歯科医院のホームページ制作で絶対に避けるべき業者の特徴5選
目次
1. 悪質業者に騙される歯科医院が急増中
2. 特徴1:甘すぎる営業トークで契約を急かす
3. 特徴2:医療広告ガイドラインを理解していない
4. 特徴3:極端に安い料金設定の裏側
5. 特徴4:実績の詳細を明かさない
6. 特徴5:制作後のサポート体制が不透明
7. 被害を避けるための具体的対策
悪質業者に騙される歯科医院が急増中
「こんなはずじゃなかった…」
ホームページ制作を依頼した後で、このように後悔している院長先生からの相談が急増しています。我々のもとには、悪質な制作業者による被害相談が月に12件以上寄せられており、その被害総額は1件あたり平均150万円にも上ります。
なぜこれほど多くの歯科医院が悪質業者に騙されてしまうのでしょうか。最大の理由は、歯科医院のホームページ制作市場が急拡大する中で、専門知識を持たない業者や悪意のある業者が参入してきているからです。
特に問題なのは、これらの悪質業者が巧妙な営業手法を用いて、一見すると優良業者のように見せかけることです。表面的な営業トークや魅力的な提案に惑わされて契約し、後で深刻な問題に直面するケースが後を絶ちません。
しかし、悪質業者には共通した特徴があります。これらの特徴を知っていれば、被害を避けることができます。今回は、絶対に避けるべき業者の5つの特徴を詳しく解説し、大切な医院を守るための知識をお伝えします。
特徴1:甘すぎる営業トークで契約を急かす
悪質業者の最も典型的な特徴は、現実的ではない甘い営業トークで院長先生を魅了し、冷静な判断をする時間を与えずに契約を急かすことです。
危険な営業トークの実例
「当社なら月30人の新患獲得を保証します」「SEO対策で地域1位を確約」「初期費用0円で始められます」「今月中に契約すれば半額」といった言葉が出てきたら、即座に警戒してください。
実際に被害に遭ったA院長は振り返ります。「『他院では月40人の新患を獲得している』と言われ、すぐにでも始めたくなりました。でも、後で考えれば非現実的な数字でした」
契約を急かす手法
急かし方法 |
実際の目的 |
対処法 |
「今月限定の特別価格」 |
冷静な検討を阻止 |
必ず他社と比較検討する |
「枠が埋まりそう」 |
希少性を演出して判断力を鈍らせる |
本当に良い業者なら待ってくれる |
「他院も検討中」 |
競争心を煽る |
焦らずに自院の基準で判断 |
優良な制作会社は、十分な検討時間を提供し、無理に急かすことはありません。「じっくり検討してください」と言える業者こそ信頼できます。
見極めのポイント
営業担当者が「すぐに決める必要はありません。他社とも比較してください」と言えるかどうかで、その業者の誠実さを測ることができます。自社のサービスに自信があれば、比較されることを恐れないはずです。
特徴2:医療広告ガイドラインを理解していない
歯科医院のホームページには法的な規制があり、これを理解していない業者は絶対に避けるべきです。ガイドライン違反は院長先生の責任となり、最悪の場合は行政処分を受ける可能性があります。
チェック方法
営業担当者に「医療広告ガイドラインについて説明してください」と質問してみましょう。専門知識のある業者であれば、禁止表現、表示義務、注意事項などについて具体的に説明できます。
「大丈夫です」「心配ありません」のような曖昧な回答しかできない業者は、ガイドラインを理解していない可能性が高いです。
実際の被害事例
B歯科医院は、ガイドラインを理解していない業者に依頼した結果、以下の問題が発生しました。
保健所から「効果を保証する表現」「最上級表現の使用」「術前術後写真の不適切な掲載」について指導を受け、サイト全体の修正が必要になりました。修正費用だけで80万円、機会損失を含めると200万円以上の損失となりました。
危険な業者の発言例
- 「ガイドラインはあまり厳しくチェックされていません」 • 「他の医院もやっているので大丈夫です」
• 「後で修正すればいいです」 • 「バレなければ問題ありません」
このような発言をする業者は、法的リスクを軽視しており、絶対に避けるべきです。
特徴3:極端に安い料金設定の裏側
「ホームページ制作15万円」「他社の半額で制作」といった極端に安い料金を提示する業者には、必ず裏があります。
安さの仕組み
極端に安い制作費の背景には、以下のような手抜きや追加課金の仕組みが隠されています。
既存テンプレートの使い回しにより、オリジナル性がまったくありません。同じデザインのサイトが複数存在し、他院との差別化ができません。
制作後に高額な追加費用を請求する仕組みも要注意です。「この機能は別料金」「このページは追加費用」と次々に追加料金が発生し、最終的に相場以上の費用になります。
実際の被害事例
C院長は「制作費12万円」という格安業者に依頼しましたが、実際には以下の追加費用が発生しました。
