チャンスをつかむ「説明」

こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。早速ですが、皆さんは自分の説明に自信がありますか?

おそらく、このコラムをご覧になった先生のほとんどが「自信がない」と答えるでしょう。

私も患者として定期的に歯科で治療を受けていますが、正直に言って担当の先生に言われたことだけでは理解が追い付かず、自分で調べたりしてしまいます。

私のように少しでも「歯科」に関わる仕事をしている人でもそのように感じるのです。一般の人にとっては、未知との遭遇レベルです。

そもそも口腔内に関して、先生と同じくらいの興味を持って聞いている人なら「熱く語る」だけでも十分に伝わるかもしれませんが、いくら熱い想いをぶつけても、興味の無い人にはまったく響きません。「へ~」で終わってしまうだけです。

チャンスを逃さない

患者さんが何らかの主訴を抱えて来院した時「自分の口腔内に興味を持ってもらう」チャンスです。

たとえ健康志向の人であっても「お口の中の事」にまで関心を持っている人はほとんどいないのです。先生達が思っている以上に患者さんは自分の口腔内に関心が無いということを忘れてはいけません。

勉強嫌いな子供に「勉強に興味を持ってもらう」のは本当に大変です。中にはすごく勉強が大好きで、言われなくても自分で進んで勉強をするような子もいるでしょう。でも実際は勉強が自分のためになると分かっていても、興味は持てない。そんな子供が大半ではないでしょうか。

それと同じように「歯」を大切にしないといけないことは何となく分かっているけど、いざ定期的なケアを勧められても興味を持てない人がほとんどです。

患者さんに先生と同じくらい口腔内に関して興味を持ってもらうことは難しいですが、メインテナンスを受けたり、自宅でのセルフケアを見直したり、自分のために「歯」を大切にする意識を持ってもらうことは可能です。

興味を抱かせるための3つの方法

カウンセリングや、治療の説明をするときに意識してもらいたいことはたったの3つ。

ポイントをつかめば、患者さんの満足度も上がらないようなダラダラとした治療説明や、形式的なカウンセリングをすることは無くなるでしょう。

本気で医院改革をしたいと考えている先生はぜひ明日からでも実践してください。

① 患者さんの言葉で伝える

これは意識している先生も多いかもしれませんが、なるべく簡単に説明しようとしているつもりでも、結構頻繁に専門用語を使ってしまっているものです。

方言に似ていますね。自分では誰にでも伝わる言葉だと思っていても、実は方言だった!なんてことがよくあります。

例えばこんな言葉
印象・エナメル質・嚥下・仮歯・臼歯・金パラ・コア・口蓋・根管・シェード・・・

他にもまだまだたくさんあります。

エナメル質くらい分かるだろ・・・。と思うかもしれませんが、分からないんです。説明に使う時には、歯の一番外側のツルツルしたところ。くらいにかみ砕いてあげましょう。

専門用語なのかどうか分からなくなってしまった場合には、ネットで調べてみましょう。弊社にご相談いただいても大丈夫ですよ!

② 物を使う

言葉だけでは伝えにくかったり、分かりにくかったりするときは「物」を使いましょう。紙とペンを使って図解をしたり、資料を使ったり。大きな模型を使って説明してもOKです。

人間の五感のうち「視覚」による情報が最も優位だと言われています。しかし「物」を使うだけでは不十分です。大切なのは、物を使って人が説明するということです。

今どんな風に「物」を使っておられますか?医院によって、紙ベースの資料だったり、動画だったり様々だとは思いますが、重要なのは使い方です。

「これをご覧になってください」と資料や動画だけを見てもらう場合と、説明の課程で「ツールを使用する」場合ではどちらが理解が深まるでしょうか。

誰かが自分のために説明をしていれば、耳を傾けるでしょう。相づちをうったり、質問に答える必要があるからです。一生懸命話をしているのにまったく聞く耳をもたない人がいるなら、そんな人は放っておきましょう・・・。

では、とりあえず「渡すだけ」の場合はどうでしょうか?相づちは打たなくても良いですし、質問もしてきません。耳を傾けなくても相手がいないので、渡された物を見ずに自分のスマホをいじっていても良いのです。人が介さなくなればなるほど、「興味をもたなくても良い物」になってしまうのです。

あくまでも「物」を使うことは説明を補うための方法だということを忘れないでください。

③ 趣味趣向を捉える

最後に一番大切なポイントをお伝えします。

それは、患者さんに興味をもつことです。当然口腔内の事には興味をもって接していると思いますが、それだけではなく「患者さんの趣味趣向にも興味をもつ」のです。

患者さんの好きなこと、趣味趣向に「口腔内の知識」を絡めることで、ただ説明をするよりも「自分の口腔内に興味」をもちやすくなります。

例えば、スポーツをするのが好きな患者さんの場合にはどうでしょうか。

歯が無くなればスポーツする際に力が出ない。という話をすることもできるでしょう。また、スポーツをする際にどれくらい歯に負荷がかかっているかを意識している人はほとんどいません。それに絡めてマウスピースの話もできるでしょう。

患者さんの好きなことを聞き出すためには、どれだけ患者さんの「話を聴く」ことができるかにかかっているため少しハードルが高いように感じるかもしれませんが、これほど即効性のある方法はありませんので、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

ここまで読んでいただいた中で、こんな疑問を持った人もいるかもしれません。

「興味を持ってもらったら医院の売上が上がるのか」

「患者さんの口腔内のために自分達がここまで努力する必要があるのか・・・。」

「患者さんが興味をもてば医院にとって何か利益があるのか」

全ての疑問への答えは「YES」です。

私は「医院にとって利益になること」しかお話しません。

こちらから誘導や営業をしなくても、興味を持ってくれれば自分の歯を守るために行動してくれます。単に「売り上げが上がる」ということだけでなく、患者さんのためになればなるだけ医院にも何かしらの相乗効果が返ってきます。その事実に気付いている先生はもう行動しているのです。

ですが、残念ながら人間は忘れ行く生き物です。時が経てば興味も薄れてしまいます。定期的に連絡をとり「完全に忘れてしまう」ことが無いようにアプローチしましょう。一度つかんだチャンスは逃してはいけません。

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