反面教師から学ぶ~歯科医院増患の5つの秘訣~
こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。
突然ですが、皆さんは「患者さんが減ってしまう」医院の特徴をご存知でしょうか。
増患のためには、まずその特徴について理解し、それを反面教師にしなければいけません。
それでは早速、患者さんが減る例を1つ1つ見ていきましょう。
特徴その1:来院から帰るまで「話しかけない」
あいさつを交わしたり、少々お待ちくださいと声を掛けたり・・・。基本的には何かしら話はしているかもしれませんが、ここでいう話かけないというのは、マニュアル以外のことを「話かけない」という事です。
受付、誘導、チェアサイド、治療後・・・と患者さんが帰るまでの間、マニュアル通りのコミュニケーションだけでは患者さんにとっては「可もなく不可もなく」なのです。
近くに「評判の良い歯医者さん」ができたら・・・。きっと何の迷いもなくそちらに行ってしまうでしょう。
患者さんが簡単に離れていかないためには人と人のコミュニケーションが必要不可欠です。
もし「AのタイミングでBを言う」というようなしっかり決められたマニュアルが用意されているのであれば、捨ててしまうのが一番の対処法。いきなりマニュアル無しはちょっと・・・。と思うかもしれませんが、大事なことだけ決めていれば十分です。
こちらのコラムも参考にしてください
特徴その2:殺伐としている
皆さんはなんとな~く雰囲気が悪いお店に入ったことありますか?
清潔だし、店員さんも普通に笑顔だし、特に悪い点は見当たらないけど、なんだか居心地が悪い・・・。そんな経験をされた方なら分かるかもしれません。
診療室に入った瞬間の「空気」は患者さんにも伝わります。
例えば、スタッフや先生達がまったく目を合わさない・・・。会話がギスギスしている。というのは、目の前で言い争いをしていなくてもはっきりと伝わります。
特に歯科医院のような医療機関では、患者さんは緊張状態から感覚が研ぎ澄まされています。ちょっとした雰囲気の悪さも伝わるのです。
今何かしらのトラブルを抱えているのであれば「うちの医院はそんなにひどくない」と思っていても解決しておきましょう。芽は小さければ小さいほど、摘みやすいのです。
根が太く大きく育ってしまえば、すべてを取り除くのは生半可な覚悟ではできなくなってしまいます。
特徴その3:説明しない
先生達が考えているよりも何倍も「分からない」のが歯科治療です。
とりあえず口を開けてみたけど、今何をされているのか分からない・・・。嫌だな・・・。怖いな・・・。そう思っている患者さんがほとんどです。
説明を行っている医院でも、理解出来ている患者さんは本当にわずかです。
資料も用意してるし、ちゃんと説明もしてるんだから、あとは患者さんの問題だ!!と思ってしまう先生もいらっしゃるかもしれません。
治療の説明については完全に分かってもらうのは不可能ですから、8割理解してもらうという目標で十分だと思います。
大切なのは、理解しているかどうか患者さんの様子をしっかり把握すること。
「これから歯の根っこの悪いところを取り除いていきますね。ちょっとチクッとするかもしれませんが、何かあれば教えてください」
ツールを使ったり、模型を使ったり、もっと丁寧に説明をしている医院もあるかもしれませんが、実際患者さんにとっては、治療についてはどのような形で説明されてもさほど気になりません。
大切なのは、説明後の一言。
「何かご不安なことはありますか?」
「何か分からない点はありますか?」
患者さんが不安な状態のまま口を開けることが無いように気遣うだけでも、何も説明してくれないと言う患者さんは減るのです。
たくさん説明をすれば患者さんがここの医院は「説明をたくさんしてくれる」と感じてくれるというのは間違いです。
説明は量より質。
気遣いの言葉を付け加えるだけでも医院の評判は変わります。
特徴その4:次いつ来るべきなのか分からない
患者さんが来なくなってしまう理由として、一番単純な問題はこれです。
次回予約を取らない。
メインテナンスの次回予約を取らない医院は多いと思いますが、患者さんはこの日に来いと言われていなければ、来ません。
そもそも、メインテナンスの重要性を心の底から理解している患者さんはほとんどいないのです。
いくら来院中に啓発しても、3ヶ月経てばその気持ちは薄れます。
「行かなきゃいけないのは分かってるんだけど、今時間が無いし・・・。時間が出来てからで良いや」
大半の患者さんはこう考えるでしょう。
患者さんが来院しない間コミュニケーションを一つも取らなければ確実に口腔内への関心は薄れます。
いざメインテナンスの時期になって「そろそろメインテナンスの時期ですよ」と案内したところで、もう患者さんの気持ちの上では歯科医院の優先順位は何よりも下にあるのです。
まずは、メインテナンスの次回予約を取ること、次に、月に一回程度患者さんへ郵送物やLINEなどのコミュニケーションツールで連絡をとり、それを怠らないこと。これだけで、たくさんの流出患者をすくい上げることができます。
もし、患者さんの離脱に悩まれている場合はこちらのコラムも参考にされてください。
特徴その5:患者さんの情報を共有していない
これは多くの医院で当てはまるかもしれません。
患者さんが何回来院しているか、今どんな治療をしているのか、次回いつ来るべきなのか、臨床上の所見は?というような情報を担当の先生や衛生士さんしか理解していないということ。
一見そんなに問題無いと思われるかもしれませんが、出来ている医院と出来ていない医院では患者さんの満足度の面で大きな差が生まれます。
患者さんは担当の人しか自分の事を知らないと思って来院しているでしょうから、受付などで、自分のことを気遣ってくれる他のスタッフさんに出会ったら感動を覚えるでしょう。
例えば、担当衛生士制の医院は、朝礼などでできる限り情報共有をしてください。患者数が多いとすべての患者さんを把握するのは難しいでしょうから、難症例や、悩みや不安を抱えている方、治療をさせてくれない小児の患者さんなど、ピックアップして取り組んでみてください。
みんなで一緒に対応することで、患者さんの満足度は上がり、スタッフ同士のチームワークも強化されます。
医院全体で患者さん一人一人を「気遣っている」ということを表すことで、患者さんにとっての信頼できる人が増えます。結果として離脱を減らすことに繋がるのです。
まとめ
今回は患者さんが減る医院の特徴を5つ挙げました。増患のためには、まずは患者さんを減らさないことが最重要課題です。
医院の状態を客観視し、もしどれか当てはまることに気付いたなら、今が医院改革の時なのかもしれません。
変わらなければいけないと気付くことができれば、必ず変われます。応援しています!
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