「見やすい」「分かりやすい」を実現する!情報設計(IA)の基本

目次
1. 情報設計(IA)とは?なぜ歯科医院に必要なのか
2. 患者が迷わないサイト構造の作り方
3. 情報の優先順位の決め方
4. 効果的なカテゴリ分類の法則
5. ナビゲーション設計の5つの鉄則
6. ユーザーテストで情報設計を検証する方法
7. まとめ

 

1.情報設計(IA)とは?なぜ歯科医院に必要なのか

情報設計(Information Architecture、通称IA)とは、ホームページの情報を「整理・分類・構造化」する技術です。どんなに良いコンテンツがあっても、情報設計が悪ければ患者は目的の情報にたどり着けず、すぐに離脱してしまいます。

 

情報設計が悪いサイトの典型例

訪問者が「インプラントの費用を知りたい」と思ってホームページを訪れたとします。しかし、トップページを見ても費用情報へのリンクが見当たりません。「診療案内」をクリックしても、虫歯治療や歯周病治療の説明ばかり。ようやく「インプラント」のページを見つけても、費用の記載がない。結局、患者は諦めて競合医院のサイトへ移動してしまいます。

これは、情報設計が患者目線でなく、医院側の都合で作られているために起こる問題です。

良い情報設計がもたらす効果

N歯科医院では、情報設計を見直した結果、目的のページへの到達率が38%から72%に向上しました。その結果、問い合わせ数が月15件から34件へと2.3倍に増加しています。

情報設計の改善は、集患に直結する重要な施策です。

2.患者が迷わないサイト構造の作り方

サイト構造の基本形:3階層まで

ホームページの構造は、できるだけシンプルにすることが重要です。患者が目的の情報にたどり着くまでのクリック数は、3回以内が理想です。これを「3クリックルール」と呼びます。

4クリック以上必要になると、途中で諦める人が急増します。

推奨サイト構造

【第1階層:トップページ】

【第2階層:メインカテゴリ】

・診療内容

・医院紹介

・アクセス・予約

【第3階層:詳細ページ】

診療内容 → インプラント → 費用

診療内容 → 矯正歯科 → 治療の流れ

医院紹介 → 院長挨拶

医院紹介 → 設備紹介

この構造なら、どのページも「トップページ → カテゴリ → 詳細ページ」の3クリックで到達できます。

避けるべき深い階層構造

【悪い例:5階層】

 

トップ

診療案内

一般歯科

虫歯治療

虫歯の種類

C1の治療法

 

→ 5クリック必要、途中で離脱される

情報は浅く広く配置し、深掘りしたい人だけがさらに詳しいページに進める設計が理想です。

3.情報の優先順位の決め方

すべての情報を同じように扱うと、重要な情報が埋もれてしまいます。患者が最も知りたい情報を優先的に配置することが重要です。

患者が求める情報の優先順位

歯科医院のホームページ訪問者100人にアンケートを取った結果、以下の順位になりました。

1位: 診療時間・休診日(92%)

2位: 電話番号・予約方法(89%)

3位: アクセス・駐車場(85%)

4位: 治療費用(78%)

5位: 治療内容の詳細(72%)

6位: 院長・スタッフの紹介(58%)

7位: 院内の雰囲気・設備(54%)

8位: 患者の声・口コミ(47%)

この順位に従って、トップページの情報を配置します。最も重要な診療時間・電話番号はファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)に必ず入れます。

ファーストビューに入れるべき情報

ファーストビューとは、ページを開いた瞬間にスクロールせずに見える範囲のことです。ここに何を配置するかで、離脱率が大きく変わります。

【必須要素】

・医院名

・キャッチコピー(特徴を一言で)

・電話番号(大きく、タップ可能)

・診療時間

・予約ボタン

・メインビジュアル(院内または笑顔のスタッフ)

