歯科用CT購入の際に絶対確認したいスペック(基礎編3)

こんにちは、歯科医院経営コンサルタントの小澤です。

さて、2回に渡り歯科用CTのスペック比較についてご説明して参りました。

今回は、主にソフトウェアの機能に関するスペックについてご紹介します。

歯科用CTの構成される部品は、主にエックス線を照射するエックス線管球と患者を透過したエックス線を受光するC-OMSセンサーです。

透過されたエックス線はデジタル信号に変換されコンピュータに保存されます。

これらの部品の性能はある程度成熟化しており、機械による性能の大差が無くなってきました。

今後、歯科用CTのスペックを比較する上で重要になってくるのがCTデータを表示・加工するDICOMビュアーです。

歯科用CTメーカーによって取り扱っているDICOMビュアーは様々で、使い方は様々です。

診療でどういった機能が必要かよく確認することが必要です。

歯科用CTで確認するべきスペック

それでは歯科用CTのチェックした方がいいソフトウェアのスペックをいくつかご紹介します。

アーチファクト除去機能

アーチファクト除去機能はCT撮影後のCT画像の構築時にプログラムのアルゴリズムで無くす機能で、最近の機種に追加されるようになってきた機能です。

金属アーチファクトは歯のクラウンや根充材がエックス線を遮断し画像が欠落してしまう現象です。

アーチファクトはCTの構造上完全に無くすことは出来ませんが、特に歯内療法時の根充後の状態を確認する際に非常に重要となってきます。

インプラントシミュレーション機能

いままでインプラントの施術はインプラントメーカーから発売されているインプラントガイドソフト読み込んでシミュレーションを行っていました。

昔はここまで歯科用CTが普及していなかったため、インプラントを行う際は病院にて医科用のCTでCT撮影しガイドソフトに読み込んでいました。

最近の歯科用CTに付属されるソフトウェアには、シミュレーションに必要な機能が標準装備されています。

下顎管の走行状態の着色、埋入方向の計測、リアルなフィクスチャーによるインプラントの再現、上部構造を含めたトップダウントリートメント等です。

インプラントをメインに行う先生はよく確認した方がいい機能だと言えます。

その他の機能

ステッチ機能

ステッチもしくはフュージョン等と呼ばれている、別々に撮影をしたCT画像を結合させる機能です。

撮影範囲が大きいCTは高価になる傾向があります。

このステッチ機能を使用するとCTを複数回撮影する必要はありますが、高価なCT機種を選択しなくても広範囲のCT画像を確認することができます。

CT値再現

CT値もしくはHu値とも呼ばれるものを再現します。

水のエックス吸収係数を0と基準し人体の皮膚や軟組織や硬組織を数値化するものです。

エックス線の照射をコーンビーム方式としている歯科用CTでは再現は難しいとされてきましたが、一部再現可能な機種もあるようです。

CT値はインプラント施術時に骨の硬さを確認するのに有効です。

3Dセファロ矯正

従来歯科矯正は2次元のセファロ画像で行うことが主流でしたが、3Dセファロ矯正はCT画像からトレースをして歯科矯正を行います。

この機能を使用するためには非常の大きな撮影が必要です。

STL変換機能

STLとは今話題となっている3Dプリンターに対応したフォーマット形式です。

撮影したCTが画像をSTLデータに変換することでCT画像を3Dプリンター等で模型を作成することができます。

患者さんの歯牙模型に近いものが作成できますので、治療を受ける患者さんの口腔内の状態の確認や、手術前のシミュレーションが可能です。

以上、3回にわたってCT比較について解説させていただきました。

今回ご紹介させていただいたこと以外にも購入する際に注意する点はありますが、医院の経営にとって購入が必要だと判断された場合には、複数の業者さんにきちんと話を聞いた上で決断されてください。

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