これからのメインテナンス2018【phaseⅠ-③】
こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。
今回で3回目のメインテナンスについての記事を記載させていただきます。
自費メインテナンスを導入していきたいと思っているが患者さんの理解を得られるか不安、ご自身の理解も含めてメインテナンスに関して情報を集めているという先生はぜひご覧ください。
2015年の国からのグレーゾーン解消制度の対象により、今後自費メインテナンスと保険算定できるメインテナンス即ち更に明確化されていくでしょう。
現在保険算定可能なメインテナンスは歯周病治療後の歯周組織を安定化させるために実施するSPTとSPT2のみです。
今後本文は自費メインテナンスとSPTと表します。
SPTとSPT2に関して
SPTのおさらいです。SPTは、SPTとSPT2と種類あります。
SPTはSupportive Periodontal Therapy(歯周病安定期治療)の略で歯周病安定期の治療行為とされます。
SPTの施設基準はなく、どの歯科院でも算定可能ですが、SPT2はかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(以降か強診)の施設基準を満たす必要があります。
SPT
SPTの算定基準ですが、骨吸収が根の長さの1/3以上歯周ポケットが4mm以上。
歯周基本治療が終了し継続的に組織安定化を図る目的で3ヶ月に1回算定で可能です。
SPTを行う前には歯周病検査が必要です。
SPTに包括される内容は以下のとおりです
1. プラークコントロール
2. スケーリング
3. スケーリング・ルートプレーニング
4. 咬合調整
5. 機械的歯面清掃
SPTは3ヶ月に1度の算定ですが、以下の例外に限り3ヶ月以内でも算定可能です
1. 歯周外科手術を行なった場合
2. 侵襲性歯周炎の場合
3. 全身症状により歯周病に大きな影響のある場合
4. 全身症状により歯周外科が行えない場合
カルテの適用欄への記載と提供文書が必要となる場合もあります。
SPTの点数表を以下にご紹介します
1.1~9歯 200点
2.10~19歯 250点
3.20歯以上 350点
SPT2
SPT2は前述したとおり、か強診の施設基準を満たす必要があります。
地域性が高く訪問診療が可能で、自動体外式除細動器(AED)、経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)、酸素供給装置、血圧計、救急蘇生セット、 歯科用吸引器等の設備が医院に設置してある必要があります。
か強診の施設基準を満たしている歯科院は約7,000件あると言われています。か強診については別の機会に詳しくご紹介したいと思います。
SPT2の算定基準はSPTと同様です。
歯管または歯在管を算定している患者で、中等度以上の歯周病を有し一連の歯周病治療後の一時的な安定期に行います。
SPTと違いSPT2は毎月算定することができます。
SPT2にておいて包括される内容は以下のとおりです
1. SPTにて包括される内容
2. 口腔内写真検査
SPT2は、SPTの内容に追加して初回時は全顎カラーの口腔内写真が必要となります。2回目以降は管理対象部位のみの写真となます。SPT2を開始した後はSPTに移行することは出来ません。
SPT2の点数表を以下にご紹介します
2. 1~9歯 380点
2.10~19歯 550点
3.20歯以上 830点
SPTの注意点
SPTはメインテナンスと処置内容は似ていますが、歯周組織が弱っている患者に対し処置されるものです。医師による咬合調整やSPT専用の薬剤を使用する場合もあります。
メインテナンスは口腔内が健康な方が対象である予防処置です。
まとめ
今回はSPTについて簡単にご説明しました。日本人の約8割が歯周病もしくは歯周病の疑いがあると言われていますが、重要であるのは歯周病治療後SPTにより定期的なメインテナンスに移行させることです。
歯周病に罹患する患者はセルフケアをおろそかにして治療が長引いたり、一時的に歯周病がよくなってもまた歯周病が進行してしまったりする場合があります。
歯周病患者へは歯周病治療、SPT、定期メインテナンスの一連の流れを理解してもらう必要があるでしょう。
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