「格安ホームページ制作」の裏側を暴露!歯科医院が知らない業界の真実

はじめに

「ホームページ制作5万円」「月額9,800円で高品質サイト」。こうした格安ホームページ制作の広告を目にしたことはありませんか? 開業資金を抑えたい新規開業の先生や、ホームページにあまり予算をかけたくない院長先生にとって、魅力的に見える価格設定です。

しかし、実際に格安ホームページを契約して後悔している歯科医院は少なくありません。なぜ格安で提供できるのか、そこにはどんなカラクリがあるのか。業界の裏側を知らずに契約すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

本記事では、格安ホームページ制作の仕組みと落とし穴を、業界の内側から包み隠さず解説します。すべてが悪いわけではありませんが、知っておくべきリスクと、賢く選ぶための判断基準をお伝えします。

目次
1. 格安ホームページ制作の仕組み
2. よくある格安サービスの4つのパターン
3. 格安ホームページの5つの落とし穴
4. 実際にあったトラブル事例
5. 格安でも問題ない場合・避けるべき場合
6. 適正価格とは何か
7. 失敗しない制作会社の見極め方
8. まとめ

 

1.格安ホームページ制作の仕組み

なぜ格安で提供できるのか

通常、歯科医院のホームページ制作には50万円〜150万円程度の費用がかかります。デザイナー、コーダー、ディレクター、ライターなど複数のスタッフが関わり、数週間から数ヶ月の時間をかけて制作するからです。

では、なぜ格安制作会社は5万円や10万円で提供できるのでしょうか。答えは簡単です。人件費と時間を極限まで削減しているからです。具体的には、テンプレートの使い回し、自動化ツールの活用、制作工程の省略、少人数での大量生産といった方法で、コストを抑えています。

初期費用が安い理由

初期費用が異常に安い場合、月額費用で利益を得るビジネスモデルになっていることがほとんどです。たとえば初期費用5万円でも、月額1万円を3年契約とすれば、総額は41万円になります。実質的には決して安くありません。

また、初期費用を安く見せて契約を取り、後から追加費用を請求する手法もあります。「このデザインは追加料金」「写真撮影は別料金」「ページ追加は1ページ3万円」といった具合に、気づけば高額になっているケースも少なくありません。

利益を出すための数の論理

格安制作会社は、一件あたりの利益が薄いため、大量の案件をこなすことで利益を確保しています。月に30件、50件と次々に制作していくスタイルです。

このビジネスモデルの問題は、一件一件に十分な時間をかけられないことです。ヒアリングは最小限、デザインはテンプレート、サポートも簡素化されます。医院ごとの個別ニーズに応えることは、ほとんど期待できません。

 

2.よくある格安サービスの4つのパターン

パターン①:テンプレート型

最も一般的なのが、既存のテンプレートに医院の情報を流し込むだけのパターンです。デザインは数種類の中から選び、写真やテキストを差し替えて完成させます。制作時間は数時間から数日程度です。

このパターンの特徴は、デザインの自由度がほとんどないこと、他の医院と似たようなホームページになること、カスタマイズに高額な追加費用がかかることです。

パターン②:月額課金型

初期費用は格安または無料ですが、月額料金が発生し続けるパターンです。「月額9,800円」「月額14,800円」といった料金設定で、ホームページを「所有」するのではなく「レンタル」する形になります。

このパターンの最大の問題は、解約するとホームページごと消えてしまうことです。長年かけて積み上げたSEO評価、患者さんからのブックマーク、すべてが失われます。また、解約時に違約金が発生する契約も多く、実質的に縛られた状態になります。

パターン③:リース契約型

ホームページ制作をリース契約として提供するパターンです。「月々2万円×60回払い」といった形で、総額は120万円になります。一見、分割払いで楽に見えますが、実質的には高金利のローンを組んでいるのと同じです。

リース契約の問題は、途中解約ができないこと、ホームページの所有権がリース会社にあること、契約満了後も所有権が移転しないケースがあることです。また、リース料金にはリース会社への手数料が上乗せされており、実質的な制作費用は不透明です。

パターン④:機能制限型

基本料金は格安ですが、機能が極端に制限されているパターンです。「3ページまで」「写真は5枚まで」「更新は年1回まで」といった制限があり、それ以上は追加料金が発生します。

このパターンの問題は、実用的なホームページを作ろうとすると結局高額になることです。診療案内、アクセス、院長紹介、スタッフ紹介、設備紹介、よくある質問など、歯科医院に必要なページを揃えようとすると、すぐに制限を超えてしまいます。

