開業前に知っておきたい歯科医院の立地選びと物件評価のポイント

歯科医院の開業において、立地選びは成功を左右する最も重要な要素の一つです。どれだけ優れた技術を持っていても、患者が来なければ医院は成り立ちません。一度開業すると、立地を変更することは非常に困難です。開業前に十分な調査と検討を行い、最適な立地を選びましょう。

本記事では、歯科医院の立地選びにおける重要なポイントと、物件を評価する際のチェック項目を解説します。

 

 ━目 次━
 1. 立地選びの基本的な考え方
 2. 立地タイプ別の特徴
 3. 物件評価のチェックポイント
 4. 商圏分析の方法
 5. まとめ

 

1. 立地選びの基本的な考え方

歯科医院の立地選びでは、いくつかの基本的な考え方を理解しておく必要があります。まず、ターゲット患者を明確にすることです。ファミリー層を狙うのか、ビジネスパーソンを狙うのか、高齢者を狙うのかによって、最適な立地は異なります。

次に、競合の状況を把握することです。歯科医院が既に多数存在するエリアでは、差別化が難しくなります。一方で、まったく歯科医院がないエリアは、そもそも人口が少ない可能性もあります。適度な需要と競合のバランスを見極めましょう。

そして、長期的な視点を持つことです。現在は良くても、将来的に人口が減少するエリアや、競合が増えそうなエリアは避けた方が良いでしょう。都市計画や再開発の情報も確認しましょう。

 

2. 立地タイプ別の特徴

駅前・繁華街

駅前や繁華街は、人通りが多く、視認性が高いため、新患を獲得しやすい立地です。特に、ビジネスパーソンや若い世代をターゲットにする場合に適しています。一方で、賃料が高く、駐車場の確保が難しいというデメリットがあります。競合も多い傾向にあります。

住宅街

住宅街は、地域密着型の医院に適しています。ファミリー層や高齢者をターゲットにしやすく、かかりつけ医として長期的な関係を築きやすいです。賃料も比較的抑えられます。一方で、新患の獲得に時間がかかることがあります。駐車場を確保できると有利です。

ロードサイド

幹線道路沿いのロードサイドは、車での来院を前提とした立地です。駐車場を広く確保でき、車社会の地域では有利です。看板の視認性も高く、認知を得やすいです。一方で、徒歩圏の患者は少なく、駐車場の整備費用がかかります。

商業施設・医療モール内

ショッピングモールや医療モール内のテナントとして開業する方法もあります。集客力があり、買い物ついでの来院が期待できます。医療モールでは、他の診療科との連携も可能です。一方で、賃料が高く、営業時間の制約がある場合もあります。

 

3. 物件評価のチェックポイント

視認性・アクセス

物件の視認性は非常に重要です。通行人や車から見えやすい場所にあるか、看板を出せるスペースがあるかを確認しましょう。また、最寄り駅やバス停からの距離、駐車場の有無、車でのアクセスのしやすさもチェックします。

広さ・レイアウト

必要な広さは、診療ユニットの数や設備によって異なりますが、一般的に30〜50坪程度が目安です。受付、待合室、診療室、技工室、スタッフルーム、トイレなどを配置できるか、レイアウトをシミュレーションしましょう。
天井高、窓の位置、柱の位置なども重要です。歯科ユニットの設置に必要な配管工事が可能か、電気容量は十分かも確認が必要です。

周辺環境

周辺にどのような施設があるかを確認しましょう。学校、保育園、住宅、オフィスビルなどがあれば、潜在患者が多いと考えられます。競合の歯科医院の数と距離も把握しておきましょう。
また、将来的な変化も考慮します。大型マンションの建設予定、商業施設の開発計画、道路の拡張計画などがあれば、プラスにもマイナスにもなり得ます。

賃料・契約条件

賃料は固定費として毎月かかるため、売上予測とのバランスを考慮しましょう。一般的に、賃料は売上の10%以下に抑えることが望ましいとされています。

契約期間、更新条件、退去時の原状回復義務、造作譲渡の可否なども確認が必要です。歯科医院は内装に多額の投資をするため、契約条件は慎重に検討しましょう。

 

4. 商圏分析の方法

開業候補地の商圏を分析することで、どの程度の患者数が見込めるかを予測できます。まず、商圏内の人口を調べます。歯科医院の商圏は、一般的に半径500m〜1km程度とされています。市区町村のホームページや、国勢調査データなどで人口を確認できます。

次に、商圏内の競合を調べます。歯科医院の数を数え、1医院あたりの人口を算出します。全国平均は約1,700人に1医院ですが、地域によって大きく異なります。
さらに、人口構成も確認しましょう。若い世代が多いエリアと、高齢者が多いエリアでは、求められる診療内容が異なります。

 

5. まとめ

歯科医院の立地選びは、開業の成否を左右する重要な決定です。ターゲット患者を明確にし、駅前、住宅街、ロードサイド、商業施設などの立地タイプごとの特徴を理解した上で、自院に最適な場所を選びましょう。

物件を評価する際は、視認性、アクセス、広さ、周辺環境、賃料などを総合的にチェックします。商圏分析も行い、どの程度の患者が見込めるかを予測しましょう。
焦らず、複数の物件を比較検討し、納得のいく立地を選ぶことが、成功への第一歩です。

 

【ご相談・お問い合わせ】

  • 株式会社リバティーフェローシップ
    東京歯科経営ラボ
  • TEL:03-4405-6234
  • メール:n-ozawa@tdmlabo.com
  • Web:https://tdmlabo.com/

 

 

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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