追加項目 |
金額 |
説明 |
スマホ対応 |
15万円 |
「基本プランに含まれていない」 |
お問い合わせフォーム |
8万円 |
「システム開発費として別途」 |
写真撮影 |
12万円 |
「プロカメラマン派遣費用」 |
SEO対策 |
20万円 |
「専門的な作業のため」 |
合計 |
67万円 |
最初の提示額の5倍以上 |
適正価格の目安
歯科医院のホームページ制作の適正価格は、基本的なサイトで50万円~80万円、高機能サイトで80万円~150万円程度です。これを大幅に下回る価格には必ず理由があります。
特徴4:実績の詳細を明かさない
「実績多数」「満足度98%」といった曖昧な表現ばかりで、具体的な実績を明かさない業者は信頼できません。
実績確認の方法
優良な制作会社であれば、以下の質問に具体的に答えることができます。
「過去1年間で歯科医院を何件制作しましたか?」「制作したサイトの成果を数値で教えてください」「実際のクライアントを紹介してもらえますか?」
これらの質問に対して具体的な回答ができない業者は、実績が乏しいか、成果が出ていない可能性があります。
偽装実績の見抜き方
悪質業者の中には、他社の制作物を自社の実績として紹介する場合があります。気になる実績があれば、そのサイトの制作会社名をサイト内で確認してみましょう。
また、ポートフォリオに掲載されているサイトが現在も正常に運営されているかもチェックポイントです。制作後に放置されているサイトが多い場合は、継続的なサポートが期待できません。
要注意な表現
- 「業界トップクラスの実績」(具体的な数値なし) • 「多くのお客様に満足いただいています」(主観的な表現) • 「成功事例多数」(具体例なし) • 「他社では真似できない結果」(根拠不明)
特徴5:制作後のサポート体制が不透明
ホームページは制作後の運用が最も重要ですが、サポート体制について曖昧な説明しかしない業者は避けるべきです。
サポート体制の確認項目
制作後のサポートについて、以下の点を明確に説明できるかを確認しましょう。
緊急時の対応時間とサポート方法、定期的なメンテナンス内容、無料サポートの範囲と期間、有償サポートの料金体系、担当者の継続性について具体的な説明があるかをチェックします。
危険なサポート体制の例
「制作後のサポートも万全です」と言いながら、具体的な内容を説明できない業者は要注意です。また、「基本的にはお客様での運用をお願いします」といった突き放すような発言も危険信号です。
実際のトラブル事例
D歯科医院では、制作から6ヶ月後にサイトにトラブルが発生しましたが、制作会社と連絡が取れなくなりました。
電話は不通、メールも返信なし、会社のオフィスも移転していました。結果的に、別の業者に緊急対応を依頼し、60万円の修復費用がかかりました。
被害を避けるための具体的対策
これらの悪質業者による被害を避けるための具体的な対策をまとめます。
契約前の必須チェック項目
複数社からの提案を必ず受けて比較検討しましょう。最低でも3社以上から見積もりを取り、提案内容、実績、サポート体制を詳細に比較します。
契約内容は必ず書面で確認し、曖昧な表現がないかをチェックします。作業範囲、費用、スケジュール、サポート内容をすべて文書化してもらいましょう。
相談先の確保
信頼できる相談先を事前に確保しておくことも重要です。歯科医師会、同業者のネットワーク、専門のコンサルタントなど、第三者の意見を聞ける環境を整えておきます。
段階的な契約の検討
初回から大規模な契約をするのではなく、小規模な案件から始めて業者の対応を確認する方法も有効です。信頼関係が築けてから本格的な制作を依頼するという段階的なアプローチを検討しましょう。
記録の保持
営業担当者との会話内容、提案書、契約書などはすべて記録・保管しておきます。万が一トラブルが発生した際の証拠となります。
何より重要なのは、甘い営業トークに惑わされず、冷静に判断することです。「そんなに良い話があるなら」と感じた時こそ、立ち止まって慎重に検討しましょう。
まとめ
悪質な制作業者には、甘い営業トーク、ガイドライン無知、極端な安値、実績隠し、サポート不透明という5つの共通特徴があります。これらの特徴を知り、複数社比較、詳細確認、段階的契約などの対策を講じることで被害を防げます。冷静な判断と十分な検討時間を確保し、信頼できるパートナーを選ぶことが医院の未来を守る鍵となります。
投稿者プロフィール
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歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。
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