人が辞めない医院作り~人材不足に負けない仕組み~
こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。
今回はスタッフマネジメントにおいて、取り組みかたによっては他医院との差別化にもつながる『人事評価制度』についてお話します。
一般企業の多くでは『人事評価制度』を取り入れていますが、歯科医院においてはまだまだその制度があることすら知られていません。
しかし、スタッフのモチベーションを維持し、継続的に働いてもらうためには、雇用された側が納得する評価制度を取り入れることが必要です。
「人材不足」の悩みを抱える医院が多い昨今ですが、『人事評価制度』を積極的に取り入れて、スタッフの満足度を高め「人が辞めない医院」を作っていきましょう。
一般企業における人事評価制度
リクルートの調査では『人事評価制度』を取り入れている企業で働く社員の8割が上司や雇用主に評価された結果を重視して仕事をしていると回答しています。
しかし、評価制度自体の満足度に関しては、評価制度や評価基準があいまいであるという理由から約半数の人が「満足していない」と答えました。
せっかく評価制度を取り入れても、逆にモチベーションを下げる結果になったり、不満をもってしまっては意味がありませんよね。
一方対照的に「評価制度について具体的な情報を開示している」ことや「何を頑張ったら評価されるのかが明確である」という内容が「満足している」と答えた人のアンケート結果の半数以上を占めていました。
以上の調査結果から、上司や雇用主が部下や社員とコミュニケーションをとり、努力すべきことや目標を達成した時のイメージを具現化することで従業員満足度は高まるといえます。
事評価制度に対する意識調査-働きがいを高める人事評価とコミュニケーションの鍵とは?―リクルートマネジメントソリューションズ
歯科医院における人事評価制度と理念
さて、先生の医院には明確な「理念」はありますか?『人事評価制度』を導入するにあたり、まずは「医院理念」を作りましょう。そこがしっかりと定まっていれば、今現在、また今後取り組むべき行動を勤務医やスタッフに理解させることができます。医院理念は人事評価制度の軸となります。
例えば「100歳まで元気に噛める歯の健康をお手伝いします。」という理念をあげた場合、その歯科医院は小児治療、メインテナンスの充実、場合によっては訪問診療を実施するなど、医院の取り組むべき施策が明確になるでしょう。
数値目標
医院理念が決まったら次に設定するのは、勤務医やスタッフに対する数値目標です。
例えば、勤務医の目標設定であれば、月間のレセプト点数の目標と自費治療の目標金額を設定しましょう。
売上という言葉を使用したくないのであれば「件数」、「何人」というかたちにしてもかまいませんが、定量化できる必要があります。
「他医院の2倍の来患数」を目標とした場合、1日に必要な来院患者数は、全国平均の25人から算出して50人。
それを勤務医やスタッフの数で割って数値目標とする方法もあります。
「虫歯0」を掲げるのであれば、9割の患者をメインテナンスに移行させるといった数値目標も指針となります。
目標達成への取り組みと評価
次に、目標達成に向けた取り組みを設定していきます。
例えば数値目標として自費件数を設定した場合、「すべての患者さんに自費の説明をする」「説明をするために補綴やインプラントについての勉強会を開く」「外部の研修に参加する」など具体的なアクションプランにしましょう。
院長は設定した目標を隔月ごとに各スタッフと個人面談をして目標達成への取組み状況をチェックしてアドバイスしてください。
目標と取り組みを文書化して、昇給および賞与の査定期間と照らし合わせて評価をしていきます。
まとめ
評価制度を導入するために大切なことは勤務医やスタッフと面談をし、一緒に目標を設定するということです。
医院理念を説明したうえで「自分がどんなことをしたいか」「どんなことが出来るか」を考えてもらうことが重要です。
院長が勝手に設定した目標では「一方的に押しつけられた」と反感をかい、やる気を失う・・・という本末転倒な結果になるからです。
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