歯科医院ホームページの保守費用は妥当?年間契約の相場と内訳を徹底解説

目次
1. はじめに
2. ホームページ保守とは何か
3. 歯科医院向けホームページ保守の相場
4. 保守費用の内訳を詳しく解説
5. こんな保守契約には要注意
6. 保守費用を抑えるポイント
7. 保守会社の選び方
8. よくある質問
9. まとめ:適正な保守でホームページを資産に


はじめ

「ホームページの保守費用として、毎月3万円請求されているけど、これって妥当なの?」「年間契約で20万円と言われたが、何をしてくれるのか分からない」。歯科医院の先生方から、このようなご相談を受けることが増えています。

ホームページの保守費用は、制作費用と違って「何に対して払っているのか」が見えにくく、適正価格の判断が難しいものです。しかし、保守費用の相場や内訳を理解することで、今の契約が妥当なのか、それとも見直すべきなのかを判断できるようになります。

本記事では、歯科医院向けホームページ保守の相場から具体的な作業内容、注意すべきポイントまで、徹底的に解説します。現在保守契約を結んでいる先生方も、これから契約を検討される先生方も、ぜひ参考にしてください。

 

ホームページ保守とは何か

まず、「保守」という言葉の意味を明確にしておきましょう。ホームページ保守とは、公開後のホームページを安全かつ快適に運用し続けるための一連の作業を指します。

ホームページは作って終わりではありません。サーバーの維持、セキュリティ対策、システムの更新、コンテンツの修正など、継続的なメンテナンスが必要です。これを怠ると、セキュリティの脆弱性が放置されてハッキングのリスクが高まったり、表示が崩れて患者様に不信感を与えたり、最悪の場合はサイト全体が見られなくなることもあります。

保守契約を結ぶことで、これらの問題を未然に防ぎ、常に最適な状態でホームページを運用できるのです。では、具体的にどのような作業が含まれるのでしょうか。次のセクションで詳しく見ていきます。

 

歯科医院向けホームページ保守の相場

歯科医院のホームページ保守費用は、サイトの規模や契約内容によって大きく異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

保守費用の相場一覧表

プラン

月額費用

年間費用

主な内容

ミニマムプラン

6,000円〜12,000円

72,000円〜144,000円

サーバー維持、SSL証明書、基本的なセキュリティ対策

スタンダードプラン

18,000円〜36,000円

216,000円〜432,000円

上記+定期バックアップ、軽微な修正対応、アクセス解析レポート

プレミアムプラン

42,000円〜60,000円

504,000円〜720,000円

上記+月次コンテンツ更新、SEO対策、緊急対応優先

これらの金額は、一般的な10〜20ページ程度の歯科医院ホームページを想定した相場です。サイトの規模が大きい場合や、予約システムなどの特殊な機能がある場合は、これより高くなることもあります。

相場から大きく外れる場合の注意点

月額6,000円未満の格安プランは、サーバー代のみでほとんど保守作業が含まれていないケースがあります。逆に、月額6万円を超える高額プランは、内容に見合った価値があるか慎重に確認する必要があります。

「相場より安い」「相場より高い」だけで判断するのではなく、「何が含まれているか」を具体的に確認することが重要です。

 

保守費用の内訳を詳しく解説

保守費用は、様々な作業や費用の積み重ねで構成されています。ここでは、一般的な保守契約に含まれる項目を詳しく解説します。

1.サーバー・ドメイン関連費用

サーバー管理費:月額1,000円〜5,000円

ホームページを公開するためには、サーバー(データを保管する場所)が必要です。保守会社が提供するサーバーを使用する場合、この管理費が発生します。サーバーの性能や容量、バックアップ体制によって金額が変わります。