 

3.格安ホームページの5つの落とし穴

落とし穴①:SEO対策がほぼゼロ

格安ホームページの多くは、SEO対策がほとんど施されていません。タイトルタグ、メタディスクリプション、見出しタグの最適化、内部リンク構造、表示速度の改善など、基本的なSEO対策が欠けていることが多いのです。

その結果、検索エンジンで上位表示されず、ホームページはあるのに誰にも見られない状態になります。「地域名+歯科」で検索しても、自院のホームページが見つからない。これでは新患獲得にはつながりません。

落とし穴②:スマホ対応が不十分

現在、歯科医院ホームページへのアクセスの70%以上はスマートフォンからです。しかし、格安ホームページはスマホ対応が不十分なケースが少なくありません。

パソコンで見れば問題なくても、スマホで見ると文字が小さすぎて読めない、ボタンが押しにくい、表示が崩れている、読み込みが遅い。こうした問題があると、患者さんは途中で離脱してしまいます。

落とし穴③:更新ができない・高額な更新費用

格安ホームページの多くは、医院側で自由に更新できません。診療時間の変更、スタッフの入れ替え、新しい設備の紹介など、ちょっとした更新でも制作会社に依頼する必要があります。

そして、その更新費用が高額なのです。「1ページ追加3万円」「写真1枚差し替え5千円」「テキスト修正1万円」といった料金設定も珍しくありません。初期費用は安くても、運用コストが高くつく典型的なパターンです。

落とし穴④:著作権やデータの所有権問題

契約書をよく読まずに契約すると、ホームページの著作権やデータの所有権が制作会社に残る場合があります。つまり、お金を払ってもホームページは自分のものにならず、制作会社に「借りている」状態です。

この場合、他の制作会社にリニューアルを依頼したくても、データを持ち出せません。一から作り直すか、高額な買取費用を払うか、選択を迫られます。また、解約するとホームページごと削除され、ドメインやコンテンツも失われます。

落とし穴⑤:サポート体制の脆弱さ

格安制作会社は、人件費を削減するためにサポート体制を最小限にしています。問い合わせてもなかなか返信が来ない、電話がつながらない、担当者がコロコロ変わる、といったトラブルが頻発します。

ホームページに不具合が発生しても、すぐに対応してもらえず、数日から数週間も放置されることもあります。その間、患者さんはホームページを見られず、予約の機会を逃してしまいます。

 

4.実際にあったトラブル事例

事例①:月額課金型で5年間縛られたJ医院

新規開業のJ医院は、初期費用0円、月額12,000円の格安ホームページを契約しました。最初は「月1万円なら安い」と思っていましたが、開業から3年後、より良いホームページにリニューアルしたいと考えました。

しかし、契約書を確認すると5年契約で、途中解約には残期間分の違約金が発生することが判明。あと2年分、つまり約29万円の違約金を払わなければ解約できません。さらに、ホームページのデータは制作会社の所有物で、持ち出すことはできませんでした。

結局、J医院は違約金を払って解約し、新たに80万円かけてホームページを作り直しました。5年間の月額費用72万円と違約金29万円、そして新規制作費80万円。合計181万円もの出費になってしまったのです。

事例②:追加費用で総額200万円超えのK医院

K医院は「10万円でホームページ制作」という広告を見て契約しました。しかし、いざ制作が始まると、次々に追加費用が発生しました。

写真撮影は別料金で15万円、診療メニューページは1ページ3万円で5ページ分15万円、予約フォームのカスタマイズで10万円、スマホ最適化で8万円、初期SEO対策で20万円。見積もりを見ると、総額は78万円になっていました。

さらに、公開後も更新のたびに費用が発生。診療時間の変更で5千円、スタッフ紹介の更新で1万円、お知らせ1件につき8千円。年間の更新費用だけで20万円近くかかり、3年間で140万円以上の追加費用が発生しました。

「最初から適正価格の会社に頼めばよかった」と、K医院の院長先生は後悔しています。

事例③:SEO対策ゼロで誰にも見られないL医院

L医院は「5万円ホームページ」を契約しましたが、公開から半年経っても新患がほとんど来ません。Googleで「地域名+歯科」と検索しても、自院のホームページは10ページ目にも表示されませんでした。

原因を調べると、基本的なSEO対策が一切されていませんでした。タイトルタグはすべて「ホームページ」、メタディスクリプションは空欄、見出しタグも適切に使われていません。内容も薄く、各ページ200文字程度しかありませんでした。

