歯科医院ホームページのアクセス解析入門!Googleアナリティクスの見方

「ホームページを作ったけれど、効果があるのかわからない」「どのページが患者に見られているの?」このような疑問を抱える歯科医院院長は多いでしょう。実際に、当社の調査では67%の歯科医院がGoogleアナリティクスを導入しているものの、そのうち活用できているのはわずか23%にとどまっています。

しかし、アクセス解析を適切に行っている歯科医院では、ホームページの改善により新患獲得数が平均38%向上しているというデータがあります。患者がどのページを見て、どこで離脱しているかを把握することで、効果的な改善策を講じることができるのです。

本記事では、歯科医院経営に忙しい院長でも理解できるよう、Googleアナリティクスの基本的な見方と、実際の改善につながる活用方法を分かりやすく解説します。データに基づいた効果的なホームページ運営を始めましょう。

目次
1. Googleアナリティクス導入の基本
2. 歯科医院が最初に見るべき重要指標
3. 患者の行動パターン分析方法
4. 効果的なページとコンテンツの特定
5. 改善につながる具体的な活用事例
6. 定期的な分析とレポート作成
7. まとめ

 

1. Googleアナリティクス導入の基本

設定と初期確認

Googleアナリティクスは無料で利用できる強力な解析ツールです。まだ導入していない場合は、制作会社に依頼するか、簡単な設定で開始できます。導入後は、データが正しく取得されているかを確認することから始めます。

設定完了後、約1週間でデータが蓄積され始めます。この期間中に、医院スタッフ自身のアクセスを除外する設定を行い、正確なデータ収集環境を整えることが重要です。また、目標設定として「予約フォーム送信」や「お問い合わせページ到達」を設定しておくと、より具体的な成果測定が可能になります。

管理画面の基本構成

Googleアナリティクスの画面は多くの情報で構成されていますが、歯科医院では主要な項目に絞って確認することで十分な効果が得られます。

左側のメニューから「リアルタイム」「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の5つのセクションを理解すれば、基本的な分析は可能です。各セクションには詳細な項目がありますが、最初は基本的なレポートから慣れていくことをお勧めします。

 

2.歯科医院が最初に見るべき重要指標

基本的な訪問者数と傾向

最初に確認すべきは、基本的な訪問者数とその傾向です。「ユーザー」セクションの「概要」で、過去1ヶ月間の訪問者数、ページビュー数、セッション数を確認します。

これらの数値自体よりも重要なのは、前月や前年同期との比較です。季節要因も考慮しながら、増減の傾向を把握します。一般的に、歯科医院のホームページでは平日のアクセスが多く、特に火曜日から木曜日にピークを迎える傾向があります。

新規訪問者とリピーター比率

「ユーザー」→「新規 vs リピーター」で、新規訪問者とリピーターの比率を確認できます。歯科医院では新規訪問者の割合が70-80%程度が理想的とされています。

新規訪問者が少ない場合は、SEO対策や広告展開の見直しが必要です。逆にリピーターが少ない場合は、サイトの内容に魅力が不足している可能性があります。継続的にサイトを訪問してもらえるよう、定期的な情報更新や有益なコンテンツの提供を心がけましょう。

モバイル vs デスクトップ利用状況

「ユーザー」→「モバイル」→「概要」で、デバイス別のアクセス状況を確認します。現在、歯科医院サイトの約75%がモバイルからのアクセスです。

デバイス

一般的な比率

主な利用シーン

モバイル

75%

急な痛み時の検索、移動中の情報収集

デスクトップ

20%

じっくりとした情報収集、家族での相談

タブレット

5%

家庭での情報閲覧

モバイル利用が多い場合は、スマートフォン向けの最適化が重要です。ページの読み込み速度、文字の大きさ、ボタンの押しやすさなどを重点的に改善しましょう。

 

3.患者の行動パターン分析方法

流入経路の把握と分析

「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」で、患者がどこからサイトに訪れているかを確認できます。歯科医院では主にGoogle検索(Organic Search)、直接アクセス(Direct)、SNS経由(Social)などが主要な流入源となります。

Google検索経由が50%以上を占めることが理想的です。この比率が低い場合は、SEO対策の強化が必要です。逆に直接アクセスが多い場合は、医院の認知度が高いことを示しています。SNS経由のアクセスが増加傾向にある場合は、SNS投稿の効果が現れていることが分かります。

検索キーワードの分析

患者がどのようなキーワードで検索してサイトに到達しているかを把握することで、患者のニーズを理解できます。「集客」→「Search Console」→「検索クエリ」で確認できます。

地域名と「歯科」「歯医者」の組み合わせが多いのは自然ですが、「インプラント」「ホワイトニング」「小児歯科」など、具体的な治療名での検索も重要です。これらのキーワードで上位表示されている場合は、該当する治療の問い合わせにつながりやすい傾向があります。

ページ別の滞在時間と離脱率

「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」で、各ページの詳細な分析ができます。特に注目すべきは「平均滞在時間」と「離脱率」です。

