「情報」で失敗しない歯科医院経営
こんにちは。歯科医院専門経営コンサルタントの小澤です。
今回のコロナ禍では、インターネットや様々なメディアによる「情報」によって、歯科医院でも多かれ少なかれ様々な影響を受けています。
今は、誰でも容易に様々な「情報」を得ることができます。しかし、中にはデマや間違って伝わってしまった情報も多く、そういった情報に踊らされてしまう人も少なくありません。
歯科治療に関しても、インターネットなどを検索すればたくさんの情報が出てきます。
患者さんの中にはインターネットの情報に惑わされて、目の前で治療に当たってくれている先生たち「専門家」の意見を信じようとしない人さえいます。
情報過多による悪影響が生じていますが、経営者である院長にとってはその「情報」を利用することが成功のカギにも、失敗の原因にもなりえるのです。今回は、歯科医院を経営する皆さんにとってどのように「情報」を扱うべきかについてお話したいと思います。
情報は腐るもの
情報は、時代と共に目まぐるしく変化します。時間が経てば腐ってしまう、生ものなのです。いくら良い情報でも、すぐに陳腐化してしまいます。
少し想像してみてください。
美味しいと評判のお肉を買いました。
購入した時は早く食べたくてワクワクしますよね。手に入れてからすぐに食べた人は、美味しく味わうことができるでしょう。
しかし、せっかく買った美味しいお肉も、今日は時間が無いからまた明日、また明日・・・と、長い時間放置してしまったらどうなるでしょうか。
考えるまでもありませんが・・・。
腐って食べることが出来なくなります。
買ってすぐは「価値」がありますが、時間が経ってしまえば、もはや触る事すら躊躇してしまうただのゴミになってしまうのです。
現代社会での情報は、それとよく似ています。しかも、まるで真夏のベランダに放置したお肉のように、本当にあっという間に腐ってしまうのです。
陳腐化してしまった情報は、時代遅れで見向きもされなかったり、医院の価値を下げてしまう危険なものになってしまう可能性があります。
情報を成功のカギにするために
先に述べたように、情報は「成功のカギ」にも「失敗の原因」にもなりえます。いつまでも古い情報が更新されないことに価値があるでしょうか。
私たちコンサルタントにとっても耳が痛い話ですが、調べればなんでも分かる今の時代、なんだ専門家って言ってもこの程度か・・・。そんな風に思われてしまう可能性も十分にありえるのです。
今のカウンセリングの内容は?
患者さんへ提供している資料は?
院内の掲示物は?
更新されているでしょうか?
やり方が変わったら患者さんが戸惑うのでは・・・という不安の声をよく聞きますが、それは間違いです。
世の中の情報が変化するということは、患者さんの知識や考え、気持ちも変化していきます。患者さんにとってインターネットの情報よりも信頼できる専門家になるためには、絶えずアンテナをはり、新しく優れた情報を得て、医院も常に変化し続けなければなりません。
モノゴトの重要度の差
とはいえ、目まぐるしいスピードで変化する高度情報化社会の中では、間違った情報も多く見られます。その中で、優れた情報を取捨選択し医院が変化し続けるために、院長は極めて厳しい判断に迫られる場合があります。
特に緊急を要する場合。優れた情報を得ることが直接医院の経営を左右してしまう可能性すらあるのです。
そこで意識して欲しいのが、モノゴトの重要度の差。
利益のために情報を探すのではなく、優れた情報を得て自ら変化することで利益を生みます。そして何よりも、優れた情報を発信する人とのネットワークや、優れた情報を得ることができる人を採用することのほうがより重要になってきます。
順番が違うだけじゃないか。と思うかもしれませんが、利益のためだけに探した情報は「都合の良い情報」だけになります。そして「楽なこと」に逃げがちです。
患者さんも同じことが当てはまります。
歯が痛くなったとき、まず似たような症状をインターネットで検索します。そして、出来るだけ軽い症状の情報を探し、気持ちを安心させるのです。
「大した事はないだろう」
そうやって自分の置かれた状況に目をつぶり、抜かなくても良かった歯を失ってしまった患者さんのことを先生はたくさんご存知なのではないでしょうか。
そんな患者さんに、優れた情報を発信し続けてくれる頼れる歯科医院があれば・・・。「気持ちを安心させるための情報」を検索しなくても済みます。そして結果として、口腔内の健康が守られるのです。
今挙げた患者さんの例を見て、ハッとされた先生もいらっしゃるのではないでしょうか。医院の抱える根本的な問題に目をつぶり、なるべく楽な方法で経営改善を試みる先生も少なく無いのです。
間違った情報や都合の良い情報に惑わされることの無いよう、何が本当に重要なのか?を常に意識してみましょう。
まとめ
優れた情報によって医院が変化するためには、院長がリーダーとして「目的」をしっかり定め、それをスタッフに伝える必要があります。
そして「目的」を達成するために、スタッフが成長できるようにサポートしてください。命令や指示ではなく、自らが考えて行動できる力を育てるのです。
極端な話ですが「目的」のための手段は、スタッフそれぞれが違っていても良いのです。
そして院長のはったアンテナで手に入れた情報は、すぐにスタッフにも共有しましょう。その優れた情報は、スタッフ自らが「目的」に当てはめて考え、医院全体が更新されていくのですから・・・。
とはいえ、人間は「変化」を嫌う生き物です。変わりたくても変われない、そんな問題を抱えている先生も多いと思います。背中を押して欲しい時にはいつでもご連絡ください。
スタッフマネジメントに関しては、こちらのコラムも参考にされてください。
参考文献
深化する日本の経営,岡本大輔・古川靖洋・佐藤和・馬場杉夫,千倉書房,2015.
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