導入を支援します。ホームページ制作だけでなく、予約システムや患者管理システムと一体化した場合に対象となります。補助率は最大2分の1から3分の2で、補助上彰は最大450万円です。

この補助金の特徴は、事前にIT導入支援事業者(登録された制作会社など)を選ぶ必要があることです。すべての制作会社が対象ではないため、事前確認が必要です。

小規模事業者持続化補助金

中小企業庁が実施する制度で、小規模事業者の販路拡大を支援します。従業員5人以下の個人開業医であれば対象となる可能性が高く、ホームページ制作も「販路拡大のための広報活動」として認められます。

補助率は3分の2で、補助上限は通常枠で50万円、特別枠で200万円です。比較的申請しやすく、採択率も約50%から60%と高めです。

自治体独自の補助金

都道府県や市区町村が独自に実施する創業支援や販路拡大支援の補助金もあります。内容は自治体によって大きく異なりますが、ホームページ制作費の一部を補助するケースがあります。

たとえば東京都では「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」、横浜市では「商店街活性化支援事業」など、地域によって様々な制度があります。所在地の自治体サイトや商工会議所で確認しましょう。

補助金と助成金の違い

補助金は予算が決まっており、申請しても必ず受給できるわけではありません。審査があり、採択されて初めて受給できます。一方、助成金は要件を満たせば基本的に受給できますが、歯科医院がホームページ制作で利用できる助成金は限定的です。

 

2.IT導入補助金でホームページ制作費を削減する方法

IT導入補助金は、補助額が大きく魅力的ですが、ホームページ制作単独では対象外となるケースが多い点に注意が必要です。

対象となるケース

ホームページ制作が補助対象となるのは、予約システム、患者管理システム、オンライン診療システムなど、業務効率化や生産性向上に寄与するITツールと一体化している場合です。単なる情報発信型のホームページだけでは対象外となります。

具体的には、「Web予約システム付きホームページ」「患者様マイページ機能付きサイト」「オンライン問診票機能付きサイト」といった構成であれば、対象となる可能性が高まります。

補助額と補助率

2025年のIT導入補助金では、複数の枠が用意されています。

  • 通常枠(A類型):補助額5万円から150万円未満、補助率2分の1
  • 通常枠(B類型):補助額150万円から450万円、補助率2分の1
  • デジタル化基盤導入枠:補助額5万円から350万円、補助率3分の2

たとえば、予約システム込みで180万円のホームページ制作を行う場合、B類型で申請すれば最大90万円の補助を受けられる可能性があります。

IT導入支援事業者の選定

IT導入補助金を利用するには、事前に登録されたIT導入支援事業者(制作会社)を選ぶ必要があります。すべての制作会社が登録されているわけではないため、依頼予定の制作会社が登録事業者かどうかを事前に確認してください。

IT導入支援事業者のリストは、IT導入補助金の公式サイトで検索できます。登録事業者であれば、申請手続きのサポートも受けられるため、スムーズに申請を進められます。

 

3.小規模事業者持続化補助金の活用ポイント

小規模事業者持続化補助金は、従業員数が少ない個人開業医にとって最も利用しやすい制度です。

対象となる条件

常時使用する従業員が5人以下(医療業の場合)であれば、小規模事業者に該当します。院長1人とスタッフ4人以下という一般的な歯科医院であれば、ほぼすべてが対象となります。

ホームページ制作は「広報費」として認められ、新規患者獲得のための販路拡大施策として申請できます。リニューアルの場合も、「既存サイトの改善による集患力向上」として対象となります。

補助額と補助率

通常枠では、補助上限50万円、補助率3分の2です。つまり、75万円のホームページ制作を行えば、50万円の補助を受けられる計算です。

さらに、以下の特別枠を活用すれば補助上限が引き上げられます。

  • 賃金引上げ枠:補助上限200万円(従業員の賃金を引き上げる場合)
  • 創業枠:補助上限200万円(開業から1年以内の場合)
  • インボイス枠:補助上限100万円(インボイス登録事業者の場合)

開業1年以内の医院であれば、創業枠で最大200万円の補助を受けられる可能性があります。300万円のホームページ制作を行う場合、200万円の補助で実質負担は100万円となります。

申請のポイント

小規模事業者持続化補助金で重要なのは、経営計画書の作成です。「なぜホームページが必要か」「どのように患者獲得につなげるか」「具体的な数値目標」を明確に記載する必要があります。

たとえば、「現在の新規患者数は月10人だが、ホームページリニューアルにより月20人に増やす。Web予約システム導入で電話対応時間を削減し、診療に集中できる環境を作る」といった具体的な計画が求められます。

 