滞在時間が長いページは、患者にとって有益な情報が含まれていることを示しています。一方、離脱率が高いページは改善の余地があります。特に予約フォームや診療案内ページで離脱率が高い場合は、情報の分かりやすさや操作性に問題がある可能性があります。

 

4.効果的なページとコンテンツの特定

人気ページランキングの活用

「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」で、アクセス数の多いページを確認できます。上位ページは患者のニーズが高い内容であることが分かります。

トップページの次に、どのページがよく見られているかを分析することで、患者の関心事を把握できます。治療内容の説明ページ、料金案内ページ、アクセス情報ページなどが上位に来ることが一般的です。意外なページが上位にある場合は、そのページの内容を他のページでも活用できないか検討しましょう。

コンバージョンページの分析

設定した目標(予約フォーム送信など)に至るまでの経路を「コンバージョン」→「目標」→「目標フロー」で確認できます。どのページを経由して予約に至っているかを把握することで、効果的な導線を理解できます。

例えば、「治療内容ページ→料金ページ→予約フォーム」という流れが多い場合、治療説明と料金情報の充実が予約につながることが分かります。途中で離脱が多いページがあれば、そこを重点的に改善することで予約数の向上が期待できます。

コンテンツの改善ポイント特定

滞在時間が短い、または離脱率が高いページについては、具体的な改善策を検討します。ページの読み込み速度、情報の分かりやすさ、画像の適切性、お問い合わせへの導線などを総合的に見直します。

特に重要なのは、患者が求めている情報と実際のページ内容にギャップがないかの確認です。検索キーワードとページ内容が一致していない場合、患者はすぐに離脱してしまいます。患者の期待に応える内容になっているか、定期的に見直しを行いましょう。

 

5.改善につながる具体的な活用事例

新患獲得数向上の成功例

東京都内のA歯科医院では、アクセス解析により「小児歯科」のページへのアクセスが多いものの、予約につながりにくいことが判明しました。詳細分析の結果、料金情報が不明確で、保護者が不安を感じていることが原因と分かりました。

料金表の詳細化と、小児歯科治療の流れを写真付きで説明するページを追加した結果、3ヶ月後には小児患者の新患数が42%増加しました。このように、データに基づいた具体的な改善により、明確な成果を得ることができます。

ページ改善による予約率向上

B歯科医院では、インプラント治療ページのアクセス数は多いものの、問い合わせが少ない状況でした。ページ分析により、専門用語が多く、患者にとって理解しにくい内容であることが判明しました。

内容を患者目線で分かりやすく書き直し、治療の流れを図解で説明、患者の不安を解消するQ&Aコーナーを追加しました。結果として、インプラント治療の問い合わせが6ヶ月で3倍に増加しました。

モバイル最適化による効果

C歯科医院では、モバイルアクセスが80%を占めているにも関わらず、予約フォームの入力完了率が低い状況でした。モバイル版のユーザビリティを詳細分析したところ、フォームの入力項目が多すぎることが問題でした。

必須項目を最小限に絞り、入力しやすいフォーム設計に変更した結果、モバイルからの予約完了率が2.5倍に向上しました。

 

6.定期的な分析とレポート作成

月次レポートの作成方法

効果的なサイト運営のためには、月1回程度の定期的な分析が重要です。基本的な指標を時系列で追跡し、変化の傾向を把握します。

月次レポートでは、訪問者数、ページビュー数、新規訪問者率、人気ページランキング、コンバージョン数などの基本項目を確認します。前月との比較に加えて、前年同月との比較も行うことで、季節要因を考慮した分析が可能になります。

改善施策の効果測定

ホームページに変更を加えた場合は、その効果を数値で測定することが重要です。変更前後のデータを比較し、改善効果を定量的に評価します。

例えば、新しいページを追加した場合は、そのページのアクセス数と滞在時間を測定します。問い合わせフォームを改善した場合は、完了率の変化を確認します。このように、施策と結果を結びつけることで、より効果的な改善を継続できます。

スタッフとの情報共有

分析結果は院長だけでなく、スタッフとも共有することで、医院全体でのホームページ活用意識を高めることができます。どのようなページが患者に人気なのか、どんな情報が求められているのかをスタッフが理解することで、日常の患者対応にも活かすことができます。

 

7.まとめ

Googleアナリティクスは、歯科医院のホームページ改善において強力なツールです。難しそうに見える数値も、基本的なポイントを押さえることで、患者のニーズを理解し、効果的な改善策を見つけることができます。

重要なのは、完璧な分析を目指すのではなく、患者目線で「なぜこの数値になっているのか」を考えることです。データの背景にある患者の行動や心理を理解することで、より良いホームページづくりにつなげることができます。

まずは月1回、基本的な指標を確認することから始めてみてください。継続的な分析と改善により、ホームページが患者獲得の強力な武器となることでしょう。データに基づいた客観的な判断により、より効果的で患者に愛されるホームページを実現してください。

 

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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