歯科用CT購入の際に絶対確認したいスペック(基礎編1)

こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。

さて、今回はCTに関するお話です。

歯科用CTで保険算定が可能となってから約7年経過しました。(※2017年10月の情報です)

最近では4根管又は樋状根の根管治療についてもマイクロスコープとCTとの併用で保険点数が加算できるようになり、歯科用CTはますます身近なものとなってきています。

歯科用CTの普及に伴い、各歯科メーカーからも色々な歯科用CTがぞくぞく発売されています。

今回は、歯科用CTの性能を決める上でのスペック比較に関する基本をご紹介します。

歯科用CTの基礎知識

歯科用CTとは歯の状態を立体的に撮影できる装置です。

レントゲンと呼ばれる骨を撮影する装置は2次元的な状態を写し出しますが、立体的な診断ができません。

CTの場合、歯を立体的に再現し、撮影した後にも3Dとなった骨の状態を360度あらゆる方向から確認できます。

特にこれまで、インプラント手術で歯の神経の場所を確認する際CT画像が有効とされてきました。

2次元のレントゲンですと、神経の走行状態を立体的に確認することができず危険な手術となってしまいます。

しかしながら、近年ではインプラント以外の治療にもCTを使用するケースが増えてきました。

歯科用CTで確認するべきスペック

それでは歯科用CTのチェックした方がいいスペックをいくつかご紹介します。

撮影範囲

撮影範囲。FOVとも表記されます。

その歯科用CTが撮影できる範囲を表します。最近の歯科用CTでは顔貌全体撮影できる機種も発売されてきています。

撮影範囲は複数選択可能なものがおすすめです

撮影範囲が大きいモードで撮影をすると画質が落ちます。

画質がもとめられる歯内療法時は小さく高画質で撮影し、両顎埋伏知歯確認は大きなモードで大きく撮影する等使い分けが可能です。

デメリットとして大きな範囲が撮影可能な機種は高額となっています。

スライスピッチ

ボクセルサイズとも表記され、撮影したCT画像の空間分解能の高さを指します。

簡単言うと撮影した物体をどれだけ細かく再現できるかの指標となります。

例えばスライスピッチに100μmとの標記があれば理論的には100μmの薄さまで骨の状態を再現できるということです。

髪の毛の直径が80~100μmと言われているので相当細かい部分まで確認することができます。

注意点として画質を左右するものは空間分解能だけでなく様々な要素が起因します。

機械のスペックに細かいスライスピッチの表記があったとしても、きちんと実際の画像を確認した上で検討する方がよいでしょう。

被ばく線量

歯科用CT撮影はメリットばかりかと思いますが、CT撮影は一般的に患者の受ける被ばく線量が高くなります。

レントゲン機器全般に言えることですが、情報量が多いということはそれだけエックス線を出して撮影をしているということなります。

歯科用のCTは医科用に比べても数百分の一の被ばく線量で撮影ができるので言われています。

歯科用CTのなかには、エックス線量を極力おさえて低被ばく撮影できる機種やCT撮影前にプレショット機能と呼ばれる予備撮影ができる機種もあるようです。

患者さんに優しい機械を導入していることで医院のイメージアップにもつながります。

歯科用CTの被ばく線量公開の義務はありませんので、公開されていない機種がほとんどです。

アフターメンテナンス体制も重要

近年安価になってきたといっても歯科用CTは高価な設備です。

購入したあとアフター体制も確認するべきでしょう。

電話やリモートアクセスでのサポート、故障時の対応などはとても重要です。

また、保証期間も重要です

購入後何年メーカー保証がついているのか?

メーカー保証後の修理費用はどのくらいかかるのか?

歯科用CTが構成される部品の中にはとても高価なものあります

まとめ

確認するべきスペックはまだまだありますが、今回は基本となる上記3点をご紹介しました。歯科用CTを比較する際にぜひ参考にされてください。

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