【歯科経営】土地購入vs賃貸|開業時のコンサルティングで重視する判断基準

開業時の判断の中で、最も慎重な検討を要するのが不動産に関する選択です。当社リバティーフェローシップ(東京歯科経営ラボ)に寄せられる相談の中でも、「土地を購入すべきか、賃貸物件にすべきか」という質問は、特に多い内容の一つとなっています。

この判断は、開業後15年以上にわたって歯科医院経営に影響を与え続けます。今回は、実際の開業支援事例を基に、この重要な意思決定のポイントを解説していきます。

 

 ━目 次━
 1. 土地購入のメリットと課題
 2. 賃貸物件選択の実態
 3. 立地条件の重要性
 4. 資金計画からの判断基準
 5. 将来性を考慮した選択
 6. まとめ:意思決定のプロセス

 

 

1. 土地購入のメリットと課題

東京都でのA歯科医院の開業事例から見えてきた、土地購入の実態をお伝えします。A医院は、最寄り駅から徒歩7分の住宅地に100坪の土地を購入し、開業しました。

購入価格は1億2000万円。これに建物の建築費用1億円が加わり、総投資額は2億2000万円となりました。一見すると大きな投資に見えますが、10年後の評価ではこの判断は正しかったことが証明されています。

土地購入の最大のメリットは、資産形成と将来的な経営の安定性です。A医院の場合、地価の上昇により、購入から10年で土地の評価額は20%上昇しました。また、賃貸料の上昇リスクがないことで、長期的な経営計画が立てやすくなりました。

しかし、課題もありました。開業当初は資金的な余裕がなく、医療機器の更新や人材採用に制約が生じることもありました。この経験から、土地購入を選択する場合は、運転資金の確保が極めて重要であることが分かります。

 

2. 賃貸物件選択の実態

一方、東京23区内のB歯科医院は、駅前の商業ビルに賃貸で出店しました。月額賃料は85万円。内装工事費4,000万円と医療機器費用4,000万円で、初期投資は8,000万円でした。

賃貸選択の最大のメリットは、初期投資を抑えられることです。B医院は、その分を最新の医療機器の導入や優秀なスタッフの採用に充てることができました。また、駅前という好立地により、開業後3ヶ月で黒字化を達成しています。

ただし、賃貸料の上昇や契約更新時の条件変更といったリスクは常に存在します。B医院でも、5年目の契約更新時に賃料が10%上昇し、収益計画の見直しを迫られました。

 

3. 立地条件の重要性

立地選択において特に重要なのは、将来的な発展性です。C歯科医院の事例は、この点で示唆に富んでいます。郊外の新興住宅地に土地を購入したC医院は、その後の大型マンション建設により、患者数が大幅に増加しました。

一方で、商業施設の移転により患者数が減少した事例もあります。立地選択においては、都市計画や人口動態、交通インフラの整備計画など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。

 

4. 資金計画からの判断基準

不動産投資の判断において、資金計画は極めて重要です。当社では、以下のような財務指標を重視しています。

  • 投資可能額の算定開業資金全体の30%以上を自己資金とすることを推奨しています。土地購入の場合、この比率はさらに高めることが望ましいでしょう。
  • 返済計画の策定: 月々の返済額が医業収入の25%を超えないことを基準としています。これは、人件費や運営費を考慮した上での安全ラインです。

 

5. 将来性を考慮した選択

開業場所の選択は、10年、20年先を見据えた判断が必要です。特に注目すべき点は以下の通りです。

  • 人口動態: 単純な人口数だけでなく、年齢構成や世帯構成の変化を予測することが重要です。特に、30-50代のファミリー層の動向は、医院経営に大きな影響を与えます。
  • 地域の発展性: 再開発計画や交通インフラの整備計画は、地域の価値を大きく変える可能性があります。行政の都市計画や民間の開発計画といった情報収集も欠かせません。

 

6. まとめ:意思決定のプロセス

土地購入と賃貸、どちらが正解という単純な答えはありません。重要なのは、各選択肢のメリット・デメリットを十分に理解した上で、自身の経営ビジョンに合った判断を行うことです。

当社では、開業計画の初期段階から、立地調査、資金計画、そして将来予測まで、包括的なサポートを提供しています。不動産選択でお悩みの先生は、まずはお気軽にご相談ください。

 

【ご相談・お問い合わせ】

  • 株式会社リバティーフェローシップ
    東京歯科経営ラボ
  • TEL:03-4405-6234
  • メール:n-ozawa@tdmlabo.com
  • Web:https://tdmlabo.com/

 

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