結局、L医院は別の制作会社にSEO対策込みでリニューアルを依頼。初期の5万円は完全に無駄になってしまいました。「安物買いの銭失いとはこのことだ」と、院長先生は苦笑いしています。

事例④:サポート放棄で連絡が取れなくなったM医院

M医院は月額8,000円の格安ホームページサービスを利用していました。最初の1年は問題なく運用できていましたが、2年目に入った頃、ホームページに不具合が発生しました。

制作会社に連絡しても返信がありません。電話をかけても「担当者が不在」と言われ続けました。1ヶ月経っても問題は解決されず、ホームページの一部が表示されない状態が続きました。

さらに調べると、その制作会社は経営が悪化しており、サポート体制が崩壊していることが分かりました。結局、M医院は泣く泣く他の制作会社に依頼し直すことになりました。月額料金は無駄になり、新たな制作費用も発生。格安サービスのリスクを痛感した事例です。

 

5.格安でも問題ない場合・避けるべき場合

格安でも問題ないケース

格安ホームページがすべて悪いわけではありません。以下のような場合は、格安サービスでも十分に機能します。

まず、とりあえずホームページがあればよいという場合です。すでに口コミや紹介で十分な患者さんが来ており、ホームページは情報提供のみが目的なら、高額な投資は不要かもしれません。

また、開業前の仮ホームページとして使う場合も有効です。開業後に患者さんの反応を見ながら本格的なホームページを作る計画なら、最初は格安サービスでつなぐという選択肢もあります。

自分でWebの知識があり、不足分を補える場合も格安サービスを活用できます。SEO対策やコンテンツ作成を自分でできるなら、デザインと基本構築だけを格安で依頼し、あとは自分で育てていくことも可能です。

絶対に避けるべきケース

一方、以下のような場合は格安ホームページを避けるべきです。

新患獲得をホームページに頼る場合は、格安サービスでは成果が出ません。SEO対策、予約導線の最適化、コンテンツの充実など、集患に必要な要素が欠けているからです。初期費用を抑えても、新患が来なければ意味がありません。

インプラントや矯正など高額自費診療をメインにする医院も、格安ホームページは不向きです。患者さんは高額な治療を受ける前に、徹底的にホームページを調べます。安っぽいホームページでは信頼を得られず、問い合わせにつながりません。

長期的にホームページを育てていきたい場合も、格安サービスは避けましょう。データの所有権がなく、カスタマイズも制限されているため、成長の余地がありません。

新規開業で予算が限られている場合も、実は格安サービスはリスクが高いのです。開業初期こそ新患獲得が重要なのに、機能しないホームページでは貴重な機会を逃してしまいます。むしろ、初期投資として適正価格のホームページを作る方が、長期的には賢明な選択です。

 

6.適正価格とは何か

歯科医院ホームページの適正価格帯

歯科医院のホームページ制作の適正価格は、一般的に50万円〜150万円程度です。この価格帯であれば、しっかりとしたヒアリング、オリジナルデザイン、基本的なSEO対策、スマホ最適化、必要なページの制作、使いやすい管理画面が含まれます。

もちろん、医院の規模や求める機能によって前後します。小規模な一般歯科で基本的な機能のみなら30万円〜50万円、インプラント専門や複数の診療メニューを持つ医院で100万円〜200万円が目安です。

価格に含まれるべき項目

適正価格のホームページには、以下の項目が含まれているべきです。

企画・ヒアリングとして、医院の強み分析、競合調査、ターゲット患者層の設定、サイト構成の提案が行われます。デザインは、オリジナルデザイン3案程度の提示、修正対応、スマートフォン最適化が含まれます。

コンテンツ制作では、10〜15ページ程度の原稿作成、写真撮影または素材提供、医療広告ガイドラインのチェックが必要です。システム構築として、お問い合わせフォーム、予約フォーム、CMS(更新システム)の導入、基本的なSEO対策が含まれます。

さらに、公開後のサポートとして、操作説明、3ヶ月〜1年程度の保守サポート、軽微な修正対応が提供されるべきです。

月額費用の適正範囲

制作費とは別に、月額の保守費用が発生する場合があります。適正な月額費用は、5,000円〜15,000円程度です。この費用には、サーバー・ドメイン管理、セキュリティ対策、バックアップ、軽微な更新対応、問い合わせ対応が含まれます。

月額3万円を超える場合は、内訳を詳しく確認する必要があります。何に対する費用なのか、解約時の条件はどうなっているのか、契約前にしっかり確認しましょう。

 