4.申請から受給までの流れと注意点

補助金申請には一定の手続きと時間がかかります。全体の流れを理解し、計画的に進めることが重要です。

申請の基本的な流れ

  1. 公募開始の確認(随時) 補助金は年に数回の公募期間が設定されています。IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の公式サイトで、次回公募時期を確認します。
  2. 事業計画の作成(1ヶ月程度) ホームページ制作の目的、期待効果、費用を明確にした事業計画書を作成します。制作会社から見積書を取得し、計画に組み込みます。
  3. 申請書類の提出(公募期間内) 必要書類を揃えて申請します。電子申請が基本で、システムへの登録や電子証明書の取得が必要な場合もあります。
  4. 審査・採択通知(申請から1ヶ月から3ヶ月) 審査が行われ、採択されれば通知が届きます。採択率は制度によって異なりますが、小規模事業者持続化補助金で50%から60%程度です。
  5. 事業実施(採択後) 採択通知を受けてから、初めてホームページ制作に着手します。採択前に契約や着手すると補助対象外となるため注意が必要です。
  6. 実績報告書の提出(事業完了後) ホームページが完成し、支払いが完了したら、実績報告書と証拠書類(請求書、領収書、成果物など)を提出します。
  7. 補助金の振込(報告書提出から1ヶ月から2ヶ月) 報告内容が確認されれば、補助金が指定口座に振り込まれます。

 

重要な注意点

採択前の着手は厳禁 最も重要なのは、採択通知を受ける前に契約や制作着手をしないことです。「申請したから大丈夫」と先走って契約すると、不採択だった場合に全額自己負担となるだけでなく、採択されても補助対象外となります。

後払いが基本 補助金は後払いです。まず自己資金で全額支払い、後日補助金が振り込まれます。資金繰りを考慮し、一時的に全額を支払える準備が必要です。

年度内完了が条件 多くの補助金は年度内(3月末まで)に事業を完了させる必要があります。申請時期が遅いと、制作期間が足りず完了できないリスクがあります。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

 

5.申請に必要な書類と準備のコツ

補助金申請には様々な書類が必要です。事前に準備しておくことで、スムーズに申請できます。

共通して必要な書類

  • 事業計画書(所定の様式)
  • 見積書(制作会社発行)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)または開業届(個人の場合)
  • 直近の確定申告書または決算書
  • 従業員数を証明する書類(賃金台帳など)

事業計画書作成のコツ

事業計画書は審査の核となる書類です。以下のポイントを押さえて作成しましょう。

現状の課題を明確に 「既存ホームページが古く、スマホ非対応のため患者様が離脱している」「電話予約のみで、診療時間外の問い合わせに対応できない」など、具体的な課題を記載します。

数値目標を設定 「新規患者数を月10人から20人に増やす」「Web予約率を50%にする」「ホームページ経由の問い合わせを月30件獲得」など、測定可能な目標を設定します。

実現可能性を示す 「近隣に新築マンションが建設され、若い世代の流入が見込まれる」「Web予約導入により、仕事帰りの患者様が予約しやすくなる」など、目標達成の根拠を示します。

制作会社との連携

補助金申請に慣れた制作会社を選ぶことも重要です。申請実績が豊富な制作会社であれば、見積書の作成方法、申請書類の書き方、スケジュール管理などをサポートしてくれます。

契約前に「補助金申請のサポートは可能か」「過去の採択実績はあるか」を確認しましょう。ただし、申請代行は行政書士などの有資格者以外は法律で禁止されているため、あくまでアドバイスやサポートの範囲となります。

まとめ

ホームページ制作費は、補助金や助成金を活用することで大幅に負担を軽減できます。2025年現在、歯科医院が利用しやすい制度は、IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金です。

IT導入補助金は、予約システムなど業務効率化ツールと一体化したホームページが対象で、最大450万円、補助率2分の1から3分の2です。小規模事業者持続化補助金は、従業員5人以下の医院が対象で、通常枠で最大50万円、特別枠で最大200万円、補助率3分の2です。

申請から受給までには3ヶ月から6ヶ月かかり、採択前の着手は厳禁、補助金は後払いという点に注意が必要です。事業計画書では、現状の課題、数値目標、実現可能性を明確に示すことが採択のポイントとなります。

補助金は予算の範囲内で支給されるため、公募開始後早めに申請することをお勧めします。また、補助金申請に慣れた制作会社を選ぶことで、スムーズに手続きを進められます。

ホームページ制作を検討している歯科医院は、まず最寄りの商工会議所や制作会社に相談し、活用可能な補助金がないか確認してください。適切に活用すれば、実質負担を半分以下に抑えながら、高品質なホームページを構築できます。

 

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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