これからのメインテナンス2018【phaseⅠ-②】

おはようございます。歯科医院の経営コンサルタントをしています小澤直樹です。前回に引き続きメインテナンスについての記事をアップさせていただきます。保険内で歯のクリーニングは歯周病治療の一環として明示化されましたので、今後歯周病以外のメインテナンスは、自費メインテナンスという流れに一層なっていくことと思います。前回は保険内と自費メインテナンスの違いとメリットをご紹介しました。今回は自費メインテナンスに重点をおいてご紹介したいと思います。

自費メインテナンスについての基礎知識

日本の人口推移ですが、2060年には総人口が9,000万人を割り込み40%近い高齢化率で超高齢化社会になると言われています。その上医療費は年々向上していますので、保険内でのメインテナンス算定はますます厳しくなっていくでしょう。

また近年国民の予防意識の高まりにより、歯医者への受診理由として「歯石除去・クリーニング」が2番目に多いと言われています。患者さんのニーズに合った自費メインテナンスを取り入れていきましょう。

自費メインテナンスの内容と価格設定

自費メインテナンスの内容は歯石除去以外にPMTCによるバイオフィルム除去、歯面研磨によるステイン除去、虫歯予防のためのフッ素塗布等を取り入れましょう。その他女性向けに審美に関するオプションを盛り込むことも効果的です。

価格設定はよく検討するべき内容です。歯周病による保険内歯石除去での患者負担は約3,000円程度ですので、自費メインテナンスの相場と言われている5千円以上となると患者負担額が増えてしまうことになります。

またメインテナンスで一人の患者にかける(かかる)時間も調べる必要があります。チェアユニットのメインテナンス占有時間で赤字とならない価格設定が必要です。歯科衛生士の給与を算出し、それに応じた価格設定にしたほうがよいでしょう。

おすすめなのはメインテナンスにかける時間に応じたコース設定です。コース別に盛り込むメインテナンス内容も変更しましょう。

メインテナンスコース例

1.30分コース 3,000円  歯石除去

2.40分コース 5,000円  歯石除去、PMTC、ステイン除去

3.60分コース 10,000円     歯石除去、PMTC、ステイン除去、フッ素塗布+α

患者さんに一番選んでもらいたいコースを中間の価格設定にするとよいでしょう。フレーミング効果で選ばれる確率が非常に高くなります。

自費メインテナンスは、出来れば個室にするか仕切りなどを設け特別感を出すのがよいでしょう。チェアユニットは、長時間患者さんが座るので疲れないよう配慮が必要です。

一般的に技術料に対する支払いはシビアとされています。自費メインテナンスの患者1人に対しマンツーマンで対応できるよう歯科衛生士さんに対応してもらいましょう。

自費メインテナンス導入方法

以下のような流れで決定するとよいでしょう。

1.現在の自院メインテナンス件数を分析する

2・自費メインテナンスのパンフレットを作成する

3.患者さんに提案する

1.現在の自院メインテナンス件数を分析する

自費メインテナンスを導入する上で、まず自院のメインテナンスについて現状分析が重要です。

定期メインテナンスに来られる患者さん台帳を作るか、お使いのカルテ・レセプトコンピュータ等からデータを取り出します。

予防意識の高い患者さんは定期的に通院されてくるので、自費メインテナンスに移行して欲しい患者さんを絞り込みましょう。

2.自費メインテナンスのパンフレットを作成する

口頭だけでの説明のみで自費メインテナンスへの移行は容易ではないかと思います。

コース別の施術が詳しく記載された専用パンフレットを作成しましょう。

パンフレットには使用する設備やメインテナンス後の画像を載せることが有効です。

3.患者さんに提案する

通常の定期メインテナンスにきていただいたタイミングで自費メインテナンスへの提案をしましょう。

院長自らご説明するのか歯科衛生士さんから提案をするのかは、患者さん毎に分けた方がよいでしょう。

歯科衛生士さんの方が患者さんとコミュニケーションが深い場合があります。

まとめ

自費メインテナンスへの移行は、患者さんのメインテナンスへの理解が必要です。

メインテナンスを継続することで、歯周病予防、虫歯の早期発見、口臭予防が可能となります。

患者さんの健康のために自費メインテナンスを提案していきましょう。

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