高速で安定したサーバーほど費用は高くなりますが、ページの表示速度はSEOにも影響するため、あまりに安価なサーバーは避けるべきです。

ドメイン管理費:年額1,000円〜5,000円

「〇〇歯科.com」といったドメイン(ホームページの住所)の維持費用です。通常は年額で請求され、保守費用に含まれる場合と別途請求される場合があります。

SSL証明書:年額0円〜20,000円

「https://」で始まるセキュアな通信を実現するSSL証明書の費用です。現在は無料のSSL証明書(Let’s Encrypt)が普及しており、多くの保守会社がこれを採用しています。有料の証明書は、より高度なセキュリティや企業認証が付いていますが、一般的な歯科医院では無料版で十分です。

2.セキュリティ対策

定期的なセキュリティ監視:月額3,000円〜10,000円相当

ホームページへの不正アクセスやマルウェア感染を監視します。特にWordPressなどのCMSを使用している場合、脆弱性を狙った攻撃が頻繁に発生するため、この対策は必須です。

システム・プラグインの更新:月額2,000円〜8,000円相当

WordPressの本体や、使用しているプラグイン(拡張機能)を最新版に保つ作業です。古いバージョンのまま放置すると、セキュリティホールが生まれます。ただし、更新によってサイトが正常に動かなくなることもあるため、更新前のバックアップとテストが重要です。

バックアップの取得と保管:月額1,000円〜5,000円相当

万が一の際に復旧できるよう、定期的にサイト全体のバックアップを取得します。バックアップの頻度(日次・週次・月次)や保管期間によって費用が変わります。

3.コンテンツ更新・修正対応

軽微な修正対応:月額0円〜10,000円

診療時間の変更、スタッフ紹介の追加、新しい治療メニューの掲載など、簡単なテキストや画像の修正に対応します。月に何回まで、1回あたり何分までという制限がある場合が多いです。

プランによっては「月1回まで無料」「30分以内の作業まで」など、条件が設定されています。頻繁に更新が必要な場合は、この部分の条件をよく確認しましょう。

大幅な修正・新規ページ作成:別途費用

デザインの大幅な変更や、新しいページの作成などは、保守費用とは別に見積もりが必要になるのが一般的です。

4.アクセス解析とレポーティング

月次レポートの作成:月額3,000円〜15,000円相当

Google Analyticsなどのツールを使い、アクセス数、流入経路、人気ページなどを分析してレポートにまとめます。単にデータを送るだけでなく、改善提案まで含まれているかがポイントです。

数字を羅列しただけのレポートではなく、「先月と比べてアクセスが増えた理由」「このページの離脱率が高いので改善が必要」といった分析があるかどうかで価値が大きく変わります。

5.技術サポート

電話・メールサポート:月額0円〜5,000円

ホームページに関する質問や問題が発生した際の相談窓口です。対応時間(営業時間内のみ/24時間)や対応方法(メールのみ/電話可)によって費用が異なります。

緊急対応:別途費用または月額5,000円〜

サイトがダウンした、ハッキングされたなど、緊急時の対応です。プレミアムプランでは優先対応が含まれていることもあります。

保守費用の内訳イメージ図

月額24,000円のスタンダードプランの場合、費用の内訳は概ね以下のようになります:

サーバー・ドメイン管理     25% (6,000円)

セキュリティ対策           30% (7,200円)

バックアップ               10% (2,400円)

軽微な修正対応             20% (4,800円)

アクセス解析レポート       10% (2,400円)

サポート対応               5%  (1,200円)

この内訳を理解することで、「何にいくら払っているのか」が明確になり、費用の妥当性を判断しやすくなります。

 

こんな保守契約には要注意

残念ながら、保守契約の中には不当に高額だったり、実質的な作業をほとんど行っていなかったりするケースも存在します。以下のような契約には注意が必要です。

注意すべき契約の特徴

  1. 作業内容が曖昧

「ホームページの保守一式」といった抽象的な表現だけで、具体的に何をしてくれるのか明記されていない契約は危険です。必ず「月に何回バックアップを取るのか」「どのような修正まで対応してくれるのか」など、具体的な内容を確認しましょう。

