競合医院との差別化ポイントの見つけ方と打ち出し方

歯科医院の数がコンビニより多いと言われる現在、患者に選ばれるためには他院との差別化が欠かせません。しかし「うちには特別な強みがない」と感じている院長も多いのではないでしょうか。

実は、どの医院にも必ず強みはあります。問題は、その強みを言語化できていない、または適切に伝えられていないことです。本記事では、自院の差別化ポイントを見つける方法と、見つけた強みを効果的に打ち出す方法を詳しく解説します。

 

 ━目 次━
 1. なぜ差別化が必要なのか
 2. 差別化の4つの方向性
 3. 自院の強みを見つける5つの質問
 4. 競合分析の進め方
 5. 差別化ポイントの打ち出し方
 6. 差別化の注意点
 7. まとめ

 

1. なぜ差別化が必要なのか

患者が歯科医院を選ぶとき、多くの場合「地域名+歯医者」で検索し、表示された複数の医院を比較します。このとき、どの医院も同じように見えると、患者は「とりあえず近いところ」「口コミが多いところ」といった消極的な理由で選ぶことになります。

明確な差別化ポイントがあれば、「この悩みを解決してくれそう」「自分に合っていそう」と積極的に選んでもらえます。差別化は単なるマーケティング手法ではなく、患者と医院の適切なマッチングを促進するものです。

 

2. 差別化の4つの方向性

差別化の方向性は大きく4つに分類できます。自院の状況に照らし合わせ、どの方向性で差別化できるかを検討します。

方向性

具体例

向いている医院

診療内容での差別化

矯正専門、インプラント専門、予防歯科特化

専門性を持つ医院、設備投資ができる医院

患者体験での差別化

痛みの少ない治療、待ち時間ゼロ、丁寧な説明

オペレーション改善に取り組める医院

ターゲット特化での差別化

働く女性向け、シニア専門、子育てママ向け

特定層のニーズを理解している医院

地域性での差別化

唯一の○○導入医院、土日祝診療、駅直結

地域の競合状況を分析できる医院

診療内容での差別化

最もわかりやすい差別化は、診療内容での専門特化です。「矯正専門」「インプラント専門」「小児歯科専門」など、特定の診療に特化することで、その分野のニーズを持つ患者から選ばれやすくなります。

専門特化以外にも、技術力や設備での差別化も可能です。マイクロスコープを使った精密治療、無痛治療へのこだわり、最新CTの導入、完全個室診療などが例として挙げられます。

ただし「なんでもできる」をアピールするのは逆効果です。すべてが中途半端に見え、差別化になりません。強みを絞り込み、深掘りすることが重要です。

患者体験での差別化

診療内容以外にも、患者が体験するすべての要素が差別化の対象になります。

患者体験の要素

差別化のポイント

待ち時間

予約制の徹底、待ち時間ゼロを目指す

痛みへの配慮

表面麻酔、電動麻酔器、痛みの少ない治療

説明の丁寧さ

画像を使った説明、治療計画書の作成

予約の取りやすさ

Web予約24時間対応、当日予約可

院内環境

清潔感、個室診療、キッズスペース

ターゲット特化での差別化

すべての患者に来てもらおうとするのではなく、特定の患者層にフォーカスする方法です。ターゲットを絞ることで、その層のニーズに深く応えることができます。

例えば、「働く女性のための歯科」として平日夜間・土日診療を充実させる、「シニア専門歯科」として訪問診療や入れ歯治療に特化する、「子育てママのための歯科」としてキッズスペースや託児サービスを提供するといった形です。

地域性での差別化

地域の特性や競合状況を活かした差別化です。「この地域で唯一マイクロスコープを導入」「この地域で唯一土日祝も診療」といった打ち出し方ができれば、強力な差別化になります。

 

3. 自院の強みを見つける5つの質問

差別化の方向性を理解した上で、自院の具体的な強みを見つけるための質問に答えてみてください。

質問

回答から見つかる強み

患者から褒められることは何か

患者が実際に価値を感じているポイント

リピートする患者は何を理由に通っているか

継続来院の決め手となる要素

他院から転院してきた患者の理由は何か

他院にない自院の優位性

スタッフが「うちの良いところ」として挙げることは何か

内部から見た強み

院長自身がこだわっていることは何か

医院の根幹にある価値観

 

4. 競合分析の進め方

自院の強みを相対化するために、競合分析も行います。周辺の競合医院を調査し、差別化の余地を探ります。

調査項目

確認方法

着目点

打ち出している特徴

ホームページ、GBP

競合が強調していること

診療内容

ホームページ

力を入れている診療

診療時間

ホームページ、GBP

対応できていない時間帯

口コミの内容

Google口コミ

患者が評価・不満に思っていること

設備・環境

ホームページ、口コミ

導入していない設備

 

5. 差別化ポイントの打ち出し方

キャッチコピーへの落とし込み

差別化ポイントが見つかったら、それを端的に表現するキャッチコピーを作ります。一言で伝わる表現を目指します。良いキャッチコピーの例として、「痛みの少ない治療にこだわる歯科」「予防を大切にする家族の歯医者」「働く人のための通いやすい歯科」などがあります。

ホームページでの訴求

ホームページは差別化ポイントを伝える最重要媒体です。トップページのファーストビューで差別化ポイントを明示し、詳細ページで具体的に説明します。文字だけでなく、写真や動画も活用します。

Googleビジネスプロフィールでの表現

Googleビジネスプロフィールの説明文や投稿機能を使って、差別化ポイントを発信します。説明文には差別化ポイントを盛り込み、投稿機能では「当院の特徴」「選ばれる理由」といった情報を定期的に発信します。

院内での体現

差別化ポイントは、打ち出すだけでなく、実際の診療で体現することが重要です。院長だけでなく、スタッフ全員が差別化ポイントを理解し、患者対応に反映させることで、一貫した体験を提供できます。

 

6. 差別化の注意点

差別化を考える際の注意点として、競合と同じ土俵で戦わないことがあります。近隣に矯正専門医院があるのに同じ矯正で勝負しても苦戦します。競合が手薄な領域を狙う方が賢明です。

また、差別化ポイントは時間とともに陳腐化します。かつては「完全予約制」が珍しかったですが、今では当たり前になっています。定期的に差別化ポイントを見直し、進化させ続けることが必要です。

 

7. まとめ

差別化ポイントを見つけるには、診療内容、患者体験、ターゲット患者、地域性の4つの方向性から自院の強みを分析します。患者から褒められること、リピートの理由、他院からの転院理由などに差別化のヒントが隠れています。

見つけた差別化ポイントは、キャッチコピーへの落とし込み、ホームページでの訴求、Googleビジネスプロフィールでの発信、院内での体現を通じて、一貫して打ち出すことが重要です。

すべての医院に必ず強みはあります。それを言語化し、適切に伝えることで、患者に選ばれる医院になることができます。

 

【ご相談・お問い合わせ】

  • 株式会社リバティーフェローシップ
    東京歯科経営ラボ
  • TEL:03-4405-6234
  • メール:n-ozawa@tdmlabo.com
  • Web:https://tdmlabo.com/

 

 

投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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