これらの情報があれば、患者は「この医院は何時まで?」「どうやって予約する?」という疑問を即座に解決でき、次のアクションに進めます。

4.効果的なカテゴリ分類の法則

情報をカテゴリに分類する際、患者の思考プロセスに沿った分類が重要です。

患者目線のカテゴリ分類

医院側の視点ではなく、患者が「何を知りたいか」を基準に分類します。

【医院目線の分類(NG)】

・保険診療

・自費診療

・訪問診療

 

→ 患者は「保険か自費か」で探さない

 

【患者目線の分類(OK)】

・虫歯・歯周病の治療

・白く美しい歯にしたい(ホワイトニング・セラミック)

・歯並びを治したい(矯正)

・失った歯を取り戻したい(インプラント・入れ歯)

・子供の歯を守りたい(小児歯科)

 

→ 患者の「悩み」「目的」で分類

患者は「自分の悩みを解決できるか」を基準にページを探します。「歯が痛い」「白くしたい」「子供の歯が心配」といった悩みベースでカテゴリを作ることで、目的のページに素早くたどり着けます。

カテゴリ数の最適解

カテゴリが多すぎると選択に迷い、少なすぎると1つのカテゴリ内の情報が多すぎて探せなくなります。

心理学の研究によれば、人間が一度に認識できる項目数は「7±2個」、つまり5〜9個です。これを「マジカルナンバー7」と呼びます。

歯科医院のメインカテゴリは、3〜5個が最適です。

【推奨カテゴリ構成】

 

  1. 診療内容
  2. 医院紹介
  3. アクセス・予約

 

または

 

  1. 診療内容
  2. 初めての方へ
  3. 医院紹介
  4. アクセス・予約
  5. よくある質問

これ以上増やすと、患者が迷います。

5.ナビゲーション設計の5つの鉄則

ナビゲーションとは、サイト内を移動するためのメニューやリンクのことです。分かりやすいナビゲーションは、患者の満足度を大きく向上させます。

鉄則1: グローバルナビゲーションは全ページ共通

グローバルナビゲーションとは、すべてのページの上部に表示される主要メニューのことです。

━━━━━━━━━━━━━━━━

[ロゴ] [診療内容] [医院紹介] [アクセス] [予約]

━━━━━━━━━━━━━━━━

このメニューは、どのページを見ていても同じ位置に同じ内容で表示されるべきです。ページごとにメニューが変わると、患者は混乱します。

鉄則2: 現在地を明示する

訪問者が「今、サイトのどこにいるのか」が分かるようにします。これを「パンくずリスト」と呼びます。

トップ > 診療内容 > インプラント > 費用

 

現在のページ: 費用

パンくずリストがあることで、階層構造が理解でき、前のページに戻りやすくなります。

鉄則3: リンクだと分かるデザイン

リンクは、一目で「クリックできる」と分かるデザインにします。

【分かりやすいリンク】

・下線がある

・色が変わっている(青など)

・マウスを乗せると変化する(ホバーエフェクト)

 

【分かりにくいリンク】

・通常の文字と同じデザイン

・リンクに見えない

特にスマホでは、タップできる要素とそうでない要素の区別が重要です。

鉄則4: 予約への導線を明確に

最終的なゴールは「予約」です。どのページからでも、1クリックで予約ページに行けるようにします。

【推奨配置】

・ヘッダーに「予約」ボタン(全ページ固定)

・記事の最後に「予約」ボタン

・画面下部に固定表示(スマホ)

予約ボタンは、他のリンクよりも大きく、目立つ色(オレンジ、赤、緑など)にします。

鉄則5: フッターに全情報へのリンク

フッター(ページ最下部)には、サイト内のすべてのページへのリンクを配置します。

【フッター構成例】

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

診療内容

・虫歯治療

・歯周病治療

・インプラント

・矯正歯科

・ホワイトニング

 

医院紹介

・院長挨拶

・スタッフ紹介

・院内設備

 

