歯科医院ホームページ制作会社の提案書で必ずチェックすべき7項目
目次
1. 提案書の見方を知らないと騙される理由
2. 項目1:作業範囲の詳細記載
3. 項目2:医療広告ガイドライン対応
4. 項目3:SEO対策の具体的内容
5. 項目4:制作スケジュールと責任範囲
6. 項目5:費用の内訳と追加費用条件
7. 項目6:制作後のサポート体制
8. 項目7:実績と成果の具体的データ
提案書の見方を知らないと騙される理由
「提案書を見ても何をチェックすべきかわからない…」
ホームページ制作会社から提案書を受け取った院長先生から、このような相談をよくいただきます。確かに、専門的な内容が多く、どこが重要なポイントなのか判断が困難です。
しかし、提案書の見方を知らないと、後で深刻なトラブルに巻き込まれる可能性があります。実際に、「提案書には書いてあると思ったのに…」「こんなに追加費用がかかるなんて聞いていない」という相談が多く寄せられています。
優良な制作会社は詳細で分かりやすい提案書を作成しますが、悪質な業者は意図的に曖昧な表現を使い、後でトラブルの原因を作ります。提案書は「契約書の下書き」のようなものです。ここで曖昧な部分があると、必ず後で問題になります。
今回は、10年以上にわたって歯科医院のホームページ制作に携わってきた経験から、提案書で絶対にチェックすべき7つの項目を詳しく解説します。
項目1:作業範囲の詳細記載
提案書で最も重要なのは、どこからどこまでの作業が含まれているかの明確な記載です。曖昧な表現の提案書は絶対に避けてください。
危険な表現例 「ホームページ制作一式」「デザイン制作費」「システム開発費」などの一括表記は要注意です。何が含まれて何が含まれないかが不明確で、後でトラブルの原因となります。
優良な提案書の記載例
作業項目 |
詳細内容 |
含まれるもの |
サイト設計 |
構成・導線設計 |
ワイヤーフレーム、サイトマップ作成 |
デザイン制作 |
トップページ+下層5ページ |
PC版・スマホ版両対応 |
コンテンツ制作 |
原稿作成・写真撮影 |
8ページ分のライティング、院内撮影3時間 |
システム開発 |
お問い合わせフォーム |
入力項目10項目、自動返信機能 |
このように、具体的な内容と数量が明記されている提案書が信頼できます。
確認すべきポイント 制作されるページ数、デザインパターン数、写真撮影の有無、原稿作成の範囲、システム機能の詳細などを必ず確認しましょう。また、「○○については別途お見積もり」という項目がある場合は、その概算費用も確認が必要です。
項目2:医療広告ガイドライン対応
歯科医院のホームページには法的な規制があります。制作会社がこのガイドラインをどの程度理解しているかは、提案書の記載内容で判断できます。
必須記載事項 優良な制作会社の提案書には、医療広告ガイドラインへの対応について具体的な記載があります。「ガイドラインに準拠します」という一言だけでは不十分です。
具体的には、禁止表現のチェック体制、表現方法の提案、必要な注意書きの追加、定期的な見直し体制などが明記されているかを確認しましょう。
危険な提案書の特徴 医療広告ガイドラインについて全く触れていない、または「大丈夫です」としか書いていない提案書は危険です。これは制作会社がガイドラインを理解していない証拠です。
実際に、ガイドライン対応が不十分な制作会社に依頼した結果、保健所から指導を受けて全面修正が必要になった事例が多数報告されています。
項目3:SEO対策の具体的内容
「SEO対策込み」と書いてあっても、その内容は千差万別です。具体的に何をしてくれるのかを必ず確認しましょう。
基本的なSEO対策項目
内部SEO対策として、タイトルタグの最適化、メタディスクリプションの設定、見出しタグの適切な設定、内部リンク構造の最適化、画像のalt属性設定などが含まれているかを確認します。
外部SEO対策については、Googleマイビジネスの最適化、サイトマップの作成・送信、検索エンジンへの登録代行などが含まれているかをチェックしましょう。
注意すべき曖昧な表現 「検索上位表示をお約束」「1位獲得保証」などの表現がある提案書は避けてください。SEOの効果は多くの要因に左右されるため、具体的な順位を保証することは不可能です。
優良な提案書の特徴 「地域名+歯科」での上位表示を目指す、月1回のSEOレポート提供、競合分析の実施など、具体的で実現可能な内容が記載されています。
項目4:制作スケジュールと責任範囲
制作期間とそのスケジュール、遅延時の責任について明確に記載されているかを確認しましょう。