  1. 更新履歴が不明

何ヶ月も保守費用を払っているのに、実際に何か作業をしてもらった記憶がない。このような場合、実質的な保守作業が行われていない可能性があります。定期的に作業報告書を受け取るようにしましょう。

  1. 長期契約の強制

「3年契約必須」「途中解約は違約金10万円」といった、長期契約を強制する条件には注意が必要です。サービスに不満があっても簡単に乗り換えられなくなります。

  1. ホームページの所有権が不明確

保守契約を解除すると、ホームページのデータを渡してもらえない、ドメインが使えなくなるといったケースがあります。契約時に「サイトのデータは誰のものか」「解約時にデータを受け取れるか」を確認しておくことが重要です。

  1. サーバー代だけで保守を名乗っている

月額3,000円程度で「保守込み」とうたっているが、実際はサーバー代のみで、セキュリティ対策や更新作業は一切含まれていないケースがあります。

 

保守費用を抑えるポイント

適切な保守は必要ですが、無駄な費用は抑えたいものです。ここでは、保守費用を適正化するためのポイントをご紹介します。

  1. 必要な作業だけを選ぶ

すべての医院に最高レベルの保守が必要なわけではありません。例えば、更新頻度が低い医院なら、修正対応の回数が少ないプランで十分です。自院の運用スタイルに合わせて、必要な作業だけを選びましょう。

  1. 年間契約で割引を受ける

多くの保守会社では、年間一括払いにすることで月額料金より10〜20%程度安くなります。ただし、サービスに満足できなかった場合のリスクもあるため、最初の1年は月額契約で様子を見るのも一つの方法です。

  1. 複数社から見積もりを取る

保守費用は会社によって大きく異なります。最低でも3社から見積もりを取り、価格だけでなく作業内容も比較しましょう。極端に安い会社と高い会社を除外し、中間的な価格帯で内容が充実している会社を選ぶのが無難です。

  1. 自社でできることは自分で行う

簡単なテキスト修正やお知らせの更新などは、管理画面から自分で行えるシステムもあります。初期の研修費用はかかりますが、長期的には保守費用を抑えられます。

  1. 制作会社と保守会社を同じにする

ホームページを制作した会社と保守を依頼する会社が異なると、トラブル時の責任の所在が曖昧になったり、対応がスムーズでなかったりすることがあります。可能であれば、制作から保守まで一貫して依頼できる会社を選ぶと、コストも抑えられることが多いです。

 

保守会社の選び方

適正な保守費用を判断できたとしても、実際にどの会社を選ぶべきか悩む先生方は多いでしょう。ここでは、信頼できる保守会社を選ぶためのチェックポイントをご紹介します。

選定のチェックリスト

以下の項目を確認することで、自院に合った保守会社を見つけられます:

□ 歯科医院の保守実績が豊富か

  • 歯科医院特有のニーズ(予約システム、診療内容の説明など)を理解しているか

□ 契約内容が明確か

  • 作業内容、対応範囲、対応時間が具体的に記載されているか

□ レスポンスが早いか

  • 問い合わせに対する返答が迅速か(24時間以内が目安)

□ 定期的な報告があるか

  • 実施した作業内容やアクセス状況を定期的に報告してくれるか

□ 緊急時の対応体制が整っているか

  • サイトダウンなど緊急時の連絡先や対応フローが明確か

□ 解約条件が適正か

  • 解約の予告期間は1〜3ヶ月程度が一般的
  • 違約金が過度に高額でないか

□ データの所有権が明確か

  • サイトデータ、ドメイン、サーバーの所有者が誰か明記されているか

契約前に確認すべき質問リスト

実際に契約する前に、以下の質問を保守会社に投げかけてみましょう:

  1. 「具体的にどのような作業を月に何回行いますか?」
    • 曖昧な回答しかできない会社は避けるべきです
  2. 「バックアップはどのくらいの頻度で取っていますか?保管期間は?」
    • 最低でも週1回、できれば毎日のバックアップが理想的です
  3. 「過去にハッキング被害を受けたサイトの復旧経験はありますか?」
    • 緊急時の対応能力を測る質問です
  4. 「WordPressのバージョンアップはどのように行いますか?」
    • テスト環境での検証を行っているかが重要です
  5. 「契約を解除する場合、サイトのデータは引き渡してもらえますか?」
    • 「渡せない」という回答なら要注意です

 

くある質問

保守契約に関して、歯科医院の先生方からよくいただく質問をまとめました。

Q1. 保守契約は必ず必要ですか?