アクセス

・地図

・駐車場案内

 

お問い合わせ

・予約フォーム

・よくある質問

 

〇〇歯科クリニック

住所、電話番号、診療時間

━━━━━━━━━━━━━━━━

フッターは、ページを最後まで読んだ人が「次にどこへ行こうか」と迷った時のナビゲーションとして機能します。

6.ユーザーテストで情報設計を検証する方法

自分では完璧だと思っても、実際の患者にとっては使いにくい場合があります。ユーザーテストで検証することが重要です。

簡易ユーザーテストの方法

専門的なユーザーテストは高額ですが、簡易的なテストは自分でできます。

【準備】

・テスト参加者: 5人(患者または家族・友人)

・タスク: 「インプラントの費用を調べてください」など

 

【手順】

  1. 参加者にホームページを見せる
  2. タスクを伝える
  3. 操作を観察する(口出ししない)
  4. かかった時間を計測
  5. 終了後、感想を聞く

 

【評価】

・目的のページに到達できたか

・何クリックで到達したか

・迷った箇所はどこか

・改善すべき点はどこか

5人テストすれば、85%の問題点が発見できるという研究結果があります。

よくある問題点とその改善

【問題1: メニューの名前が分からない】

 

患者「『診療案内』って何?」

 

改善: 「診療案内」→「虫歯・歯周病の治療」など具体的に

 

【問題2: 電話番号が見つからない】

 

患者「電話番号はどこ?」

 

改善: ヘッダーに大きく表示

 

【問題3: 予約方法が分からない】

 

患者「どうやって予約するの?」

 

改善: 「予約」ボタンを全ページに設置

実際の患者の声を聞くことで、プロでも気づかない問題が見つかります。

7.まとめ

情報設計は、ホームページの「骨格」です。どんなに美しいデザインでも、どんなに優れたコンテンツでも、情報設計が悪ければ患者は迷い、離脱します。

患者目線で情報を整理し、3クリック以内で目的の情報にたどり着ける構造を作ることが成功の鍵です。

今日から改善する5つのチェックポイント

  1. ☐ サイト構造は3階層以内か
  2. ☐ ファーストビューに診療時間・電話番号があるか
  3. ☐ カテゴリは患者の悩みベースで分類されているか
  4. ☐ 予約ボタンは全ページにあるか
  5. ☐ パンくずリストで現在地が分かるか

制作会社への依頼テンプレート

件名: 情報設計の見直し依頼

 

お世話になっております。〇〇歯科クリニックの△△です。

 

現在のホームページは情報が探しにくいため、情報設計を見直したいです。

 

【依頼内容】

 

  1. サイト構造の再設計(3階層以内)
  2. カテゴリの見直し(患者目線)
  3. グローバルナビゲーションの改善
  4. パンくずリストの追加
  5. 予約ボタンの全ページ設置
  6. フッターの充実

 

ユーザーテストも実施したいです。

お見積りをお願いいたします。

改善後の目標

【現状】

目的ページ到達率: 38%

平均クリック数: 5.2回

問い合わせ数: 月15件

 

【3ヶ月後】

目的ページ到達率: 72%(1.9倍)

平均クリック数: 2.8回

問い合わせ数: 月34件(2.3倍)

 

効果:

患者が迷わず予約できる

予約率が2倍以上に向上

最後に

情報設計は、患者の時間を大切にすることです。「探しやすい」「分かりやすい」ホームページは、患者に「この医院は親切だ」という印象を与え、予約につながります。

「情報が整理されていない」「患者が迷っている」という院長先生は、株式会社リバティーフェローシップ(東京歯科経営ラボ)にご相談ください。

ユーザーテスト、サイト構造の再設計、ナビゲーション改善まで、患者が迷わないホームページ制作をトータルでサポートしています。

【無料診断受付中】 あなたのHP、患者は迷ってない?情報設計を無料で診断します。

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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