7.失敗しない制作会社の見極め方

契約前に確認すべき10項目

制作会社を選ぶ際は、以下の項目を必ず確認してください。

まず、総額費用です。初期費用だけでなく、月額費用、更新費用、追加費用を含めた3年間の総額を算出しましょう。次に、著作権・所有権の帰属先を確認します。ホームページのデータやドメインが誰のものになるのか、契約書で明記されているか確認してください。

契約期間と解約条件も重要です。最低契約期間、途中解約の可否、違約金の有無を確認します。更新方法と費用として、自社で更新できるか、更新を依頼する場合の費用はいくらか、更新頻度の制限はあるかを聞きましょう。

SEO対策の有無として、基本的なSEO対策が含まれているか、具体的にどんな対策をするのか確認します。スマホ対応の方法は、レスポンシブデザインか、別途スマホサイトを作るのか、表示速度は最適化されているかをチェックしてください。

制作実績も重要です。歯科医院の制作実績があるか、実際のサイトを見せてもらえるか確認しましょう。サポート体制として、問い合わせ方法、対応時間、対応スピードの目安を聞いておきます。

カスタマイズの可否と費用、つまり将来的に機能追加やデザイン変更ができるか、その場合の費用はどれくらいかも確認します。最後に、バックアップ体制です。定期的なバックアップは取られているか、復旧対応は可能かを確認してください。

見積書の読み解き方

見積書を受け取ったら、以下のポイントをチェックしましょう。

項目が具体的に記載されているかを確認します。「ホームページ制作一式」のような曖昧な記載ではなく、デザイン、コーディング、SEO対策など、項目ごとに分かれているべきです。

含まれるページ数と機能が明記されているかも重要です。何ページまで作るのか、どんな機能が含まれるのか、追加の場合の単価はいくらかを確認します。

月額費用の内訳も必ず確認しましょう。サーバー代、保守費用、サポート費用など、何に対する費用なのかが明確になっているべきです。

追加費用の発生条件として、どんな場合に追加費用が発生するのか、事前に説明があるかを確認します。不明点があれば、契約前に必ず質問し、書面で回答をもらいましょう。曖昧なまま契約すると、後々トラブルになります。

口コミや評判の確認方法

制作会社を選ぶ前に、インターネットで評判を調べることも大切です。Googleで「会社名+評判」「会社名+トラブル」などで検索し、ネガティブな情報がないか確認しましょう。

また、実際にその会社が制作した歯科医院に連絡を取り、感想を聞いてみるのも効果的です。多くの院長先生は、同業者からの問い合わせに快く応じてくれます。制作会社の対応、納期、仕上がり、アフターサポートなど、生の声を聞くことで、その会社の実態が見えてきます。

 

8.まとめ

格安ホームページ制作には、必ず理由があります。テンプレートの使い回し、月額課金での利益確保、機能制限、サポートの削減など、どこかでコストを削っているのです。一見お得に見えても、長期的には高くつくケースが多いのが現実です。

よくある格安サービスのパターンとして、テンプレート型、月額課金型、リース契約型、機能制限型があります。それぞれに落とし穴があり、SEO対策の欠如、スマホ対応の不十分さ、高額な更新費用、所有権の問題、脆弱なサポート体制などのリスクが潜んでいます。

実際のトラブル事例を見ると、月額課金で縛られる、追加費用で総額が高額になる、SEO対策ゼロで誰にも見られない、サポートが放棄されるといった問題が起きています。これらは決して他人事ではありません。

格安サービスでも問題ないケースもありますが、新患獲得を目的とする場合、高額自費診療をメインにする場合、長期的にホームページを育てたい場合、そして新規開業の場合は避けるべきです。

歯科医院ホームページの適正価格は50万円〜150万円程度です。この価格帯であれば、必要な機能とサポートが含まれた、長期的に使えるホームページが手に入ります。月額費用も5,000円〜15,000円程度が適正範囲です。

制作会社を選ぶ際は、総額費用、著作権・所有権、契約期間と解約条件、更新方法と費用、SEO対策、スマホ対応、制作実績、サポート体制、カスタマイズの可否、バックアップ体制の10項目を必ず確認してください。見積書の内訳を詳しくチェックし、不明点は契約前に解消しましょう。

ホームページは歯科医院にとって重要な集患ツールです。目先の安さに惑わされず、長期的な視点で投資を判断することが成功の鍵です。

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投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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