スタッフ問題解決?!院長に求められる資質とは・・・。
歯科コンサルタントの小澤直樹です。今回は、歯科医院の中でも特に深刻な問題ともいえる「スタッフマネジメント」に関するお話です。
厚生労働省の調べによると、平成30年12月の有効求人倍率は1.63倍となっており年々増加傾向にあります。歯科医院だけに限らず、これから益々「求職者」が「働き先」を選ぶ時代になるでしょう。
もくじ
そんな時代だからこそ求められているのは経営者のリーダーシップです。
賢い人、つまり医院にとって有益な人材ほど、上辺だけのマネージメントでは辞めていってしまいます。なぜなら、優秀な人材ほど「働き先」はたくさんありますし、その事実を知っているからです。
今はスタッフが充実しているしこの話は関係ないと思っている先生も、明日は我が身かもしれません。ぜひ「リーダーシップ」とは何か、最後までお読みください。
1.俺についてこい!はもう古い
いわゆる「ワンマン経営」とも言われるタイプの「支配型リーダーシップ」。酷い経営者の場合には、従業員を道具のように扱い、経営者の考える理想を押しつけたり、とにかく「支配」したがります。昔多く見られたタイプですが、残念ながらまだまだ多く存在します。
支配型リーダーのすべてが悪いわけではなく、明確なビジョンや戦略があり、従業員を率いて立派に業績を上げている人もいます。ただし成功できるのは一握りです。
従業員が経営者を尊敬している場合には「支配型リーダー」にもしっかりついていきます。しかし、そうではない場合、支配型の経営者に対して従業員は必ず不満を抱き、辞めてしまいます。人が入れ替わり立ち代わり変わっていれば、そのうち「働き手」が底を尽きるでしょう。
2.今の時代のリーダーとは
今の時代に適したリーダーシップ論の中には、「ホリゾンタル・リーダーシップ」「オープン・リーダーシップ」なども挙げられますが、歯科医院で一番当てはめやすいのは「サーバント・リーダーシップ」だと言えます。
サーバントとは、使用人や召使いのような意味がありますが、「サーバント・リーダーシップ」は、「支援型リーダーシップ」と言われています。
スタッフ自らが考え、行動し、それが医院にとっての利益につながるように、院長(経営者)がサポートするという考え方です。
3.サーバント・リーダー5つのスキル
サーバント・リーダーについて本気で取り組みたい場合は、書籍なども出ていますのでぜひ参考にしてみてください。今回は、一日でも早く現状を打破したいとお考えの先生のために、明日からでも出来るスキルを5つご紹介します。ぜひ、やりやすいところから実践してみてください。
しっかり話を聴く
これは、一番簡単なようで、一番難しいスキルです。患者さんに対してはできるのに、スタッフにはできない・・・・。という人も多い「難関」です。
しかし、話を聴いてくれないリーダーの言うことはスタッフも聴きたくありません。
スタッフは自分を映す鏡だと思いましょう。
「スタッフが自分の話や指導を全然聞かない」多くの場合は、「先生もスタッフの話を聞いていない」のです。
不満でも嬉しかったことでも、休憩中の雑談でも、親身になって話を聴く姿勢を見せるだけで、スタッフに与える印象は必ず変わります。
命令しない
施術中に器具を取ってもらうのは仕方ありませんが、基本的には「あれして」「これやっといて」というような指示の仕方はやめましょう。これも難しいですよね。
しかし、スタッフが「自分で考え、医院の利益になるために行動する」ようになるためには院長が先回りをして「命令」するのはスタッフの成長の妨げになります。
一刻の猶予も無いような緊急の場合を除き、基本的にはまず目的を話し、どうすれば良いのかスタッフの意見を聴き、行動を導き出すサポートをしましょう。
ビジョンを共有する
院長の中で目標やビジョンが定まっていなければ、スタッフはどこに進めばいいか分からず、バラバラになってしまいます。
歯科の場合は特に「チーム力」が必要不可欠ですので、まずは院長の中でビジョンを明確にし、それをスタッフにもきちんと共有しましょう。
同じ目標に向かって、みんなで一緒に成長していけるのが理想の「チーム」です。
育てる
物理的に指導をして育てる。というよりは、スタッフの能力を理解し、最大限に発揮できる場所を用意し、「スタッフ自身の力で成長してもらう」お手伝いをします。
例えば、こんな研修を受けてみたいと言われれば、快く送り出してあげましょう。研修で学んだことを親身になって聴き、アドバイスやサポートが出来れば完璧です。
また一人一人の短所や長所を理解し、長所はより伸ばせるように、短所を補えるように役割を与えましょう。
話をする
コミュニケーションを増やしましょう。ミーティングやお食事会などを定期的に開き、先生が意見を言う場ではなく、みんなで色々な話をする場を設けることが大切です。
スタッフ同士の意思の疎通も出来ますし、みんなが成長するうえで相乗効果を生みます。頑張っている人が輝いていれば、自然とほかの人達も頑張れます。
ただし、スタッフとの関係があまり良好でない場合、最初から形式ばったミーティングをしたり、勤務終了後にお食事会を開いたりすると、逆効果を与えてしまう場合があります。
スタッフとギクシャクしてしまっている場合、まずは、ランチミーティングにしたり、スタッフの誕生日などのイベント時にみんなでケーキを食べるなどの軽い物にしましょう。
ポイントは「みんなが楽しんでくれることを喜ぶ」ことです。院長が積極的に話をしなければいけないわけではありませんのでご安心ください。
4.まとめ
「自分のやり方について来られないやつは辞めてしまえばいい。」
もう、そんな事を言っていられる時代ではなくなりました。もしスタッフの採用問題が慢性的になっているのであれば、次のように自問自答してみてください。
今いるスタッフ、これから入るスタッフを「当たり前」だと思ってはいけません。医院を成長させるためには、スタッフの協力が必要不可欠です。先生が一人で出来ることは限られているからです。
しかし、先生がサーバントリーダーになって頑張っていても、中には和を乱してしまうようなスタッフもいるでしょう。
先生の努力ではどうしようもないスタッフがいる場合には、辞めてもらうしかありません。辞めさせ方にも色々ありますが、その話はまた別の機会に・・・。
話をすることで、頭や気持ちが整理され解決の糸口が見える事もあります。もし一人で悩まれているのであれば、いつでもご相談ください。
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