標準的な制作スケジュール 歯科医院のホームページ制作には通常2〜4ヶ月程度かかります。極端に短い期間を提示している場合は、手抜き工事の可能性があります。
ヒアリング・企画段階で2〜3週間、デザイン制作で3〜4週間、コーディング・システム開発で3〜4週間、テスト・修正で1〜2週間という流れが一般的です。
責任範囲の明確化 制作会社側の都合で遅延した場合のペナルティ、クライアント側の都合で遅延した場合の追加費用について明記されているかを確認します。
特に開業に合わせてホームページを制作する場合は、遅延による損失が大きいため、責任範囲を明確にしておくことが重要です。
項目5:費用の内訳と追加費用条件
料金の透明性は制作会社の信頼性を測る重要な指標です。内訳が詳細に記載されているかを必ず確認しましょう。
理想的な費用内訳の例
項目 |
金額 |
備考 |
企画・設計費 |
15万円 |
競合分析、サイト設計含む |
デザイン費 |
25万円 |
トップ+下層5ページ |
コーディング費 |
20万円 |
レスポンシブ対応込み |
コンテンツ制作費 |
10万円 |
8ページ分のライティング |
初期設定費 |
5万円 |
サーバー設定、ドメイン設定 |
合計 |
75万円 |
税別 |
このように項目ごとに金額が明記されていると、どの部分にどの程度の費用がかかっているかが分かり、比較検討もしやすくなります。
追加費用の発生条件 軽微な修正の範囲、大幅な変更の定義、追加ページ制作の単価、機能追加の費用体系などが明確に記載されているかを確認します。
「軽微な修正は無料」と書いてあっても、その「軽微」の定義が曖昧だと後でトラブルになります。具体的な例示があるかをチェックしましょう。
項目6:制作後のサポート体制
ホームページは制作して終わりではありません。継続的なサポートがどの程度提供されるかは非常に重要です。
サポート内容の確認項目
緊急時の対応時間とサポート方法について確認しましょう。平日9-17時のみなのか、土日祝日も対応可能なのか、電話・メール・チャットなどの連絡手段はどうなっているかを明確にします。
定期的なメンテナンス内容も重要です。セキュリティアップデート、バックアップ、動作確認などが含まれているかを確認しましょう。
- 月何回まで無料で更新作業を行ってくれるか • アクセス解析レポートの提供頻度 • 改善提案の有無と頻度 • サーバー・ドメイン管理の範囲
サポート期間と費用 無償サポート期間がどの程度設定されているか、その後の有償サポートの費用体系はどうなっているかを確認します。一般的には3〜6ヶ月の無償サポート期間があり、その後は月額1〜3万円程度の保守契約となることが多いです。
項目7:実績と成果の具体的データ
制作会社の実力は過去の実績で判断できます。提案書に具体的な実績データが記載されているかを確認しましょう。
信頼できる実績の記載例 単に「歯科医院の実績多数」ではなく、「過去3年間で歯科医院50件の制作実績、平均して制作後6ヶ月で月間新患数が2.3倍に増加」のような具体的な数値があると信頼できます。
成功事例については、制作前後の具体的な数値変化が示されているかを確認します。アクセス数の変化、問い合わせ数の変化、新患数の変化などが数値で示されていると説得力があります。
注意すべき曖昧な表現 「多くのクライアント様に満足いただいています」「効果を実感していただいています」のような主観的な表現だけの提案書は信頼性に欠けます。
参考になる情報 可能であれば、実際のクライアントの声を聞けるかどうかも確認してみましょう。優良な制作会社であれば、過去のクライアントを紹介してくれる場合があります。
制作会社の実績確認は、技術力だけでなく、継続的なクライアント関係を築けているかどうかの判断材料にもなります。長期間にわたって同じクライアントとの関係を維持している会社は、それだけサービスの質が高いと考えられます。
まとめ
歯科医院のホームページ制作会社の提案書では、作業範囲の詳細、医療広告ガイドライン対応、SEO対策内容、制作スケジュール、費用内訳、サポート体制、実績データの7項目を必ずチェックしましょう。曖昧な表現の提案書は後でトラブルの原因となります。透明性が高く、具体的な内容が記載された提案書を提出する制作会社を選ぶことが、成功への第一歩です。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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