  1. 規模や運用方法によりますが、基本的には強くお勧めします。特にWordPressなどのCMSを使用している場合、定期的なセキュリティ更新がないと、ハッキングのリスクが非常に高くなります。最低限のセキュリティ対策とバックアップが含まれた保守契約は必須と考えてください。

Q2. 保守費用とサーバー代は別ですか?

  1. 会社によって異なります。サーバー代が保守費用に含まれている場合と、別途請求される場合があります。見積もりを取る際は、「サーバー代込みか」を必ず確認しましょう。

Q3. 月に何度も修正が必要な場合はどうすればいいですか?

  1. 頻繁に更新が必要な場合は、以下の選択肢があります:
  • 修正回数が多いプランに変更する
  • 自分で更新できるCMS(管理画面)を導入する
  • 修正のたびに都度料金を支払う

長期的には、自分で更新できるシステムの導入が最もコスト効率が良いでしょう。

Q4. 保守会社を変更することはできますか?

  1. 可能です。ただし、以下の点に注意が必要です:
  • 現在の契約の解約条件(予告期間、違約金)を確認
  • サイトのデータを引き継げるか確認
  • ドメインやサーバーの所有権を確認

新しい保守会社への移行は、データの移行作業や設定の見直しが必要なため、移行費用が別途発生することもあります。

Q5. 格安の保守サービスと高額な保守サービス、何が違うのですか?

  1. 主な違いは以下の通りです:

項目

格安サービス

高額サービス

対応範囲

基本的なサーバー維持のみ

包括的なサポート

対応速度

数日かかることも

即日〜翌日対応

専任担当

なし

あり

提案力

なし

改善提案あり

緊急対応

別途高額費用

含まれる場合が多い

ただし、高額だから必ず良いわけではありません。自院のニーズと費用のバランスが重要です。

Q6. 保守契約なしで、必要な時だけスポット対応してもらえますか?

  1. 可能ですが、スポット対応は割高になることが多いです。例えば、緊急のセキュリティ対応は1回5万円〜といった料金設定になります。年に数回でもトラブルが発生すれば、保守契約を結んでいた方が結果的に安く済むケースがほとんどです。

 

まとめ:適正な保守でホームページを資産に

ホームページの保守費用は、一見すると「何もしていないのにお金だけ取られている」と感じるかもしれません。しかし、適切な保守があってこそ、ホームページは安全に、効果的に機能し続けます。

保守費用の相場は月額6,000円〜36,000円程度で、サイトの規模や必要な作業内容によって変動します。重要なのは、「安いか高いか」ではなく、「費用に見合った価値があるか」です。

契約内容を精査し、具体的な作業内容を確認し、定期的な報告を求めることで、保守会社との健全な関係を築くことができます。そして、適切に保守されたホームページは、長期的に患者様を集め続ける貴重な資産となるのです。

当社では、歯科医院に特化したホームページ制作と保守サービスを提供しています。制作時からセキュリティや更新のしやすさを考慮した設計を行い、保守フェーズでも透明性の高いサービスを心がけています。

現在の保守契約に疑問をお持ちの先生、これから新しくホームページを作られる先生、どちらもお気軽にご相談ください。無料で現在の契約内容の診断も承っております。

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投稿者プロフィール

NAOKI OZAWA
歯科コンサルタント小澤直樹
2002年よりコンサルティング活動を開始。2008年から歯科コンサルタントとして勤務した後20017年より現職。

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